山行記録 2015年  No.16
12月6日(日) 日帰り山行

日光市 高原山(鶏頂山) 中級

アクセス・コースタイム
 
12/6(日)
電車:高砂駅[4:45発]−新藤原駅[8:02着] 野岩鉄道に乗り換え

   新藤原駅[8:09発]−川治湯元駅[8:24着](株主優待券+300円)
徒歩:川治湯元駅[8:30出]−登山口手前の駐車場[9:00着]−

   −林道[9:40着]−また登山口[9:50着]−

   −沢の音のする所[10:25着]−磁石石・シカ柵[10:50着]−
   −鶏頂山西登山口[11:15着/11:20発]−リフト券売り場の丘[12:00着]−
   −大沼入口[12:07着]−弁天池[12:20着]−尾根[12:42着]−
   −高原山(鶏頂山)1766m山頂到着[12:55着/13:00発]−
   −弁天池[13:20着]−西登山口[13:55着/14:00発]−
   −磁石石・シカ柵[14:15着]−林道[14:47着]−
   −登山口手前の駐車場[15:10着]−川治湯元駅[15:40着]
電車:川治湯元駅[15:51発]−新藤原駅[15:59着/16:02発]−
   −高砂駅[19時30分頃着](株主優待券+300円)
 
 
春、東武鉄道の株主優待券を4枚買ったが、2枚使わずに12月の期限が迫ってきた。
なんとか使い切ろうと、行く山を考えていた時、株主優待券でどこまで行けるのかを知らないことに気付いた。
今更ながら調べると、「新藤原駅」だと分かり、そこから行ける山を探したら、「鶏頂山」がヒットした。
更に調べると、「川治湯元駅」からは、「川治古道」と呼ばれるバリエーションルートがあることを発見。それに決めた。
しかし、それを決めたのは、前の晩の11時。
それから地図をPDF化して、近所のセブンイレブンでプリントアウト。
それからパッキングやらなにやら。
結局、布団に入ったのは、日付が変わった1時。
始発に乗るため3時半に起きる。睡眠時間2時間半。キツー!
 
今日は、自作したアームカバーを着けて行くことにする。
これ、とても温かい。(自画自賛)
ちなみに、同じ物を山田さんと立川君に作って送ってあげた。
 
いつもの始発電車に乗って、いつもと違う「下今市駅」で「鬼怒川線」に乗り換える。
「栃木駅」を過ぎると「日光」の峰々が見えてくる。
すでに山頂はうっすらと雪化粧。
それが朝日を浴びて、オレンジ色に輝いていた。きれいだ。

 
そんな「日光」の山の親子(男体山、女峰山、大真名子・子真名子山)を電車で北上しながら、南から、東から、そして北から見ることができた。
「鬼怒川線」は、単線で2両編成。ローカル感、十二分。

 
「鬼怒川温泉駅」を過ぎると、正面に白く飾った山が山頂だけ見えた。
あれが「鶏頂山」か〜。あれぇ?
この時になってやっと気づいた。
今日、アイゼンを持ってこなかった・・・。ヤベー!
そういえば土曜日の天気予報は雨だった。日曜日が晴れだからラッキーと思っていたが、まさか雪が降ったなんて。読みが甘かった。

 
「新藤原駅」を過ぎると「野岩鉄道」に変わる。早速、車掌さんが回ってきて、乗り越し精算、300円を払う。
単線の「野岩鉄道」は、止まる駅、止まる駅上下線がすれ違い、ゆっくりゆっくり進んで、8時24分「川治湯元駅」に到着した。
「川治湯元駅」は、「鬼怒川」にかかる大きな橋の、端っこに作られた小さな駅。
駅舎は、切符売り場のプレハブのみ。パートのお姉さんが一人いるだけ。
駅前は広いが、店も何もない。温泉旅館の送迎バスもいなければ、タクシーもいない。

 
さて、昨夜、計画したルートは、「川治湯元駅」から「鶏頂山」に登り、縦走して「新藤原駅」側に下る予定だ。コースタイムは9時間。
「新藤原駅」発の電車は本数が少ないので、どれだけ時間を縮められるかがポイントだ。
なので駅に着いたら、早速歩き始める。
 
 
駅を出発すると、舗装道を下り「薬師の湯」を通過。橋を渡り、大通りを少し歩き脇道に入る。
コミュニティーセンター脇から遊歩道に入る。
ケヤキやモミジ、スギなどの落葉が路面一杯に敷き詰められ、この最近、人が歩いていないことを示している。

 
ベンチや東屋を通過し、駅から30分程で林道終点の駐車場に着く。
ここから山路、「川治古道」と呼ばれる路に入る。

 
さっきの遊歩道しかり、この路も落葉が沢山で、人が歩いた痕跡一つない。
歩き始めると、尾根の右斜面の岩をわざわざ削って作られた路が続いている。
かなり苦労して作ったと思われる「川治古道」も、2−3割は崩れ道幅も狭くなっている。
そんなところには、トラロープが掛けられている。
しかし、これだけの大工事で作られた路だから、昔は人も馬も沢山上り下りしていたことだろう。

 
20分程進むが、尾根からだいぶ離れてきた。
ヤマレコには、尾根上に敷設されたNTTのケーブルと電柱が目印と書いてあった。
しかし、一向に出てこない。
少しなだらかになると杉の切り出し場になっていて、路は沢沿いと、左手の尾根に登るルートに分かれた。
どちらも林業用に作られた路だ。

 
ヤマレコのアドバイス通り、尾根を目指し左手に登ると、ケーブルと電柱が見えてきた。
そして轍(わだち)の様な路が続いている。ただし、落葉で一杯だ・・・。
その先は、NTTのケーブル保安用の路に沿って進む。

 
それにしても落葉が多い。
人は歩いていないが、小さな足跡だけは何本も見かける。
そして落葉をあっちこっち蹴飛ばしながら歩き回った跡もある。
前者はシカ。後者はイノシシだろう、トレースを付けたのは。
そして夏の間なら、ヒルとダニの繁殖場になっていることだろう。
 
地図の通り、標高800mで林道に出る。
右手には「鶏頂山」の頂が白く輝いている。
林道に出ると風が強く、ここで雨具の上着を着る。
10分程林道を歩くと右の尾根に山路が見える。
急な尾根を右にトラバースし九十九折りに路が続いている。

 
このあたりから落葉に雪が積もっていた。
雪は登るにつれ少しづつ増してくる。

 
九十九折りを登り切ると、なだらかな尾根上の路が続き、NTTのケーブル沿って歩く。
 
林道から山路に入ってから約30分、沢の音が聞こえ、小滝が見えるところに出る。
一本取るのにちょうど良い場所だ。
その先には大岩があり、石碑が立っている。
そこを過ぎると尾根の右に路が続きNTTのケーブルを離れる。
松林で左に曲がり尾根に戻る。そこでまたケーブルに合流する。
 
この松林でイノシシに出遭った。
「ガサッ、ガサッ」と音がしたので右の斜面を見ると、黒い顔がこっちを見ている。
一瞬、「クマ」かと思って、思わず「ヴォー」と叫んでしまった。
よ〜く見ると鼻が大きく、イノシシだと分かった。
威嚇してこっちに向かってくるようだった。
後ろにはウリボーが4-5頭いて、右に走り去ると、親イノシシも走り去っていった。
「ホッ・・。」かなり焦った。
(この林の中にイノシシが・・)
 
松林から尾根に合流したところに立札があり、NTTのケーブルに沿って路を進めば、足元のクマザサに変わってススキの原になると、シカ柵が見えている。
そのすぐ手前には「日光市」が作った観光案内版があり、ここが「磁石石」だと分かった。
市の史跡になっているそうだが、ササが多く、普通の人は入ってこられないと思うが・・・。
「文久三年下ル」の文字は今でも消えない。

 
シカ柵ネットに沿ってササの中を進む。
ちなみに柵の扉は2ヶ所あって、どちらを出入りしても構わない。
シカ柵ネットが終わると、農道に出る。
左右にはビニールハウス、民家や納屋が建っている。
振り向くと「藤田農園」の大きな看板が立っていた。
右上には、「鶏頂山」の白い頂が見える。

 
舗装道のT字路を右に曲がりしばらく進む。
路面には、昨日降った雪が1〜2cm積もっている。
ゴルフ場の大きな看板がある十字路が「日塩有料道路(通称:もみじライン)」だ。
左に曲がった先に赤い鳥居が見えてくる。
ここが「鶏頂山」の「西登山口」だ。
狛犬と水鉢が置かれている。
反対側には駐車場があり、1台止まっていた。
時計は11時15分。歩き始めて2時間45分経った。
ここで昼食、パンをかじり、テルモスのコーヒーで小腹を満たす。
 
 
ここからは一般登山路。
針葉樹の樹林帯になだらかな路が続いている。
積雪は3〜4cm。一人のトレースがついている。
途中、トレースを付けた登山者とすれ違ったが、朝一番、車で来たそうだ。

 
下山の時間を考えると少しでも早く登りたい。
そんな気持ちだから自然とペースが上がる。
途中、スキー場の看板が見える。

 
「西登山口」から40分。開けた丘に着く。
スキー場の看板と、リフト券売り場の小屋が1軒。
ここから山頂が間近に見える。
少し下ると「大沼入口」と彫られた石標が立っている。
その先に凍った池と鳥居が見える。
シラビソ林の中、ぽっかり空いた空間に「弁天池」があった。
不思議な空間だ。お参りして先に進む。

 
手書きのルート図があり、急登と緩い登りの2ルートが示されている。
国土地理院の地図と同じだ。
時短のため、急登を進む。

 
このあたりで時間が気になりだした。
このまま縦走をして「新藤原」に下るか、それともピストンに切り替えるか。
ヤマレコのコースタイムと、ほぼ同じだ。時間を稼げていない。(焦)
 
そんな焦った気持ちで、ハイピッチで登っていると、「驚いた」と声が聞こえた。
オレンジ色のベストを着た鉄砲ぶちが二人、下ってきたのだ。
驚いたのはこっちも同じ。
鉄砲ぶちのおじさん達は、尾根の向こうでクマを追っていたそうだ。
今もいるの? 急いで笛を出した。
 
「弁天池」から20分、尾根に出た。
東側の見晴らしがよく、「御嶽山」「釈迦ヶ岳」「中岳」「西平岳」の峰々がよく見える。
中でも「釈迦ヶ岳」は、雪で白く輝いていた。
ここから右が「鶏頂山」、左が「御嶽山」。左は歩いた跡がない。
縦走路には、若干だがクサリ場がある。
ここはひとつ、無理をしないでピストンに変更することにする。

 

 
尾根を右に曲がる。何か所か急な所にはトラロープが掛かっている。
積雪は4〜5cm、シラビソには霧氷が付いてきれいだ。

 
尾根に着いてから13分、「鶏頂山」1766mの山頂に到着。(12:55)
駅から4時間半かかった。
山頂には立派な神社が建立されている。お参りし、下山の無事を祈る。

 
東の展望がよく、あきらめた縦走路が見える。
その向こうには「那須」から「矢板」の街がうっすら見える。
南に移動すると今度は「日光の峰々」が見える。

 
「女峰山」の峰々の右、「太郎山」と「温泉ヶ岳」のちょうど間に真っ白になった「白根山」が見えた。
 
 
写真を撮り、テルモスのコーヒーで体を温め、下山する。
 
下りは雪のおかげで早く下れる。
「弁天池」を通過し、「大沼入口」の先、リフト券売り場の小屋が建つ丘までノンストップ。
そこに犬を連れた登山者二人に出会う。
そこからも雪路を走る。途中で笛を吹きながら走る。
 
山頂から、ちょうど1時間、「もみじライン」の「西登山口」に戻った。
ここで一本。稲荷ずしを食べる。

 
そして舗装路の路肩を歩き、静まりかえった「藤田農園」を通過。
シカ柵をくぐって、NTTのケーブルに沿った落葉の路を速足で下る。
イノシシに出遭ったところでは、何度も笛を鳴らした。

 
登りでは沢沿いのルートだったが、NTTのケーブル沿いに下ったら、最後は尾根上から駐車場に着いた。
登山口から1時間10分。

 
朝と同じコースで温泉街のはずれを通り「薬師の湯」の前に。
電車の時間を聞こうとして建物に近づくと、なんと「休館」。
ボイラーの故障で今月半ばまで休館だそうだ。
そして、川沿いの露天風呂は、夏の豪雨で修理中とのこと。
結局、何も情報は得られず、前にあった「源泉」で靴を洗う。
ぬるくてちょうど良い。
 
 

 
駅まではグランドの脇を通り、坂を登る。
電車の時間が気になる。
駅は橋の上にあり、駅の向こうには国道が走っていている。
車の走る音と電車の音を聞き違え、一人焦る。
駅に着き、切符売り場で時間を聞くと10分前だった。グットタイミング。
(山頂から下り2時間40分)

 
15時51分の「新藤原」行きに乗り、そこで「東武線」の区間快速浅草行きに座れば、あとはゆっくり「龍王峡」の景色を眺めながら、今朝買った「鬼ころし」で下山祝いを楽しむ。

 
眠くなる成分は入っていないはずだが、昨夜の寝不足からか、すぐにうとうとする。
「北千住」までは3時間。さすがに途中で尻が痛くなり、途中で目が覚める。
暗くなった車窓を眺めながら、次の山行を考えるのであった・・・。
 
【編集後記】
 
いい山、み〜つけた。
今年最初の雪山だった!
  
 ( ^^) _旦~~  
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