山行記録 2018年 No.04 | |
3月25日(日) 日帰り山行 | |
日向倉山・滝向山 バリエーションコース |
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アクセス・コースタイム |
![]() この「日向倉山」が紹介されていた。もちろんバリルートである。駅からも近いことから、いつか辿ってみたいと思ってブックマークしていた。 山の雪が消える前にと、今回、「日向倉山」にトライした。 紹介されていたコースは、高圧ケーブル沿いの東電巡回路を登りつめるルートだったが、間違って、違う巡回路に入り、そのまま尾根を登ってしまった。 結果、人が誰も入らないルートを歩けて楽しかった。落葉と雪の季節だから、低山には良いタイミングだった。 |
![]() ![]() 「野岩鉄道」の「中三依温泉駅」は、「芝草山」に登った時に降り立ったことがある。 無人駅で、駅前にはトイレ以外、自販機すらない。 ただ、近くに「男鹿の湯(おじかのゆ)」があり、日帰り温泉が楽しめる。 ![]() 8時40分、駅を出て、国道を南西に歩く。 道沿いには「高橋わさび」の店や、蕎麦屋「つちや」、蕎麦屋で日帰り温泉の「まるみの湯」、かふぇ「扇谷」、「山の幸直売センター」などがあるが、どこも閉まっている。 ![]() 「山の幸直売センター」の先、「芹沢橋」を渡り、芹沢林道を西に向かう。 正面には「滝向山」の山容が見える。 緑色の樹がないことから、ブナなどの広葉樹林の山のようだ。 ![]() ![]() 途中、炭焼きをしている人がいて、無心で薪を割っていた。 看板には、「YAMANI」と書かれていた。 ![]() ![]() そして、北側の山の斜面、小さい沢には、巨大な人工物、堰堤が作られていた。 それが、ここだけではなく、この先5箇所ぐらいあった。 2015年の豪雨で被害を受けたからだろう。 芹沢沿いの道路脇がいたるところでえぐられ、護岸工事も行われていた。 ![]() 道路沿いの民家の入口には、丸太を削って作られたフクロウが飾られていた。 「フクロウの幸せロード」と彫られている。 暫く歩いた先に「日光チェンソーアートクラブ」の看板があった。 チェンソーアート、面白そうだ。 ![]() 9時35分、林道の通行止めの看板の到着。 ここを北に進めば登山口だ。 ここで1本取る。 ![]() 砂利の林道を進む。 歩くとすぐ、この地区の水道用貯水槽があった。 立入禁止の看板とフェンスが張られている。 ![]() 少しすると左の斜面に「東電巡回路」の黄色い杭があった。 ここから擬木の階段を登る。 10分程登ると鉄塔に到着する。 ![]() ![]() 思えば、この巡回路に入ったのは、ルートミスだた。 本当は、谷沿いに登り、右の尾根の高圧ケーブル沿いに作られた巡回路が、計画したルートだった。 しかし、このまま、尾根を辿れば、「日向倉山」に向かって真っすぐ進める。 『おそらく行ける。』と読んで、このまま尾根を進むことにした。 鉄塔から先に進むとき、かなり慎重になった。 それは、鉄塔の先が、杉の植林で暗い感じがしたことと、踏跡が落葉でまったく見えなかったからだ。 踏跡を探し、方位を確認し、周囲の景色を記憶にとどめようと緊張した。 『こんなところ、人が歩くわけがない。』と思ったが、時々、赤いテープがあった。少し、、残念だった。 ![]() 杉の植林を抜けると、クヌギやコナラ、ブナの林になる。 斜面の落葉を踏みながら登る。 天気は晴れ、風はなし。 鹿の踏跡が一直線に続いている。 足元には、イワウチワの葉がたくさん見られる。 5月の連休には、きれいな花を咲かすのだろう。 ![]() ![]() 10時20分、925mのポイントに到着。石標はない。 周辺は、雪が多くなってきた。 ここで一本取る。 右手(東)には、東電のケーブルが見える。 計画では、その尾根を歩く予定だった。 ![]() ![]() さらに、ブナとササが多くなった斜面を登る。 標高1000m付近で一旦平坦になる。 標高1130mまで来ると、シャクナゲが見られ、雪も深くなる。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 1150m付近のブナの樹の上に、枯れ葉が付いた枝がまとまって残っている。 すぐに熊棚だと分かった。 それを見てから、熊のことが気になった。 熊鈴を自分で鳴らし、右の腰に吊るした熊スプレーを意識した。 ![]() 1150mを過ぎると傾斜がきつくなり、積雪も深くなる。 ![]() ![]() 11時33分、稜線に出る。標高はおよそ1240m。 尾根の上は吹き溜まりで、深いところは積雪1mぐらいある。 大きい雪庇もある。踏み抜かないよう注意する。 ![]() 尾根の向こう側には、「太郎山」が、まだ雪を一杯まとって現れた。 そして、その右肩の先には「七ヶ岳」だろうか、段々の稜線が見える。 手前、右手には、2016年2月に登った「芝草山」が見える。 この山は、「中三依温泉駅」からも見ることができる。 ![]() 稜線からは西に向かう。 雪庇に気を付けながら、アイゼンを利かせ、快調に登る。 ![]() 山頂が近くなると、尾根はやせ、雪が薄くなる。 雪が融け、アイスになっているところもある。 シャクナゲと松が増え、少々ヤブのようだが、そこは力で通過する。 ![]() 11時47分、ぽっかりと広がった雪原が見えると、そこが山頂だ。 手製の山名板が2つ吊されていた。 天気は晴れ。風は少し。 ![]() ![]() ![]() 展望は、西と南東が樹で遮られている。 南に「女峰山」「男体山」、「湯泉ヶ岳」から「奥鬼怒」の山々が見られる。 北には、「会津駒ヶ岳」「太郎山」「七ヶ岳」 東には、「男鹿」の山々も見渡せる。 鳥の声が、穏やか気持ちにさせる。 ![]() 12時00分、「滝向山」に向かって下山。 シャクナゲと松の根っ子、雪の急な下りが緊張する。 ![]() ![]() 合流地点を通過すると急な下りになる。この付近までは吹き溜まりで雪が多かった。 この先でやせ尾根になる。雪が少なくなり、アイゼンを外す。 ![]() 1ヵ所、露岩の場所があり、南面を巻く。 ![]() 稜線歩きは、景色も良く、快適だ。 今日は、風も弱く、最高の天気だ。 ![]() 1210mの小ピークに向けて少し登る。 小ピークの上は吹き溜まりで大きな雪の塊になっている。 その雪の上をアイゼンを効かせて登ると、なんと、雪の塊の南側で日向ぼっこをしていたイノシシがいて、奴らが先に気付いて、一目散で南東の尾根を掛け掛け下りて行った。 奴らも驚いたと思うが、こっちだって驚いた。 でも向こうが逃げてくれて助かった。 12時30分、1210mの小ピークに着く。ここで一本。 ![]() 次は下って、また登り返す。 尾根のあちこちに、イワイチョウが春を待っていた。 ![]() 12時50分、標高1140mの小ピークに着く。 その先、下る途中、左手(北)に「太郎山」がくっきりと見える。 正面には「比留賀岳」「高原山」、そして中腹にはスキー場のゲレンデも見られる。 ![]() ![]() 13時00分、1130mの小ピークに到着。 ブナの木が多い。この辺りで風が強まる。 ![]() 右手先に、東電巡視路の擬木の段々が現れ、それを下る。 進むその先には鉄塔の頭が見える。 ![]() 鉄塔を通過する。 右手に見えるのは、高原山だ。 ![]() 振り返ると、日向倉山が見えた。 ![]() 13時18分、コブの手前のコルに着く。 南斜面には、東電巡回路が下に向かって続いている。 このルートが、予定してルートだったが、ここ経由で登ったら、もしかしたら時間切れになっていたかもしれない。 ![]() ![]() この先、稜線は、アップ・ダウンを繰り返す。 途中、大きなブナの樹があった。 まるでこの尾根の守り神のようだ。 いつものとおり、山の神(ブナの樹)に拝礼する。 ![]() 13時40分、1071mの小ピークに着く。 この先、尾根が2回クランクするので、コンパスを出し、方角を確認する。 50m程行って右に曲がり、また50m程行って今度は左に曲がる。 それは難なくルートファインディングできた。 ![]() 2回曲がってしばらく下りが続くが、バリエーションルートは、やはり下りが危険だった。 下る尾根は、40m下ったら進路を北東から東に変えなければならなかった。 そこを、ドンドン下ってしまった。 岩の多い路で、直感で、下りすぎたと思った。 地図とコンパスを出し、下りすぎたことを見極め、トラバースして、正規の尾根に移った。 ![]() 正規のコースに戻ると、そこには、鹿のトレースがあった。 人間ではなかったが、鹿のトレースでもホッとするものだ。 下りが終わり、標高930m付近で平坦になる。 そのあたりは、倒木が多い。 また、平坦な尾根のため、方位も見失いそうだ。 ![]() しばらくして、また登りになり、次に小さいコルに出る。 そのコルの先が露岩が現れる。 ネットでは、きついように書いてあったが、全然問題ない。 直登でクリーアする。 ![]() 露岩を通過すると山頂は近かった。 14時33分、「滝向山」993.1mの山頂に到着。 三角点の石標が埋まっている。 景色は、あまりよくない。 でも、葉が落ちた樹々の間から、「芝草山」や「田代山」がかすかに見える。 ![]() ![]() ![]() 14時45分、下山開始。 山頂から南東に伸びる比較的なだらかな尾根を進む。 ![]() 15時15分、830mの小ピークに着く。 東側には、「中三依」の集落が見える。 ![]() ![]() ここで少し東に曲がり、こんもりした広いコブを、今度は南に下る。 下りは、倒木が多く、難儀した。 ![]() 急な斜面を150m下ると、最後は杉の植林に出る。 ほどなく、民家の近くにでる。 その近くには、サルの罠が仕掛けてあった。 ![]() ![]() 朝通った「芹沢橋」を渡り、国道を歩いて、 16時10分、「中三依温泉駅」に戻る。 近くの日帰り温泉「男鹿の湯」は営業中だった。 今日はパスした。 ちなみに日帰り入浴600円、土産物は置いてない。 店も自販機もないので、ホームの自販機で炭酸飲料を買う。 16時23分発、下今市行きに乗車する。 |
【編集後記】 コースとしては長い方だろう。 積雪によっては、時間切れになるかもしれない。 ルートを間違えて登ったのは、結果的には良かった。 しかし、あってはならないことだった。 ( ^^) _旦~~ |
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