神津島 天上山

一般コース

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アクセス・コースタイム

2018年5月3日(木・祝)~6日(日) 晴れ 船1泊・テント2泊
5月3日(木・祝)
客船:竹芝桟橋[23:00発]-(島経由)-
5月4日(金・祝)
客船:-(島経由)-神津島・多幸港[9:30着岸]
    チケットショップ4,500円/片
バス:多幸湾からバスで神津湾へ移動
    村営バス(神津島村)200円
徒歩:神津島港の「まっちゃーれセンター」で情報収集
    その後、「スーパーまるはん」にて食材調達
    他にくさやと焼酎「盛若」も仕入れ
    徒歩で「沢尻湾」へ移動
    「沢尻キャンプ場」にテント設営
    買った刺身と白飯で昼食。その後、徒歩で「赤崎遊歩道」を散策
    戻る途中で「温泉保養センター」でひとっ風呂
    夕飯は商店街に行き「潮見寿司」で、地の魚を堪能
5月5日(土)
徒歩:沢尻キャンプ場[6:40出]-白島登山口[7:30着]-(1合目)-
   -2合目(受水槽)[7:40着]-林道・WC[8:03着/8:05出]-
   -8合目のベンチ[8:15着]-白島下山口[8:27着]-
   -天上山の山頂[8:40着/9:20出]-
   -ババ池[9:35着/9:40出]-天上の丘[9:55着]-
   -不動池[10:07着/10:20出]-新東京百景展望地[10:24着]-
   -裏砂漠展望地[10:48着/11:08出]-裏砂漠[11:15着]-
   -表砂漠・ベンチ[11:36着/11:45出]-
   -黒島展望山[12:03着/12:10出]-黒島登山口[12:50着]
   この日は、スーパーまるはんで、刺身を買出し
   キャンプ場に戻って、クサヤの続き。そして温泉
   夜は、新鮮な刺身と若盛で宴会
5月6日(日)
徒歩:沢尻キャンプ場[7:30発]-まっちゃーれセンター[8:00着]
バス:まっちゃーれセンター[8:45着]-多幸湾[9:05着]
    村営バス(神津島村)200円
客船:神津島・多幸港[9:35出航]-(島経由)-竹芝桟橋[18:00着岸]
    チケットショップ4500円/片

【はじめに】

予定では、連休は新潟の「矢筈岳」に行くはずだった。
しかし、今年は天候が安定せず、落雷注意報も出ていることから延期した。
代わりにどこに行こうかと思案。
そして出した答えが「神津島 天上山」だ。
ここは、関東百名山にも入っている。
 
計画を始めると、意外や意外、この島、この山、面白いところが一杯だった。
船旅に始まり、海、観光、食事、酒、温泉、そしてなんといっても「天上山」。
富士山こそ見えなかったが、青空に恵まれ、眼下に広がる海はもちろん、周囲の島も観えて、こんなにも眺望に恵まれ、こんなに嬉しかったことは久しぶりだ。
「天上山」に来てガスっていたら、台無しだった。
こう言うのを「運が良い。」と言うのだろうか。

 

5月3日(木・祝)

「神津島」へは、竹芝桟橋から大型客船で12時間掛かる。
まず、ネットで調べると、2等フリー席しか空きがない。
それはそうだろう、ゴールデンウィークなんだから。
この時期、混んでいなかったら、おかしいでしょう。
フリー席とは、席はないので通路でごろ寝してくれと言う意味だ。
乗船時、シートがもらえる。
 
で、2等フリー席を予約するが、金券ショップを調べると「東海汽船」の株主優待券があった。
それを買って、片道千円得することができた。
 
出発の夜、一足先に「竹芝桟橋」で山田さんを待つ。
2等フリーの客は席がないので、列に並んで、早いもの順に通路を陣取る必要がある。
夜10時、既に100人ぐらいの列ができていた。
自分の後ろに並んだお兄さんは、大きなクーラーボックスを転がしてきた。
聞くと、この客船を何度を使っていると言う。
そこで、船のどの辺に陣取れば良いか、教えてもらう。
 
乗船の時間になる。A-1乗船口から船に乗り込む。
自転車やクーラーボックス、キャリーバックを抱えた人が大半で、登山の格好をしているのは自分達だけだった。

 
お兄さんに付いて、地下2階の階段手前にシートを敷く。
そしてすぐにデッキに向かい、見送り客に手を振る。
 
東京湾に張り付くように建っているビルの光。
しばらくして「レインボーブリッジ」を通過する。
ライトアップされ白く浮かび上がっているのが目に入る。
それをゆっくりと、ゆっくりと通過する。
普段見たことのない風景にテンションが上がる。

 
持ち込んだ酒を出し、宴会を開始する。
なにせ時間はたっぷりある。

 


 
乗船した大型客船について触れておこう。
船の名前は「さるびあ丸」
総トン数 4992トン
全長120m
旅客定員816名
Aから下に向かってEデッキまである。
最上階のAデッキは、特1等の個室もある。
その下、Bデッキは、1等各室。ここも個室だ。
Cデッキは、特2等客室。二段ベッドの部屋だ。
この階にはレストランがある。お酒やカップ麺の自販機もある。
Dデッキは、2等のいす席になっている。
さらにその下はEデッキは、2等和室。
最下階はFデッキだが、めったな混み具合でないと使わないらしい。
自分達は、Dデッキの後方の階段前にシートを敷いた。
 
夜中、レストランが閉店するとそこは解放されるので、乗船客がデッキから移動してくる。
老若男女、居酒屋状態で、みんな騒いでいる。
隣の席のお姉ちゃんに山田さんが声を掛ける。
テンションマックスの山田さんは、誰にだって話が合う。

 
自分は、陣取ったシートにシュラフを敷いて寝る。
 
外海は波が荒い。そして風も強い。
でも、時化(しけ)てはいないし、大型客船だから揺れは少ない方だろう。

 

  
 

5月4日(金・祝)

日が昇り、途中の島に立ち寄っては、客が大勢下船する。
大島->利島->新島->式根島->最後に神津島に着く。

 
今日は風が強いので、「神津湾」ではなく、東側の「多幸湾」に着岸する。
港が変わるのはいつものことらしい。

 
港の正面には、白く崩壊した山の斜面が見える。
この下には、ネットで見た「酷道」があるらしい。(国道ではない。)

 
世の中はどこでも金しだい。2等の客の下船は一番最後だ。
バスで神津湾の「まっちゃーれセンター」に向かう。
ここに寄る理由は、島の唯一の温泉施設「温泉保養センター」の割引入浴券を買うことと、キャンプ場の申込のためだ。
 
そして、キャンプ場に向かう前に買い出し。
島唯一のスーパーマーケット「スーパーまるはん」、ここで昼飯の白飯と刺身を買う。

 
次に「丸金商店」では鯵のクサヤを、酒屋ではこの島の造られている焼酎「若盛」を1本を買った。
 
島にはキャンプ場が3つある。
その一つが「沢尻湾」に面した「沢尻キャンプ場」。「神津湾」から徒歩15分。無料だ。
広くはないが、自炊場とトイレはきれいだ。
キャンプ場は砂地で平坦。
ただ、風が強く、その風が潮風で少しべったりするの仕方がない。

 

 
自炊場で早速「くさや」を焼く。
キャンプに来ていたお母さんグループからは、「最低~!」と大ブーイング。
でも、楽しい人たちで、そのお母さんグループとは、帰りの船のデッキでも一緒になり、酒を酌み交わした。
美味いクサヤは、半分食べ、明日に取っておく。
 
そして、島の北部にある「赤崎遊歩道」へ向かう。
徒歩30分程掛かるが、岩壁に木製の通路や階段が掛けられ、海を間近に見られる。
海に下りることもでき、潜っている人もいた。
飛び降り台もあって、夏だったら海にダイブできる最高のアトラクションだ。

 

 

 
キャンプ場に戻る途中に「温泉保養センター」がある。
ここは、内湯は普通の温泉。泉質はナトリウム塩化物強塩泉。つまりしょっぱい。
今朝、神津湾の「まっちゃーれセンター」で割引入湯券を買っておいたので、通常800円が600円とお得な券だ。

 

 
ここは露天風呂がある。混浴だが、水着着用。
海岸の岩の上に作られた展望露天風呂は、波しぶきを目の前に見ながら浸かれる最高のロケーションだ。
キャンプ場の混み具合と同様ように、温泉も混んでいた。
相棒は、露天風呂が気に入ったようで、すごく長く浸かっていた。
今日に限ったことではないが、相棒は誰とでも気軽に話をする。
露天風呂で後から入ってきた山ガール二人組に、ずっと昔から友達だったかのように島の話をしていた。
面白いことに、脱衣場には2槽式の洗濯機がある。
ここで水着を洗濯できる。ここでは脱水に使った。キャンパーにはとても便利だ。
 
この日の夕食は、奮発して島の寿司屋に行く。
お目当ての「美家古寿司」が貸し切りで入れず、「潮見寿司」に行き、地の物のにぎりを食べた。
でも、連休で地元の家族が宴会で予約していて、残念なことに赤いかのにぎりが食べられなかった。
でも、翌日、「スーパーまるはん」で刺身を買って、その味は堪能できた。

 
キャンプ場に戻り、焼酎「若盛」で二次会。
波の音がいつまでも響く。
時間はゆっくりと流れる。非日常。最高なひと時。

 
山田さんのテンションは、上がったまま。
ほっておいて、自分は先に寝る。
 
 

5月5日(土)

前の晩は船酔いと酒による二日酔いで睡眠不足だったせいが、昨夜は熟睡できた。
相棒のいびきも昨夜は気にならなかった。
代わりにいつもは耳にしない波の音で目が覚めた。

 
今朝も風が強く、テントがバタバタ音を立てている。
回りのテントは、まだ起きてこない。
 
そばを茹で、さっさと朝食を済ませテントを出る。
コースは白島登山口から天上山の最高地点を目指し、テーブルマウンテン、台地状の山頂を一周して黒島登山口に下山する予定だ。
 
キャンプ場裏手にある廃業したホテルがある。地図には、その山側にルートが掛かれている。
相棒がトイレに行っている間に偵察するが、ヤブに阻まれ退却する。
素直に神津港まで行き、そこから神津沢沿いに白島登山を目指すことにする。
 
海岸沿いの舗装道を歩けば、東宝映画の最初の映像と同じ、海に浮かぶ岩に波が当たり、白く砕け散る景色が見られる。

 
そんな海を飽きもせず二人で暫く眺める。

 
陸揚げされた漁船の脇を通過し、神津沢で道を東に曲がる。
神津沢には沢山の鯉のぼりが掛けられて、強い海風に元気に泳いでいる。
5月らしい風景に暫し見とれる。

 
風も強いが、日差しも強い。5月は夏よりも紫外線が多いと言う。
少し歩いただけで汗ばんでくる。
 
地図を見ながら進むと、やがて道は細くなり、木々に囲まれた白島登山口に着く。
ここが1合目。この先は山路になる。
入口には、モップの柄で作った杖が沢山立て掛けてあった。

 
堀の様な路は丸太の階段になっていて、植物はシダや苔が多い。
樹木も、奥多摩や日光の山とはかなり違う常緑樹が多い。
朝の日差しだからよいが、日暮れ時なら気味の悪い路に思えるだろう。

 
少し歩くと村の水瓶、FRP製の受水槽があるコルに着く。
ここが2合目。

 
そこを右に曲がると急登が始まる。
苔むした石段と木の段々を進む。
途中、「宮塚の森トレッキングルート」の分岐を通過する。
3合目には、「不動尊」の鳥居をくぐる。

 
ここで気づいた。なぜこの道が気味が悪いかが。
それは、樹木の幹が、みんなクネクネ曲がっているからだ。
絵本でもお化けのシーンは必ず樹が曲がっている。それと同じだ。

 
4合目まで登ると平坦な路になり、景色はよくないが明るくはなる。
5合目の石碑を通過すると林道に出る。そこが6合目。
そこには立派なトイレと標識、登山ポスト、ベンチがある。

 

 
そこからは、丸太でできた段々になる。
よく整備されているが、歩幅が合わないと歩き難い。

 
7合目を通過し、8合目に着くと、そこからは眺望が開ける。
山頂も見上げられるが、まず圧巻なのは海側の景色だ。
それは想像をはるかに超える絶景だった。
山裾の緑は、新緑の黄緑色と常緑樹の濃い緑色がパッチワークの布を広げたように続いている。
そして海の紺色。
水平線に近づくにつれ白くグラデーションに変化し、空に向かってまた青く染まる。

 
路の両脇の植生も変わった。
一番目を目を引くのはピンクのツツジ、オオシマツツジの花。
赤いヤマツツジも見られる。
露岩と白い砂とのコントラストがきれいだ。
そして松と、地を這うように枝を伸ばすオオシマハイネズ。
白い花を付けるシャリンバイ、別名モッコクもきれいな花だ。
どれもいつも登っている山域にはない植生だ。
明るい色の溶岩の露岩と白い砂も絶妙なコントラストだ。
相棒は、東北の山のようだと言う。
3000mクラスのアルプスや北八にも似た風景だ。
想像以上の景色を堪能しながら九十九折りの路を登る。

 
ほどなく白い砂の台地に出る。そこを右に進み、最高地点を目指す。

 
途中、大きな砂の窪地は「不入ガ沢」と言い、大きな噴火口跡の一つだ。
なんでも、伊豆七島の神様がここに集まり、水を分ける相談をしたそうだ。

 
白い砂の斜面にピンクの花を付けたツツジが点在する風景はアルプスにも負けない。
少しすると神津沢の源流、大崩の岩壁が見えてくる。
「治山工事跡」の標識がある。
人の手で作られた砂防工事は昭和46年に完成したそうだ。
日本人の技術はすごいものだ。
こんなガラガラな斜面にコンクリートの堰堤をいくつも作るなんて。

 

 
白い溶岩の岩が点在するところを通過し少し登ると最高点に到着する。
「天上山」(571.8m)だ。

 
木の柱に「天上山々頂 最高地点」とだけ書かれたシンプルなものだ。
足元には国土地理院の三角点の石標がある。
見下ろせば、神津湾の三崎から今朝登ってきた尾根。南には、飛行場の白い滑走路が見渡せる。
そして、正面にはどこまでも続く海、海、海、、、。

 

 
風は相変わらず強く、少し肌寒くもあった。
相棒は、ザックからウンドブレーカーならぬ、浴衣を出し着だした。
実は、行きの船の中でも、甲板で一人浴衣を来ていた。
シュラフで寝る時用に持参したものだが、この場所では防寒着として活用するなんて。
と言うより、人から変な人と見られることを楽しみにしていると言った方が正解のようだ。

 

 

 

 
続いて相棒は、島の焼酎「盛若」を取り出した。
登頂を祝して二人で乾杯!
大きな山行では、これがお決まりの儀式だ。
そして、〆は相棒のキセルを一服ふかす。
 
白鳥下山口に戻り、山頂の北側に向かう。
露岩アップダウンを超えると「ババ池」に着く。
そこは水が干上がり苔だけ見える。

 
そこし進むと、もう一つ池があった。
ガイドブックには書かれていない。
標識もないその池は、水を湛えていた。
そしてなんと、真っ赤な金魚1匹とメダカがいた。
推測だが、誰かがこの池に放したのだと思う。
池には、アメリカ産のカモンバが生えていたから。

 
のどかな窪地を歩くと次は島のスケールを感じさせる断崖が目に入る。
「櫛ヶ峰」の分岐だ。
白い溶岩が、まるでバームクーヘンに用に丸くなって固まった大きな岩が見られる。
そしてその北側には、「式根島」「新島」「利島」が少し霞んだ向こうに見える。

 

 
少し寄り道をして「天空の丘」に寄る。
この「天上山」の山頂は、どこも良い景色なのだが、山頂の広さを知るにはここが一番良い場所だ。

 

 

 
その先には、樹木に囲まれた「不動池」がある。
池の中州には「龍神様」が祭られており、昔、雨乞いが行われていたそうだ。
島の言い伝えで、祠の中を見てはいけないらしい。

 
他に大きなベンチが3台。トイレもある。
このトイレが変わっていた。
外観は木造で、景観に配慮した造りになっている。

 
ドアを開けると、左にステンレスの装置に便座が1つ。
煙突まで付いているので、焼却炉のようだ。
そして右側には、なぜか自転車が1台置かれている。
そして便座に座ると見やすい位置に、このトイレの使い方が書いてある。
簡単な話、トイレの使用後は、必ずペダルを漕げと言うことらしい。
最初は普通に20回以上。次に逆回転で10回以上。となっている。
水を使わないバイオトイレ「バイオラックス」と言うらしい。
トイレをすました相棒は、早速自転車にまたがり、げらげら笑いながら自転車をこいだ。
これは面白い。温暖な島に来て、まさか山頂で自転車を漕ぐなんて、思ってもみなかった。
これを誰かに教えてやりたいと思い、すれ違ったカップルに、「不動池」に行ったら、必ずトイレを使ってみるといいよと声を掛けて下りた。
カップルさんの爆笑が、目に浮かぶようだ。

 

 

 
分岐に戻り、断崖の縁に作られた「新東京百景展望地」に立つ。
長い歳月を掛け削られた白い岩壁が、緑の山に独特の景観を作り出している。
自然の造形美としか言いようがない。
先ほどの「櫛ヶ峰」の先に「式根島」などの島が見えたが、東京方面はあいにくガスって見えなかった。

 

 

 

 
オオシマツツジやシャリンバイが咲く路を南に進む。
兎に角、ツツジがきれい。

 
成長が遅いと見え、こんもりとした株に、ピンクの花を沢山付けている。
回りの景色は、露岩が作る小さな山脈。そして緑のグラデーション。
周囲には、白い砂のアクセント。
島のアルプスと言った景観だ。

 
真っ白な砂の広場に着く。右手(西)に向かえば「裏砂漠」
真っすぐ(南)進めば「裏砂漠展望地」だ。

 
「裏砂漠展望地」は、断崖超しに「三宅島」「御蔵島」が正面に見える。
そして手前には「袛苗島」と言う無人島が見える。

 

 
藍色の海と青い空。
その境目が水平線だが、今日はガスってラインはぼやけている。
その景色が何とも言えなくて、二人でベンチに座り、長い時間眺めていた。
登山者も増え、何人もの人達が訪れては写真を撮って行った。
漁船が1艘、漁を終えて戻ってくるのが見えた。
その後で、ジェット船が白い航跡を残して走り去った。

 

 

 

 
また、砂の広場に戻り「裏砂漠」へと進む。
しかし、うまい名前を付けたのもだと思う。確かに砂漠のようだ。
さっきまでのアルプスの様な景色が一変して、真っ白な砂の平原に変わった。
その所々に、ピンク花を付けたオオシマツツジの株が、とてもきれいだ。

 

 
またまた寄り道をして山頂の中心部「表砂漠」も見に行く。
島のアルプス、露岩だ点在するツツジの御花畑を通過する。

 

 
「表砂漠」は、山頂最大の窪地で「裏砂漠」よりは小さいが景色は良い。
ベンチが何台もあり、登山者が休んでいた。
ここから最高地点は近い。
自分達は、山頂を一周してきたので、「黒島登山口」へ進む。

 

 
小さなコルを超えると、またまた眼下に神津湾と前浜の白い海岸が見える。
そして、右手には「神津沢」の大崩が見える。

 
途中、「黒島展望台」を経由して下る。

 
360度ビュー。
南に見える滑走路に、タイミングよく飛行機が降りたった。
この強風で、着陸直前、機体は左右に振れたが、難なく滑走路に滑り込んで止まった。
見事なテクニックだ。

 
「黒島展望台」を下り、メインの登山道に戻ると10合目の標識が現れる。
途中、徳川末期に海上防衛のために造られたという「オロシャの石塁」を見る。

 

 
正面に港と海を眺めながら、急な下りを九十九に曲がりながら下っていく。
11時頃だが、この時間から登ってくる登山者がいる。
声を掛けると、今朝の「さるびあ丸」で来たそうだ。
船酔いしなったのだろうか。
5月の日差しは強い。汗ばみながらどんどん高度を下げる。

 
ようやく一般道に出る。ここが「黒島登山口」だ。

 

 
途中、「スーパーまるはん」で夕飯のおかず、刺身をいくつか買う。
 
港の「よっちゃーれセンター」に寄り、昼食にする。
金目の煮つけを食べたかったが売り切れだったので漬け丼を注文する。
小鉢のアシタバと天ぷら。そしてところてんも付いている。
漬け丼は美味しかったが、ところてんはちょっと。
商店で買った神津島のところてんは、しっかりとした歯ごたえで美味しかった。

 
テントに戻り、昨日の残りの「クサヤ」を炙って食べる。
キャンプ場の炊事場には、昨日知り合ったお母さんグループが夕飯の準備をしていた。
その横で、臭い「クサヤ」を焼く。
昨日は「最低~!」なんて言われていたが、今日は慣れたせいか言われなかった。
この「クサヤ」は、島に着いた日にクサヤ専門店「丸金商店」で400円で買ったムロアジだ。
どぶの様な臭い。
相棒は、自宅で食べるから、帰りに買って帰ると言う。
近所から苦情が来ないか心配だ。

 
夕方になり、温泉に行った。
昨日に続き島に唯一の温泉「温泉保養センター」に。
海を見ながら入る展望露天風呂は、最高だ。
 
テントに戻り夕飯の準備。
相棒が刺身をカルパッチョにすると自宅からオリーブオイルとニンニクを持ってきた。
切り身を半分は刺身に、半分はカルパッチョにする。
「スーパーまるはん」で買ったのは、神津島で一番旨いと言われる赤イカ。
なにも付けなくてもイカの味が口いっぱいに広がる。
最高に旨かった。
ちなみに「クサヤ」を買った「丸金商店」には、この赤イカを使った塩辛が売られている。
1本買って帰ったが、これもまた最高に旨かった。
刺身は、他に金目、ムツ、アオダイ。どれも旨かった。
特にたんぱくな魚なカルパッチョにすると、なお美味しい。

 

 

 
酒は、島の焼酎「盛若」。今日は2本目だ。
自分は、あまりの気持ちよさで船を漕ぎ始める。
 
風は相変わらず強い。でもこれも慣れた。
日焼けと酒で火照った顔には、この風は心地よい。

 

 
昨日の夜、夜中に見た満天の星空は良かった。
天の川じゃないかと思うくらい星が多かった。
今日は、ガスって星は見れなかった。
  
 

5月6日(日)

朝の神津島港。バスを待つ間、港を散策する。

 

 
帰りも「大型客船 さるみあ丸」のフリー席。
つまり、通路で休めと言うこと。

 

 

 

 
とは言え、帰りは寝ることもなく、乗船からずうっと甲板で酒を飲んでいた。
キャンプ場でクサヤの話でで盛り上がったお母さんグループと船上でも一緒になり、一緒に酒を飲んだ。
 
竹芝桟橋に到着して、まだ旅に満足しきっていない相棒は、銭湯に行くと言う。
こうなったら最後まで付き合いのが友達っと言うもんだ。
中央区の「湊湯」で旅の汗を流し、八丁堀駅で別れた。
 
 

【編集後記】

「天上山」で見たオオシマツツジは、都内でも見ることができる。
でも、島で見たこの花は色鮮やかで、違う花に見えた。
感情によって見え方も変わるのだろうか。
それとも、島の青空がそうさせるのか。
どっちにしても、きれいな山だった。

 ( ^^) _旦~~   

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