佐野 岳ノ山 大鳥屋山岳

バリエーションコース

Home > Index No.2 > 山行記録 147

アクセス・コースタイム

2018年10月8日(月・祝) 晴れ
電車:高砂駅[5:43始発]-(舘林駅経由)-東武田島駅[7:25着]
電車:東武田島駅[7:59始発]-葛生駅[8:09着]
    (定期+株主優待券800円)
バス:葛生駅[8:35発]-五丈の滝入口バス停[9:03着] 1日乗車券600円
徒歩:五丈の滝入口バス停[9:05出]-林道終点[9:23着]-
   -大岩の下[10:15着]-岳ノ山 山頂[10:53着/11:10出]-
   -登山口分岐[12:00着]-
   -大鳥屋山山頂[12:15着(昼飯)13:15出]-
   -登山口分岐[12:30着]-林道[13:55着]-
   -五丈の滝入口バス停[14:20着]
バス:五丈の滝入口バス停[15:21発]-葛生駅[15:55着]
電車:葛生駅[16:09発]-(舘林駅・久喜駅・北千住駅経由)-
   -高砂駅[18:28着](株主優待券800円+定期)

【はじめに】

実は、以前から狙っていた「熊鷹山」に行く計画だった。
デマンドバスの「さーのバス」を予約し、前回みたいに「館林駅」ではホームを間違えず東武佐野線にも乗り換えられた。
しかし、駅に着いてバス停を探すも見つからないので、バスの会社に電話した。
そこで初めて気が付いた。
バス停がある「田沼駅」で降りるところを「田島駅」で下車しまったののだ。
時すでに遅し。予約したバスには、もう間に合わない。
 
そこで急遽計画を変更し、3年前にヤマビルで敗退した「大鳥屋山」に向かうことにした。
本来、計画変更することは危険ではあるが、今回は、そのタブーを破ってしまった。
でも、自宅にはメールでコース変更を伝えることは忘れなかった。
 
しかし、それでも問題があった。
前回、敗退したのは9月の始めのこと。
今回は10月。もういないと思っていたヤマビルが、まだいた。
 
靴にも、ズボンにも這い上がってくるヤマビルを払い落とすのに必死だった。
1時間ほどヤマビルの攻撃に苦しんだが、二度目の敗退はしたくないと、なんとかこらえ山頂にたてた。

 

10月8日(月・祝)

佐野線の終点「葛生駅」に着いたら、駅近くの「市営車庫前」のバス停に行き、帰りのデマンドを予約する。
 
そして、「さーのバス 秋山線」の第4便 8時35分発に乗り込む。
料金は片道300円。1日乗車券は600円。乗り継ぎは、プラス100円となっている。
乗客は、自分と外国人労働者2名。なんだか申し訳ない気持ちだ。
 
バスは、市内を過ぎると、田んぼが広がる山村を走る。
秋を感じる柿の実が鮮やかだ。
 
定刻より少し遅い9時9分に「五丈の滝入口」バス停に着いた。
天気は、曇り。さっき、ぱらっと雨が降った。なんとかもってほしい。

 
スマホのアプリをセットし、早速出発する。
すぐ先の駐車場とトイレの前を通過。
その先で林道は二股に分かれる。
左は「大鳥屋山」。右は「岳ノ山」。
今回は先に「岳ノ山」に向かう。

 

 
林道は、すぐに砂利道になる。杉林の中でうす暗い。
 
20分して林道の終点に到着する。ここも薄暗く、じめっとしたところだ。
左手には砂防ダムから勢いよく水が流れ落ちている。
ここには案内板があり、滝と町の言い伝えが書かれてある。
下山して、戸叶(とかの)さんという地元のおじいさんが、自分が書いたものだと話しを聞いた。

 

 
この先の杉林も薄暗い。
山路を歩き始めると、すぐにあいつがやってきた。
『ヤマビル』だ。それも大きい。
グレーのズボンだからすぐに分かる。
それをデコピンで払い落とす。
前回のように、10匹、20匹と這い上がってくることはないが、いやな気持である。
 
次にやってきたのは、倒木だ。
誰かのレコに書かれていたのを思い出した。
しかもそれが1本、2本なんてものじゃない。
何十本もある。

 
途中、五丈の滝に下る分岐を通過する。

 

 

 
踏跡が薄いうえに、倒木で迂回することになる。
するとルートから外れる。そこで立ち止まる。
するとヤマビルがズボンに這い上がってくる。
それを払い落とす。この繰り返しだ。

 
ルートは暫く沢沿いなので、踏跡は無視して、獣道でもなんでも前に進むことにする。
ヤマビルが5、6匹、ズボンに這い上がってきたのを見ときは、いやな気持になった。
しかし、2度目の敗退はしたくなかったので、ピッチを上げて進む。
 
林道終点から45分ほど来た時、正面に大きな岩が現れた。
地図に岩のマークはなかった。
この岩を境に、沢は二股に分かれる。

 

 
地図を広げ、右に進む。
沢は枯沢になり、斜面がきつくなる。
薄い踏跡を九十九折に登っていくと、ヤマビルはいなくなった。ここでやっとホッとした。

 
尾根が近いせいか、前が明るくなった。
踏跡は薄いが、ちゃんと路はある。
 
途中、踏跡が左にトラバースした。
そのまま進むと、小岩があり、狭いスタンスで乗り越える。
そこは、大岩の上部で、上に主尾根が言える。
後で気づいたが、トラバースは左に進まず、右の斜面を登りつめ、山頂の東尾根に登り詰めるのが、正規のルートらしい。

 

 
急斜面を15m程登ると、主尾根に出た。
マツに混じってナラやツツジが少し紅葉している。
この尾根は、「岳ノ山」から「大鳥屋山」に繋がる尾根だ。

 
山頂まで50m程尾根を進む。
10時53分、「岳ノ山」704mの山頂に着いた。

 
狭い山頂には、石の祠がある。いつものとおり参拝する。
それから、ヒルに食われていないか、シャツを脱いでチェックした。
なんとか防ぐことができたようだ。
山頂は、樹が生い茂り、眺望は北側の一部しかない。
その景色も霞んで向かいの尾根も見えない。(残念)
パンを1つかじり、出発する。

 

 
さっき合流した地点のその先は、岩場の下降点だ。
見下ろすと階段状で、それほど急斜面ではない。
ロープが3本セットされていたが、使うことなく下りられる。
ただし岩屑が多く、落石の危険の方が心配だ。
岩の斜面を約50m程下る。

 

 

 

 

 
下るとやせ尾根になる。大きな松が枯れていた。
この先は、檜林のなだらかな尾根が続く。

 
ここの檜は、枝打ちされ、真っすぐに伸びた幹がきれいに並んでいる。
しかし、小枝が敷かれた路は歩きにくい。
薄い踏跡も隠してしまっている。
所々に付けられた赤テープと地図を見ながら進む。

 
「岳ノ山」と「大鳥屋山」の中間地点の小ピークがある。
その手前の登りに掛かると、樹種は、檜林からナラ・カシワ・クリの樹に変わる。
地面には、クリのイガが沢山落ちている。
 
小ピークに着く。檜林の中で暗く、景色は全くない。
広い尾根を進む。途中、左に折れる分岐があるが、分かりにくい。
すると、赤テープが沢山あった。
踏跡を忠実に辿り、テープ見落とさなければ、大丈夫だ。

 
そこを下ると、伐採された明け開きに出る。
その脇には、林業用の狭い林道が作られ、西に延びている。
この先は、檜林だが明るい尾根になる。
 
12時ちょうど、檜林の中、登山口に下る分岐に着く。
左側(東)に下る路がある。白い看板で「大鳥屋山<->岳ノ山」と書かれている。

 

 

 
ここから、山頂に向けて標高差130mほどの登りになる。
檜林の中、根っ子が表れて歩きにくい。
中間を過ぎると少しなだらかになる。

 
そして左側(東)がナラやカエデ、クリの林になり、明るい雰囲気になる。
山ぶどうの蔓が見えたら広い山頂は近い。
最初に石の祠があるので、ちゃんとお参りする。

 
きれいに整列し植林された檜林の間に路は続いている。

 
さらに途中で石碑と石の祠がある。ここでもお参りする。
台風で散らばった茶碗やお賽銭を拾って供える。

 
その先、ほどなく山頂に着く。
12時15分「大鳥屋山」693.1mの山頂に到着。
ここには、山名板が3つもある。3つとも別々の人で手作りだ。
1等三角点の石柱もある。
山頂は、東側が広葉樹林が広がり、西側は檜林で、どちらも景色は全くない。

 

 

 

 
広葉樹林側が明るいので、そこでシートを敷いて昼飯にする。
バスの時間を考えて、ここには1時間以上いられる。
そこで、久しぶりにコーヒーを淹れる。
お湯が沸くまでシートに横になり、空を見上げる。
曇り空に、少し黄色く色付いた樹々の葉。
風もない。鳥の声もしない。自分一人の空間。
求めていたのは、これだったのだろうか。。。

 
山ぶどうが残っていないかと周囲を探す。
すると樹の上の方にジャガイモの様な実がぶら下がっていた。
手が届かないので、木で叩き落とす。
アケビだ。皮は黄土色して硬い。
中は、白く、黒い種がたくさん詰まっていた。
これも、ここの動物達の最高のご馳走になるのだろうか。

 

 
1時間はあっという間に過ぎる。
登山口への分岐まで、同じ路を戻る。
 
尾根の西側から木を伐り出すチェンソーの音がする。
分岐から、尾根の東側、杉の植林の暗い路をトラバース気味に下る。
路はしっかりしている。

 
しばらく歩き、150m程高度を下ると沢沿いの朽ちた林道にひょっこり降りる。
登りでここに来たら、この登り口は分らないだろう。標識などない。
この朽ちた林道は、前回、ヤマビルにやられ、敗退した地点だ。
ジクジクと湿った地面。早速、ヤマビルの攻撃が始まる。
グレーのズボンに黒い物体伸び縮みしている。
手にしていた地図で叩き落とす。そして、走ってそこを通過する。

 
すぐ先には、砂利道の林道がある。
しかし、ここにもヤマビルがいる。
急ぎ足で林道を下る。

 
林道の両脇は、イノシシにほじくり返された跡が見られる。
まだ、新しい跡だ。
少し下ると、左からの林道に合流する。
この周辺は、伐採作業中で、重機が数台置かれている。

 

 
14時20分、バス停に戻る。バスの時間まで1時間もある。
近くの畑にいたおじいさんが話しかけてきた。
前回、敗退したとき立ち寄った店のご主人、戸叶(とかの)さんだ。
『どこ、行ってきたんだ。』『ヒル、いたろう。』
『はい、やられました。ハ、ハ、ハ。』。
戸叶さんに、3年前に店に寄らせてもらったことを話すと、
『これも、何かの縁だから。』と、畑に生っていたモロッコインゲンをひとかかえ取ってくれた。
ありがとう、ございます。
 
うちに帰ると、今日はちょうど天ぷらだった。
そこで、早速、このモロッコインゲンを天ぷらにして食べてみた。
手にしたときは、こわそうだっだたが、揚げると、とても柔らかく美味しかった。
 
バスの時間まで、ズボンをめくってヤマビルのチェックする。
いた、いた。1匹、コロコロに太ったやつが。やられた~!
たらふく血を吸ったから、伸び縮みする動作が緩慢だ。
少し見届けて、最後に石を乗せてあげた。
駅に向かうバスで運転手さんに聞いた。
この山に入る人は、年間10人いるかいないかだと言う。
ましてや、ヤマビルが出る時期に来る人なんか、物好きとしか言いようがないと、運転手さんの目は言っていた。
フロントガラスに雨粒が一つ二つ。なんとかもってくれた天気に感謝。
 
 

【編集後記】

しかし、栃木の山は、今後、どうなってしまうのだろうか。。
2000mクラスの山に行くか、冬に登るか。
それにしても、ヤマビル、恐るべし。

 ( ^^) _旦~~   

トップへ  

Index No.2


> > Index No.1