山行記録 2018年  No.11
11月11日(日) 日帰り山行

日光霧降 大山と隠れ三滝 ハイキングコース

アクセス・コースタイム
 
11/11(日)
電車:高砂駅[5:43発]-(南栗橋駅経由)-東武日光駅[8:16着]
    (定期+株主優待券800円)
バス:JR日光駅[8:40発]-霧降高原バス停[9:12着](720円)
徒歩:霧降高原バス停[9:25出]-つつじが丘分岐[10:20着]-
   -大山山頂[11:20着/11:30出]-猫ノ平[12:09着(昼食)13:15出]-
   -マックラの滝[13:47着]-玉簾の滝[14:10着]-
   -丁字の滝[14:25着]-霧降の滝バス停[15:00着]-
   -霧降の滝見晴台を往復-
   -霧降の滝入ス停[15:40着]
バス:霧降の滝バス停[16:00発]-JR日光駅[16:10着](330円)
   JR日光駅前のニッコウステーションホテルクラッシックで
   日帰り入浴(700円)
電車:東武日光駅[18:13発]-(南栗橋駅経由)-
   -高砂駅[21:07着](株主優待券800円+定期)
 

 
 葛飾区教育委員会が主催している「かつしか区民大学」の、 「文章の書き方と写真の撮り方」の講座を申し込んだのは5月のことだった。
全6回、講座に通い、11月に無事卒業した。卒業と言っても、証書がもらえるわけではない。ただ一回も休まず出席しただけだ。
 しかし、取材の練習をし、それを題材に冊子を作る。それを、講座の講師をつとめるプロの小説家 穂高健一先生が添削をしてもらえる。他では経験できないことができた。
 最終的には、自分の感性を磨くしかないと悟ったが、葛飾区の隠れた職人さんや、裏方で頑張っておられる商店街の方など、少し自分の住む葛飾区のことが知ることができ、ためになる口座だった。それと同時に、人とも知り合えた。
 講座の講師 穂高先生をはじめ、かつしかPPクラブのメンバー。そして同期の受講生だ。毎回、講座の後は、講師、そして区役所の担当者、そして受講生との飲み会があった。私は人見知りではあるが、この飲み会には毎回参加した。正確には、台風で1回は中止だったが、それを除き、毎回飲み会には参加した。
 その飲み会に、私と同じ、毎回参加した受講生と今回、山に行ってきた。
 前書きが長くなったが、受講生のご夫婦は山歩きが好きで、父上も山登りをされていると聞き、こちらから計画を提案した。
 参加メンバーは4人。4人のスケジュールを合わせるのに少し手間が掛かり、紅葉の終わり間際になって実行できた。
 
 今回の計画は、「日光霧降高原」から、「大山」を経由し、「隠れ三滝」をみて、「霧降の滝」まで歩くコースである。下りが多いコースで体力はそれほどいらない。最後に駅前の日帰り温泉で汗を流す予定だ。
 
「北千住駅」の東武線のホームに集合した。
6時15分発 急行「南栗橋」行きに乗車。
はじめてのパーティーなので、お互いの山歴など話していると、あっという間に終点 東武日光駅に着いた。
 
この日は、紅葉シーズンとあって乗客も登山者が多かった。
そこで裏技。バスの始発、JRの日光駅からバスに乗り込んだ。
予想どおり東武日光駅前のバス停からは30人くらいが乗り込んできて、座れない人もいた。
 
バスは「稲荷川」を渡ると左手に「女峰」、「男体」の親子が目に入る。
山の紅葉はすでにピークを過ぎているようだ。
それでも麓は黄色を中心に秋の景色を楽しませてくれる。
時々、真っ赤なモミジが目に入ると、しみじみ秋は良いなと思ってしまう。

 
「霧降の滝」のバス停には、一際きれいなモミジが真っ赤に紅葉し、今が一番の見頃をむかえていた。
青い空とのコントラストは冴えわたっていた。
 
九十九にに登るバスは、「女峰」、「赤薙山」をぐんぐん近付ける。
途中、車道の一部をカラーコーンで塞ぎ、マラソンをしていた。
これが後で、とんでもないことになるとは、この時は思いもよらなかった。
 
駅から約30分で「霧降高原終点」に着いた。
バスの乗客の大半はここから「丸山展望台」に向かって出発していく。

 
そして、レストハウスの前には、マラソンランナーが何人も何人も通過していく。
ランナーを応援するスタッフらしき人達もいる。
よく見ると、幟に「第3回 国立公園マウンテンランニング大会」と書かれていた。
そう、今日は、山の中を走るマラソン大会の日。それにぶち当たってしまたのだ。
でもこの時は、今日の山行にすごい影響するなどは、想像すらしていなかった。
 
準備を済ませ9時半、いよいよ出発する。
出発したはいいが、登山口が見つからない。
「国土地理院」の地図と駐車場の形が全く違う。地図の修正が間に合っていない。
地形から判断し、登山口の看板を見つける。
路は、真っすぐ下っているが、その先から、マラソンランナーが数珠つなぎ、アリの行列のように駆け上がってくる。

 
なんてことだ。
山のマナーとして、登りが優先だから、下りの自分達は、脇に逸れて待つことになる。
しかし、ランナーはひっきりなしに登ってくる。
何人かの集団をやり過ごし、ランナーが途切れたところで、また歩き始める。
路はハイキングコースだからしっかりとしているが、路幅は狭い。
片側に避けて待たないとすれ違えれない。

 
ひっきりなしに走っている(なかには歩いている人もいるが)ランナー。
とにかく多すぎる。
時々休みたいランナーが、『どうぞ』と言って立ち止まってくれる。
徐々にイラついてきたので、その言葉に「よし」と、スタスタ下る。
すれ違いながらランナーに聞いてみた。
『何人ぐらいが走るんですか。』
すると返ってきた言葉に驚いた。
『千人ぐらいですかねえ。』
「エッ!」この後、どうなるんだろう。
 
2、3日前に降った雨で、路は少しぬかるんでいる。
ズボンの裾が少し汚れてきた。
初めてのメンバーは、このゆっくりしたペースが合っているのか、イラつかずに付いてくる。
後から来るランナーは、やはりペースが遅いのか、『お先にどうぞ』と、言ってくれる人が多い。それに甘え、さっさと下る。
 
そして、登山口から約50分、「つつじが丘分岐」に着いた。
ここで一本とる。
ここは戊辰戦争に関する案内板がある。
それによると、「日光」では直接の衝突はなく、「大鳥軍」は「日光」を脱出し、「会津」にへと向かった路らしい。
ここで靴ひもなど直し、出発する。

 
ここからは少し平坦になり、沢を2つ通過する。
ランナーは、相変わらず、アリの行列のように走ってくる。

 
鹿除けの柵と牧場の柵、2つを超えると、路は登りに変わる。
目の前にはこんもりした山頂と、草原が広がっている。
その上には青空。気持ちの良い日だ。

 
山のマナーにしたがい、今度は登りが優先、遠慮なくランナーに止まらず歩き続ける。
草原なのでランナーは脇に逸れながら止まらず走って下る。
自分達は、ゆっくりとしたペースで登る。
 
振り向けば、「丸山展望台」から、「赤薙山」が見渡せる。
さっき、あそこから下ってきたと出発点を指さし説明する。
左には「男体山」、南西には「社山」から「茶ノ木平」、「鳴虫山」の山塊が続く。
紅葉は黄色が多く、けしって鮮やかとは言えないが、それでも気持ちの良い天気と景色に暫し見入ってしまう。
 
山頂の東屋が見えてきた。
ランナーは少なくなったが、まだまだ下ってくる。

 
分岐から1時間、「大山」の山頂 1158mに到着した。
山頂には、フェンスが張られ、その際にある三角点の石標にタッチする。
すぐ後から登ってきたメンバーと握手を交わす。
このメンバーで登った山、記念すべき第1座だ。

 
登山者より、マラソンスタッフの方が多い。
東屋は、そのスタッフに占領されている。
地図を出し、「日光」の山々を一つひとつ説明する。
登ったことがないので、実感がわかないようだ。
しかし、いつか、その山々のどれかに登って、自分が登った「大山」はあれだと見つけたとき、きっと感激して見つめることだろう。

 
この時点で11時半、コースタイムに比較して2倍近く掛かってしまった。
 
下りも草原である。牧場の中だが、牛はいない。
この時期は、牛舎に入れられているのだ。
船の様な水吞場が寂しそうに置かれていた。
 
下るとすぐぐに車道に出る。
舗装された道を5分程歩き、再び山路に入る。
「猫ノ平」への登りは、ほんの少しだ。
 
「大山」の山頂から約30分で東屋のある「猫ノ平」に到着した。
時刻は12時過ぎ。ここでお昼にする。

 

 
みんなのためにお湯を沸かし、コーヒー、ほうじ茶、好きな方を飲んでもらう。
そして、持参したお弁当でお腹を満たす。
 
西に向いた東屋からは、さっき登った「大山」、「霧降高原」、「丸山展望台」、「赤薙山」、そして「女峰山」が見渡せる。
「女峰山」には、大きな雲が掛かり、山頂は見えない。
その先には、「小真名子山」、「大真名子山」、「男体山」と大展望が続く。
風もなく、気温もそれほど寒くもなく、絶好のハイキング日和である。

 
お腹を満たしたら、次はお楽しみの滝巡りである。
「猫ノ平」の下りは、落葉の路の急な下りだ。
ナラやモミジの林の中、落葉を踏みながら下る。
落葉の下の土は水分が多く、滑りやすい。ゆっくりと下る。
あとから来た単独の女性に追いつかれた。先に行ってもらう。
 
まだ、紅葉のモミジやオオカメノキがあると、立ち止まって眺めたりした。
そんな時、奥さんの方が、スリップして尻もちをつきそうになる。
それを見て大丈夫かと声を掛ける旦那さんが、同じ場所でスリップする。
それを見て、思い切り笑ってしまったが、二人とも大したことなく起き上がって良かったよかった。
似たもの夫婦とは、こういうことを言うのだろうか。

 
沢の音が徐々に大きくなる。「猫ノ平」から30分、沢に着いた。
「マックラの滝」へは、ここを右に向かう。
一旦車道に出て、砂地の河原に下りる。
その正面にゴーと音を立てて落ちる滝が目に入る。

 
「丸山」の方角から集められた雨水が一ヶ所に集められ、沢となって一気に滝壺に流れ落ちるさまは圧巻だ。
周囲は噴火の際にできた溶岩の岩壁で、滝の周囲は、苔むして長い年月をかけ、 えも言えれぬ日本的な景観を作り上げている。
そしてその手前には、樹齢何百年も生き抜いたカツラの古木が一本、すっかりを葉を落として立っている。

 
さっき追い抜いて行った単独の女性が、車道から見える堰堤を写真に撮っている。
滝まで行かないのかなあと思っていたら、堰堤を流れを、滝と勘違いしたようだ。
もったいない。
 
分岐に戻り、沢沿いの路を進む。
途中、ロープが掛かった土の急な斜面を通過する。

 
その先で、次の滝、「玉簾の滝」が見えてくる。落差がなく、幅が広い。
下流には木造の滝見台がある。

 

 
滝だけ見に上がってきたグループが10人ほどいた。
案内板によると、水量が少ないと、岩肌を、スダレのように水が流れると書かれている。
このところの雨で水量が多く、スダレには見えなかった。
どちらかと言うと。「日光戦場ヶ原」の「龍頭の滝」に似ている。
滝の真ん中にある岩が、竜の背中のようにも見える。

 
滝をあとにして、沢に掛かった木の橋を渡り、小尾根の西に回り込む。

 
滝の名が書かれた看板が見える。
隠れ滝、最後の「丁字の滝」である。
看板の位置が分岐になっていて、左に下れば滝を下から見上げられ、右に登れば滝を上から見下ろせる。
滝を見るには、やっぱり下からだ。ここは左に下る。
 
少し急な斜面を注意して下ると滝を正面から見られる小段に着く。
滝の下には、大きな釜が2つあった。水量の多い滝だ。
オーソドックスの滝だが、周囲の解放感もあり、清々しい風景を作り出している。
さらに斜面を下ると滝壺の近くまで行くことができる。
マイナスイオンを体で感じられる。

 
分岐に戻ったら少し登り、堰堤を登った先に炭釜復元跡と案内板がある。
その先で車道に出る。
「マックラの滝」に通じる車道がこの道だ。
「マックラの滝」で休んでいた夫婦が、車道から下りてきた。
 
この道を南に10分ほど歩き、バス道の脇の遊歩道に入る。
遊歩道も10分ほど歩くと駐車場にでる。
ほどなく人の声が聞こえる。「霧降の滝バス停」だ。
駐車場の先には、洒落た作りのレストランがある。
その手前のモミジは真っ赤に色付き、今が最高と、観光客を魅了していた。

 
ここから滝見台に下る。
石畳の道を7、8分下る。大きな渓谷のその先に、白く太い水の流れが目に飛び込む。
大きな滝、霧降の滝だ。
大きく3段に分かれていて、一番上の滝の落差は圧巻だ。
滝見台から滝まで100mぐらいは離れているが、その大きさは、離れてみないと分からない。
車で来ている観光客に混じって、暫し見物。
陽が陰り、谷間が徐々に暗くなる。

 

 

 
バス停に戻り、バスの時間まで蕎麦屋やレストランをのぞく。
レストランは欧風の木造で、料理は高級そうだった。
レストランの前のモミジは、紅葉の度合いが9割程度。
まだ葉の根元は、薄っすら緑色だ。
そのコントラストが見事で、一枚記念にほしかったが、緑の部分がまだしっかりしているのか、地面に落ちている葉は一枚もなかった。
代わりに、他のモミジの葉を持ち帰った。
 
帰りのバスは、満席だったが、かろうじて4人座れた。
終点の「JR日光駅」で降り、日帰り入浴ができる目の前のホテルに向かう。
以前は自販機で入浴券を買た。一般が700円。そして市民が500円だった。
当時はチェックする人もいなかったので、券を買わなくても入れたのではないかとさえ思えた。
今はホテルのフロントで支払いをする方式に変わっていた。
 
男三人、裸の付き合い。
山以外の話題が尽きなかった。
奥さんの要望で、電車を1本遅らせた。
おかげで、小一時間、露天風呂に浸かれた。
ただ、この露天風呂は、屋根あり、塀ありで、解放感はまったく感じられない。
ついでに、聞いた話だがここの温泉は、別の源泉から、タンクローリーで運んでくるそうだ。
露天風呂にいると、ボイラーの騒音と石油の臭いがする。
 
風呂から上がり、土産を買うために「東武」の駅前に向かう。
既に暗くなった駅前のとおりをTシャツ1枚で歩く。
火照ったからだに心地よかった。
 
思い思いに好きなアルコールを買い込み、普通列車 南栗橋行きのボックス席を陣取る。
ここで下山祝いの乾杯。
今回の計画は、3時間半の予定が、倍の時間掛かってしまった。
しかし、それも3人の体力を考え、計算の上。
計画とおり温泉に浸かれ、怪我もなく1日過ごすことができたことに感謝したい。
 
車中、雪山の楽しみを少し話をした。3人はまだ雪上を歩いたことがないという。
山なれしていない人に、ぜひ、雪山の楽しみを知ってほしいと思った。
来年企画することを約束して「北千住駅」で解散した。
 
 
【編集後記】
 
たまには、単独ではなく、数人で歩くのも楽しいものだ。
自分とは違う感動をしているから。
それを見て、こちらも改めて山の良さを感じることができる。
 
 ( ^^) _旦~~  
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