山行記録 2018年 No.11 | |
11月11日(日) 日帰り山行 | |
日光霧降 大山と隠れ三滝 ハイキングコース |
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アクセス・コースタイム |
![]() 全6回、講座に通い、11月に無事卒業した。卒業と言っても、証書がもらえるわけではない。ただ一回も休まず出席しただけだ。 しかし、取材の練習をし、それを題材に冊子を作る。それを、講座の講師をつとめるプロの小説家 穂高健一先生が添削をしてもらえる。他では経験できないことができた。 最終的には、自分の感性を磨くしかないと悟ったが、葛飾区の隠れた職人さんや、裏方で頑張っておられる商店街の方など、少し自分の住む葛飾区のことが知ることができ、ためになる口座だった。それと同時に、人とも知り合えた。 講座の講師 穂高先生をはじめ、かつしかPPクラブのメンバー。そして同期の受講生だ。毎回、講座の後は、講師、そして区役所の担当者、そして受講生との飲み会があった。私は人見知りではあるが、この飲み会には毎回参加した。正確には、台風で1回は中止だったが、それを除き、毎回飲み会には参加した。 その飲み会に、私と同じ、毎回参加した受講生と今回、山に行ってきた。 前書きが長くなったが、受講生のご夫婦は山歩きが好きで、父上も山登りをされていると聞き、こちらから計画を提案した。 参加メンバーは4人。4人のスケジュールを合わせるのに少し手間が掛かり、紅葉の終わり間際になって実行できた。 今回の計画は、「日光霧降高原」から、「大山」を経由し、「隠れ三滝」をみて、「霧降の滝」まで歩くコースである。下りが多いコースで体力はそれほどいらない。最後に駅前の日帰り温泉で汗を流す予定だ。 |
「北千住駅」の東武線のホームに集合した。 6時15分発 急行「南栗橋」行きに乗車。 はじめてのパーティーなので、お互いの山歴など話していると、あっという間に終点 東武日光駅に着いた。 この日は、紅葉シーズンとあって乗客も登山者が多かった。 そこで裏技。バスの始発、JRの日光駅からバスに乗り込んだ。 予想どおり東武日光駅前のバス停からは30人くらいが乗り込んできて、座れない人もいた。 バスは「稲荷川」を渡ると左手に「女峰」、「男体」の親子が目に入る。 山の紅葉はすでにピークを過ぎているようだ。 それでも麓は黄色を中心に秋の景色を楽しませてくれる。 時々、真っ赤なモミジが目に入ると、しみじみ秋は良いなと思ってしまう。 ![]() 「霧降の滝」のバス停には、一際きれいなモミジが真っ赤に紅葉し、今が一番の見頃をむかえていた。 青い空とのコントラストは冴えわたっていた。 九十九にに登るバスは、「女峰」、「赤薙山」をぐんぐん近付ける。 途中、車道の一部をカラーコーンで塞ぎ、マラソンをしていた。 これが後で、とんでもないことになるとは、この時は思いもよらなかった。 駅から約30分で「霧降高原終点」に着いた。 バスの乗客の大半はここから「丸山展望台」に向かって出発していく。 ![]() そして、レストハウスの前には、マラソンランナーが何人も何人も通過していく。 ランナーを応援するスタッフらしき人達もいる。 よく見ると、幟に「第3回 国立公園マウンテンランニング大会」と書かれていた。 そう、今日は、山の中を走るマラソン大会の日。それにぶち当たってしまたのだ。 でもこの時は、今日の山行にすごい影響するなどは、想像すらしていなかった。 準備を済ませ9時半、いよいよ出発する。 出発したはいいが、登山口が見つからない。 「国土地理院」の地図と駐車場の形が全く違う。地図の修正が間に合っていない。 地形から判断し、登山口の看板を見つける。 路は、真っすぐ下っているが、その先から、マラソンランナーが数珠つなぎ、アリの行列のように駆け上がってくる。 ![]() なんてことだ。 山のマナーとして、登りが優先だから、下りの自分達は、脇に逸れて待つことになる。 しかし、ランナーはひっきりなしに登ってくる。 何人かの集団をやり過ごし、ランナーが途切れたところで、また歩き始める。 路はハイキングコースだからしっかりとしているが、路幅は狭い。 片側に避けて待たないとすれ違えれない。 ![]() ひっきりなしに走っている(なかには歩いている人もいるが)ランナー。 とにかく多すぎる。 時々休みたいランナーが、『どうぞ』と言って立ち止まってくれる。 徐々にイラついてきたので、その言葉に「よし」と、スタスタ下る。 すれ違いながらランナーに聞いてみた。 『何人ぐらいが走るんですか。』 すると返ってきた言葉に驚いた。 『千人ぐらいですかねえ。』 「エッ!」この後、どうなるんだろう。 2、3日前に降った雨で、路は少しぬかるんでいる。 ズボンの裾が少し汚れてきた。 初めてのメンバーは、このゆっくりしたペースが合っているのか、イラつかずに付いてくる。 後から来るランナーは、やはりペースが遅いのか、『お先にどうぞ』と、言ってくれる人が多い。それに甘え、さっさと下る。 そして、登山口から約50分、「つつじが丘分岐」に着いた。 ここで一本とる。 ここは戊辰戦争に関する案内板がある。 それによると、「日光」では直接の衝突はなく、「大鳥軍」は「日光」を脱出し、「会津」にへと向かった路らしい。 ここで靴ひもなど直し、出発する。 ![]() ここからは少し平坦になり、沢を2つ通過する。 ランナーは、相変わらず、アリの行列のように走ってくる。 ![]() 鹿除けの柵と牧場の柵、2つを超えると、路は登りに変わる。 目の前にはこんもりした山頂と、草原が広がっている。 その上には青空。気持ちの良い日だ。 ![]() 山のマナーにしたがい、今度は登りが優先、遠慮なくランナーに止まらず歩き続ける。 草原なのでランナーは脇に逸れながら止まらず走って下る。 自分達は、ゆっくりとしたペースで登る。 振り向けば、「丸山展望台」から、「赤薙山」が見渡せる。 さっき、あそこから下ってきたと出発点を指さし説明する。 左には「男体山」、南西には「社山」から「茶ノ木平」、「鳴虫山」の山塊が続く。 紅葉は黄色が多く、けしって鮮やかとは言えないが、それでも気持ちの良い天気と景色に暫し見入ってしまう。 山頂の東屋が見えてきた。 ランナーは少なくなったが、まだまだ下ってくる。 ![]() 分岐から1時間、「大山」の山頂 1158mに到着した。 山頂には、フェンスが張られ、その際にある三角点の石標にタッチする。 すぐ後から登ってきたメンバーと握手を交わす。 このメンバーで登った山、記念すべき第1座だ。 ![]() 登山者より、マラソンスタッフの方が多い。 東屋は、そのスタッフに占領されている。 地図を出し、「日光」の山々を一つひとつ説明する。 登ったことがないので、実感がわかないようだ。 しかし、いつか、その山々のどれかに登って、自分が登った「大山」はあれだと見つけたとき、きっと感激して見つめることだろう。 ![]() この時点で11時半、コースタイムに比較して2倍近く掛かってしまった。 下りも草原である。牧場の中だが、牛はいない。 この時期は、牛舎に入れられているのだ。 船の様な水吞場が寂しそうに置かれていた。 下るとすぐぐに車道に出る。 舗装された道を5分程歩き、再び山路に入る。 「猫ノ平」への登りは、ほんの少しだ。 「大山」の山頂から約30分で東屋のある「猫ノ平」に到着した。 時刻は12時過ぎ。ここでお昼にする。 ![]() ![]() みんなのためにお湯を沸かし、コーヒー、ほうじ茶、好きな方を飲んでもらう。 そして、持参したお弁当でお腹を満たす。 西に向いた東屋からは、さっき登った「大山」、「霧降高原」、「丸山展望台」、「赤薙山」、そして「女峰山」が見渡せる。 「女峰山」には、大きな雲が掛かり、山頂は見えない。 その先には、「小真名子山」、「大真名子山」、「男体山」と大展望が続く。 風もなく、気温もそれほど寒くもなく、絶好のハイキング日和である。 ![]() お腹を満たしたら、次はお楽しみの滝巡りである。 「猫ノ平」の下りは、落葉の路の急な下りだ。 ナラやモミジの林の中、落葉を踏みながら下る。 落葉の下の土は水分が多く、滑りやすい。ゆっくりと下る。 あとから来た単独の女性に追いつかれた。先に行ってもらう。 まだ、紅葉のモミジやオオカメノキがあると、立ち止まって眺めたりした。 そんな時、奥さんの方が、スリップして尻もちをつきそうになる。 それを見て大丈夫かと声を掛ける旦那さんが、同じ場所でスリップする。 それを見て、思い切り笑ってしまったが、二人とも大したことなく起き上がって良かったよかった。 似たもの夫婦とは、こういうことを言うのだろうか。 ![]() 沢の音が徐々に大きくなる。「猫ノ平」から30分、沢に着いた。 「マックラの滝」へは、ここを右に向かう。 一旦車道に出て、砂地の河原に下りる。 その正面にゴーと音を立てて落ちる滝が目に入る。 ![]() 「丸山」の方角から集められた雨水が一ヶ所に集められ、沢となって一気に滝壺に流れ落ちるさまは圧巻だ。 周囲は噴火の際にできた溶岩の岩壁で、滝の周囲は、苔むして長い年月をかけ、 えも言えれぬ日本的な景観を作り上げている。 そしてその手前には、樹齢何百年も生き抜いたカツラの古木が一本、すっかりを葉を落として立っている。 ![]() さっき追い抜いて行った単独の女性が、車道から見える堰堤を写真に撮っている。 滝まで行かないのかなあと思っていたら、堰堤を流れを、滝と勘違いしたようだ。 もったいない。 分岐に戻り、沢沿いの路を進む。 途中、ロープが掛かった土の急な斜面を通過する。 ![]() その先で、次の滝、「玉簾の滝」が見えてくる。落差がなく、幅が広い。 下流には木造の滝見台がある。 ![]() ![]() 滝だけ見に上がってきたグループが10人ほどいた。 案内板によると、水量が少ないと、岩肌を、スダレのように水が流れると書かれている。 このところの雨で水量が多く、スダレには見えなかった。 どちらかと言うと。「日光戦場ヶ原」の「龍頭の滝」に似ている。 滝の真ん中にある岩が、竜の背中のようにも見える。 ![]() 滝をあとにして、沢に掛かった木の橋を渡り、小尾根の西に回り込む。 ![]() 滝の名が書かれた看板が見える。 隠れ滝、最後の「丁字の滝」である。 看板の位置が分岐になっていて、左に下れば滝を下から見上げられ、右に登れば滝を上から見下ろせる。 滝を見るには、やっぱり下からだ。ここは左に下る。 少し急な斜面を注意して下ると滝を正面から見られる小段に着く。 滝の下には、大きな釜が2つあった。水量の多い滝だ。 オーソドックスの滝だが、周囲の解放感もあり、清々しい風景を作り出している。 さらに斜面を下ると滝壺の近くまで行くことができる。 マイナスイオンを体で感じられる。 ![]() 分岐に戻ったら少し登り、堰堤を登った先に炭釜復元跡と案内板がある。 その先で車道に出る。 「マックラの滝」に通じる車道がこの道だ。 「マックラの滝」で休んでいた夫婦が、車道から下りてきた。 この道を南に10分ほど歩き、バス道の脇の遊歩道に入る。 遊歩道も10分ほど歩くと駐車場にでる。 ほどなく人の声が聞こえる。「霧降の滝バス停」だ。 駐車場の先には、洒落た作りのレストランがある。 その手前のモミジは真っ赤に色付き、今が最高と、観光客を魅了していた。 ![]() ここから滝見台に下る。 石畳の道を7、8分下る。大きな渓谷のその先に、白く太い水の流れが目に飛び込む。 大きな滝、霧降の滝だ。 大きく3段に分かれていて、一番上の滝の落差は圧巻だ。 滝見台から滝まで100mぐらいは離れているが、その大きさは、離れてみないと分からない。 車で来ている観光客に混じって、暫し見物。 陽が陰り、谷間が徐々に暗くなる。 ![]() ![]() ![]() バス停に戻り、バスの時間まで蕎麦屋やレストランをのぞく。 レストランは欧風の木造で、料理は高級そうだった。 レストランの前のモミジは、紅葉の度合いが9割程度。 まだ葉の根元は、薄っすら緑色だ。 そのコントラストが見事で、一枚記念にほしかったが、緑の部分がまだしっかりしているのか、地面に落ちている葉は一枚もなかった。 代わりに、他のモミジの葉を持ち帰った。 帰りのバスは、満席だったが、かろうじて4人座れた。 終点の「JR日光駅」で降り、日帰り入浴ができる目の前のホテルに向かう。 以前は自販機で入浴券を買た。一般が700円。そして市民が500円だった。 当時はチェックする人もいなかったので、券を買わなくても入れたのではないかとさえ思えた。 今はホテルのフロントで支払いをする方式に変わっていた。 男三人、裸の付き合い。 山以外の話題が尽きなかった。 奥さんの要望で、電車を1本遅らせた。 おかげで、小一時間、露天風呂に浸かれた。 ただ、この露天風呂は、屋根あり、塀ありで、解放感はまったく感じられない。 ついでに、聞いた話だがここの温泉は、別の源泉から、タンクローリーで運んでくるそうだ。 露天風呂にいると、ボイラーの騒音と石油の臭いがする。 風呂から上がり、土産を買うために「東武」の駅前に向かう。 既に暗くなった駅前のとおりをTシャツ1枚で歩く。 火照ったからだに心地よかった。 思い思いに好きなアルコールを買い込み、普通列車 南栗橋行きのボックス席を陣取る。 ここで下山祝いの乾杯。 今回の計画は、3時間半の予定が、倍の時間掛かってしまった。 しかし、それも3人の体力を考え、計算の上。 計画とおり温泉に浸かれ、怪我もなく1日過ごすことができたことに感謝したい。 車中、雪山の楽しみを少し話をした。3人はまだ雪上を歩いたことがないという。 山なれしていない人に、ぜひ、雪山の楽しみを知ってほしいと思った。 来年企画することを約束して「北千住駅」で解散した。 |
【編集後記】 たまには、単独ではなく、数人で歩くのも楽しいものだ。 自分とは違う感動をしているから。 それを見て、こちらも改めて山の良さを感じることができる。 ( ^^) _旦~~ |
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