山行記録 2019年 No.12 | |
12月29日(日) 日帰り山行 | |
次石山 バリエーションコース |
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アクセス・コースタイム |
![]() 会社の納会も終わり、自宅の大掃除を一生懸命やった。天気予報を見て、天気が良いことをカミさんに言うと、「山、行ってきたら」って、あっさりと、年末にきて山に行けることになった。 選んだのは、前から調べていた、鹿沼の「次石山」だ。山頂付近に岩場があり、少し楽しいそうだ。 但し、レコが少なく、岩場の詳細が分からなかった。ただ、登れることだけは分っていたので、お守りのロープだけは携行していった。 |
朝、地元 伊勢屋で「いそべ餅」を3個買い、4時45分の始発に乗り込んだ。まだ陽は登っていない。 栗橋あたりで東の空がオレンジ色に輝き始め、筑波山の三角がくっきりと見えるようになる。地平線と濃い青い空の間に輝くオレンジの帯は、この瞬間しか見られない。時間と共にオレンジ色の帯が広くなると、輝きは薄れてしまうからだ。 「栃木駅」で乗り換え、暫くすると日光の山々が見えてくる。特に「男体山」の雪が朝日でオレンジに輝いている。 ![]() 7時11分、無人駅の板荷駅で下りたのは自分一人だった。トイレが新しくなっていた。膝の調子が悪いので、普段しない屈伸運動して7時20分、出発する。 駅前に小さな売店があるが、朝のこの時間は開いていない。県道に出る手前の材木屋には、銅板でできたシャチホコとアルミボディーのキャンピングカーが、まだ飾られている。 ![]() 県道164号線を南下する。途中で「次石山」の南、「御岳山」に掛かる送電線のための鉄塔の巡視路の入口があるので、その位置を確認しておく。 ![]() さらに南下し、「次石山」東側の平野部落まで、舗装道を歩く。左手には、今日登る山域が見渡せる。 ![]() 途中、「行川」(なめがわ)の護岸が豪雨で崩れ、川沿いの道が通行止めになっていた。今年も、すごい台風が襲来してからか。 1時間10分掛かって「平野」についた。舗装道から林道に入ると、すぐに杉林になり、民家が終わったところにシカ柵が設置されていた。その先には、チェーンゲートがあった。ここで、ちょっとトイレ休憩をした。脇には、イノシシかクマ用の罠が置いてあった。 ![]() そのすぐ先に、「御岳山」の尾根の取り付きを思われる丸太の橋と路があった。その先で林道が二つに分かれ、地図のとおり右に入る。右の林道は、人も車も入らないとみえ、落葉で埋め尽くされている。 右の尾根を見ながら進むと、コルらしき地形が分かったので、そこから取り付いた。近くに赤テープもあった。踏跡はないが地図を見ながら尾根を進む。 ![]() コルからは檜林の中を進む。30m登と少し平坦になる。305mポイントの手前に露岩があり、その付近のクノギの大木が、根元から倒れていた。きっと風の通り道だったのだろう。 ![]() 305mポイントからは、檜林の平坦の路が続く。檜には、「へ」と「大」の文字が書かれている。所有者を表す記号なのだろう。 標高350mを過ぎたあたりで、正面に大きな露岩が現れる。高さは15mぐらいだろうか。昼飯用に買ったイソベ餅を1枚食べながら、直登できるか観察する。 ![]() 正面右が階段状になっているが、最後が数メートル、スタンスが無さそうだ。上に行ってから超えられないと辛いので、こっちは却下。 ![]() 左の壁は、細かいスタンスはありそうだが、立っているので、落ちたら痛そう。無理しないことにする。 ![]() もう少し左に進むと巻いてしまうかと思いきや、階段状のところがあり、そこを攀じる。岩は固く、グリップもよく効く。上部がきつかったが、慎重に乗り切った。 ![]() 露岩のてっぺんからは眺望が良く、正面に「古賀志山」が見える。その右手には、「宇都宮」の市街地が見渡せる。 ![]() その先は、露岩が点在する平坦なヤセ尾根が続く。傾斜が出てくるあただけ高木がない。ネットのレコには、山火事跡と書かれていた。高木がない分、眺望も良い。 ![]() 途中で、北側も見渡せる箇所がある。よく見ると、「高原山」だ。山の半分から上を白くしている。11月に登った時には、まったく雪は無かったのに。ただ、今年は、雪が少ないと言われているから、この景色は、普通のことなのだ。 ![]() 取り付きから1時間、少し大きな露岩を超えると小ピークに着いた。そこには、立派な石の祠があった。ここが、「次石神社」の奥社なのだろうか。祠の裏に、文字が彫られていたが、読み取れたのは「次石山」と、「大正二年」の文字だけだった。葉が付いた長い竹が供えられていたので、ここで神事が行われているのだろう。このピークは、眺望が良く、「次石山」の山頂はもちろん、「男体山」から「女峰の峰」が見渡せる。 ![]() ![]() 景色は良かったが、ルートが気になって、ピークの端まで行くと、そこは20mくらいスッパリと切れ落ちた岩壁だった。右に小段がありそうだが、その先が見えない。しかし、ここで素晴らしい物を見つけた。観音様だ。岩尾根の途中に、観音様そっくりの岩があるのだ。ネットのレコで見てはいたが、本物は素晴らしい。 ![]() まずは、安全登山。少し戻って、ピークの南の斜面に踏跡を見つけ、そこを下ることにする。少し下り、右にトラバース。そして岩壁の下に進む。見上げると、確かに垂直だった。 ところが、そこに、あまり嬉しくない物を発見した。ススメバチの巣だ。白っぽい岩に、黄土色の丸い玉。夏だったら、襲われた可能性があったかも。 ![]() さらに進み、コルまで行く。そこはちょうど、観音様の足元だ。偵察に右に回り込むと、これもまた、ネットで見た大きなクサリが掛かっていた。6mぐらいあると思うが、登れそうだ。真ん中に檜が生えている。スタンスは細かくあるので、クサリを使わず登れた。 ![]() ![]() クサリの取付箇所は、観音様の足元だった。その足元を見てびっくりした。観音様の足元の岩は、50センチぐらいしかなかった。それも違う岩が、絶妙なバランスで乗っているのだ。地震がきたら、一発で崩れそうな感じがする。いや、既に何度も地震には遭っていると思うが、倒れないということは、やはり神様のなされることか。不思議な力を感じた。 ![]() さて、岩尾根の祠があった小ピーク側を見ると、やはり階段状になっていた。全ては見られないが、岩尾根の北側沿いなら、尾根沿いに行けるかもしれない。次回の楽しみにすることにした。 ![]() また、コルまで戻り、「次石山」の山頂に向かうことにした。コルの正面には、また、大きな露岩があった。切れ立ってはいないので、行けそうな気がするが、左は少しきついかもしれない。 ![]() 正面の小段に乗り、右に回り込むと階段状になっていた。割と楽に露岩の頭に着き、振り返ったら驚いた。岩の観音様が正面にあった。見方にもよるが、自分には、南を向いて合掌しているように見えた。小ピークから見たらわからなかったが、この露岩の頭に立つと分かる。自然のなす業(わざ)ではあるが、神がかった不思議な感じがした。 ![]() 10分程、眺めて、山頂に向かう。露岩のやせ尾根を10m程進むと、登りが始まる。途中、また大きな露岩があるが、右側は土の斜面になっているので、難なく登れる。 ![]() 露岩の頭には、松の木が2本、根こそぎ倒れていた。これも風の仕業か。そこを超えた先に露岩が点在する登りがあり、楽しみながら進むと、傾斜はゆるみ、開けた山頂に出る。 10時20分、「次石山」 473.1m(国土地理院の地図によると)の山頂に到着。山名板が1つ。三角点の石標。石の祠がある。眺望は、檜の植林に囲まれ、望めない。 ![]() ![]() ![]() コースは、北に続いている。地図とコンパスで確認し、檜林の尾根を下る。しっかりとした踏跡が続いている。50m程急な尾根を下ると平坦になる。その先、420mのコブでは、路間違えが多いとレコにあった。コンパスで確認し、西に下る。平坦になってから少し歩くと右手が開けた場所に着く。その先の尾根に、石の祠がある。その先に、壊れた山名板があり、「雷電山」と書かれていた。11時ちょうどに到着。「次石山」から、約30分だった。 ![]() その先に、小さな露岩に出るが、北側を下ると踏跡が続く。 ![]() 少し広い個所は、北側に進む。その後も杉林が続き、露岩のやせ尾根になる。 ![]() そこを超えると、東電巡視路の黄色い杭に着く。「261南いわき幹線」と書かれている。さらに進むと、オレンジと白の鉄塔が見え始める。 「雷電山」から25分、東電鉄塔に到着。眺望が良いので、ここで2回目のお昼にする。西側の景色を眺めながら、いそべ餅を残り2枚を腹におさめる。「笹目倉山(写真中央の三角錐の山)」、「鶏鳴山」、その奥には「男体山」と「大真名子山」。「女峰山」は、樹木に隠れていた。 ![]() 鉄塔を過ぎ、372mのポイントは気付かず通過してしまった。その後も、檜林が続くが、500m程進んだところでコースを右に曲がる。その曲がる箇所に「今里山」の山名板がある。 ![]() 東に向かって進むと、檜は多いが広い尾根になる。その先にベンチがあり、ベンチの先に「八方館」のチャンとした看板があった。 ![]() さらに進むと、分岐の看板に着く。北西に進むと「板荷」に下れるようだ。(しかし、板荷駅に行くより、下小代駅に行った方が近い。)ここは「小倉城山」に進む。 300m程進むと、白い石の祠が見える。四等三角点の石標もある。ここが、「小倉城山」だ。12時28分着。 ![]() 山頂の東の広場には、ベンチとステンレスでできた説明版がある。眺望は良くないが、「古賀志山」が樹々の間から見られる。日差しが暖かく、少し休憩する。 ![]() ![]() ![]() ![]() 下山は、南へ下る。落葉を踏みながら、九十九折りの路を下ること20分、「行川」沿いの舗装道に出る。ここが「小倉城山」の登山口だ。最後にシカ柵を超える。 ![]() 帰りの電車の時間を考え、急いで「下小代駅」に向かう。「行川」に架かる橋を超えると、北方に、「真名子山」と「女峰山」が見渡せる。この景色を見ながら暮らせるこの地は、良いところだ。 ![]() 駅に近付くと一軒の酒屋があり、ここで帰りの電車で飲む酒を買い込む。「下小代駅」には、登山口から約35で着いた。タイミング良く10分後、14時51分発の電車に乗れた。 |
【編集後記】 やっぱりバリエーションが楽しいな! 小さな探検だけど、そこで味わう緊張感がたまらない。 ( ^^) _旦~~ |
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