白倉山・三依山
バリエーションコース
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アクセス・コースタイム
2020年10月31日(土) 晴れ
電車:京成高砂駅[始発4:45発に乗車]-
-関屋・牛田・南栗橋・栃木駅・新藤原を経由して
-上三依塩原温泉口駅[8:35着]
株主優待券750円+野岩鉄道840円
徒歩:上三依塩原温泉口駅[8:50出]-尾頭トンネル[9:25着/9:30出]-
-作業道通過[10:03着]-1240mの尾根[10:45着]-
-白倉山[11:30着/11:50出]-
-水溜まり[12:09着]-トンネル上部[12:53着]-
-1236m小ピーク[13:02着]-鉄塔[13:13着]-
-尾頭峠[13:19着]-1260m小ピーク[13:57着]-
-三依山[14:25着/14:30出]-尾頭峠[15:20着]-
-尾頭トンネル[16:00着]-上三依塩原温泉口駅[16:36着]
電車:上三依塩原温泉口駅[17:16発]-高砂駅[21:05着]
野岩鉄道840円+株主優待券750円
【はじめに】
ヤマレコに地図検索という機能があり、東武線、野岩鉄道沿線を調べ、今回の白倉山を見つけた。
レコは、積雪期の記録だった。
南会津に近いこの辺りなら積雪も多いことだろう。
いきなり積雪時にアタックするのはリスキーと考え、偵察を兼ね今回の計画を立てた。
白倉山だけでは物足りないので、市境を縦走して前回登った三依山に繋げることにした。
ルートは、ほぼバリエーションルートで、地図読みが必須だった。
最後、時間切れで、下りは東電巡視路を使ったが、本当は1236mの小ピークから北西に延びる尾根を下りたかった。次回の楽しみに取っておくことにした。
10月31日(土)
いつもの始発に乗って東武線を乗り継ぐ。
利根川の鉄橋を渡ると東の地平線から陽が登り、車内はオレンジ色に染まった。
栃木駅を通過すると日光の山々が見える。
初雪が降ったというが、根雪にはならなかったようだ。
さらに大谷向駅を過ぎると、正面に高原山が見える。ここも雪は見られなかった。
前回6月の山行の時のことだ、野岩鉄道は新型コロナウィルス流行で間引き運転をしていた。
そのため新藤原駅で1時間足止めを食った。
今回は、正常運転に戻っていてほっとした。
山はどこも紅葉真っ盛りで、山頂こそ時期は過ぎていたが、山麓は紅や黄色に輝いている。
曇りだと紅葉も冴えないが、日が差すと油絵のように輝いて見える。
8時35分、上三依塩原温泉口駅には初めて降りた。
三角屋根の大きな駅、駅前も広いが、人も店もなく、閑散としている。
唯一改札口には駅員さんがいて、レシートで出来た社内清算書を渡す。
スマホでGPSソフトセットし、駅を出発する。
駅前の男鹿川を渡り丁字路を右に進む。
丁字路付近には、蕎麦屋、軽食屋、野菜産直があり、店で飼っているか犬が近づいてきた。
国道400号を那須塩原に向かう。
ゴーツーキャンペーが始まったからか、車の量が多く、少し騒がしい。
しかい、山の紅葉は申し分ない。
駅から1.8キロ歩くとスノーシェッドがあり、そこを通過すると正面にトンネルの入り口が見える。
トンネルの手前、左手の沢を少し行った尾根が今日登るルートだ。
沢少し歩き、右岸に取付く。
最初から急登が続くが、広葉樹ばかりで下草も笹もなく歩きやすい美尾根である。
踏跡は今のところない。地図とコンパスで尾根を進む。
テープは見当たらなかった。
今回のコースでは、東電巡視路から外れ、尾根伝いの路に分かれるところ1ヵ所だけだった。
10分程すると、露岩が現れた。特に危険ではない。
さらに20分程で一旦なだらかになる。
その先で、作業道が山の斜面を巻いて作られていた。国土地理院の地図には記載がない。
薄い踏跡が分かるようになる。
ヤマレコに記録が載るくらいだから、年に数人、もの好きが歩くのだろうか。
尾根に取付いてから約1時間、1100mを超える。
この辺りから傾斜は緩やかになる。
さらに20分進むと、1240mの平坦な尾根に出る。
少し風がでてきて肌寒い。
先住民(鹿)によるものだと思うが、はっきりとした踏跡が分るようになる。
すると、先住民にばったり出くわす。
鹿の方が先に気付き、ピィーと鳴きながら逃げて行った。
右を見ると、白倉山から尾頭峠に延びる尾根が見える。
今回のルートは、押しなべて眺望は良くない。
樹越しに見えるだけだった。
平坦な路を300m程進むと、また登りが始まる。徐々に笹が多くなる。
最後、30分ほど登ると笹の長けが腰ほどになる。
そこが山頂だった。
11時30分、白倉山 1460.1mの山頂に到着。
三等三角点の石標がありタッチする。
山名板は一つだけ。そこで記録写真を撮る。
山頂も眺望は良くない。
北西の樹と樹の間に七ヶ岳。その左手には太郎山。
その奥に白く雪をまとった駒ケ岳が見えた。
東には、男鹿の山魂が見渡せるが、樹が邪魔して同定はできなかった。
ここで一つ目のおにぎりで腹ごしらえ。
そしてこの先の笹ヤブに備え、雨具のズボンだけ履いて突入する。
尾根を進む。笹は深いが、踏跡は見られる。
左手のコンパスを見ながら踏跡を追う。
時々、踏跡が消える。
10分ほど進むと、一瞬だけ塩原温泉街のホテルや旅館の建物が見える。
この尾根は、なだらかでコースを見失いかねないから地図が手放せない。
途中、水溜まりのような池を通過する。
山頂を出発して30分、露岩を通過する。
その先は、だだっ広い林になり、ルートの見極めに神経を使う。
緩やかに右に曲がると、イノシシの蒐場(ぬたば)があった。
ここはイノシシの運動場みたいな場所だ。
山頂からちょうど1時間、落葉松林に出る。
緩やかなコルみたいなところ、この付近が、ちょうどトンネルの真上にあたる。
落葉松は、紅葉も良いが、新緑が一番良い。
左手には、高原山の山が落葉松の間から見える。
1236mの小ピークに登る。
ここから北西に延びる尾根があり、下山はここを下る予定でいた。
しかし、時間がなく、今回は、東電巡視路を下った。
(写真は、下る予定だった尾根)
小ピークを南に下ると、今度は高原山がドーンと見えた。
徐々に大きく広がって見えるようになると、そこに鉄塔が建っていた。
景色が良いのは、そのせいだった。
左から、男鹿の山、塩原温泉郷の谷、那須の冨士山、そして今年3月に歩いた前黒山から明神岳、そして高原山に続く。
鉄塔から先は、巡視路になり、路幅は1m以上もある。
少し下って左に曲がると、そこが尾頭峠だ。
峠には、石碑が建っている。達筆すぎて読めない。
時刻は13時20分。時間を考えると三依山へのピストンはきつい。
しかし、東電巡視路が、この先の鉄塔まで続いているようなので、それをあてに進むことにする。
巡視路は、尾根を巻くように作られている。
30分ほど進んだとき、方位がおかしいと気付く。
巡視路は、違う尾根に向かってい続いているのだ。
そういえば、10m手前に、今回のコースで珍しく赤いテープがあったが、それが、尾根づたいに進む分岐だったのだ。
若干、戻り尾根に乗る。笹原だが、薄い踏跡があった。
すぐに1270mの小ピークに付き、ここで90度曲がる。
さらに笹原の尾根を進む。
途中、前黒山から高原山の連峰が眺められる場所があった。
今回のコースで、眺望は珍しい。
単調な尾根を進む。
峠から約1時間、三依山 1305.2mの山頂に到着。
ここには、今年6月に来ており、眺望がないことは分っていたが、今回は天気も良く、樹々が切れた一ヶ所に七ヶ岳が見えたので写真におさめた。
三角点の石標にタッチしたら、急いで下山する。
90度曲がった1270mの小ピークは注意して通過する。
途中、東電巡視路に合流すると、さらにスピードを上げる。
スピードを上げたつもりでも、掛かった時間は登りとあまり変わりなかった。
峠からも巡視路を下る。
尾根の斜面を緩やかに路は作られている。
高度が下がるにつれ紅葉が見事になる。
標高1050m付近から路は九十九折れになる。
下から車の音が聞こえるようになる。しかし、ここから長く感じられた。
峠から35分、取り付きの沢に出た。
沢に降り、来た路を見上げる。
そこはただの崖で、おそらく、下から登ろうとしても、入り口は分らないだろう。
トンネルの入り口で、雨具を脱ぎ、ストックを仕舞う。
そして、車がビュンビュン走る脇を駅まで歩く。
振り返ると、今朝登った尾根の上部1240m付近に夕日が当たり、見送ってくれた。
【編集後記】
雪の白倉山を登るための、試登だったが、
秋でも、春でも良い山だ。
きっと雪になったら、もっと良いだろう。
雪が降るのが、楽しみだ。
( ^^) _旦~~