水上山(福島県界エリア)
バリエーションコース
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アクセス・コースタイム
2021年2月7日(日) 晴れ
電車:京成高砂駅[4:45発 始発に乗車]-東武線、野岩鉄道にて
-男鹿(おじか)高原駅[8:40着] 株主優待券700円
徒歩:男鹿高原駅[8:50出]-国道121号線を横川まで歩く[9:20着]-
-横川から農道に入り登山口まで[9:38着/9:50出]-
-鹿ネット[10:19着]-ポイント942[10:38着]-
-水上山1139m[11:26着/11:40出]-県界尾根[12:14着]-
-ポイント1074[12:44着]-ポイント957[13:33着]-
-山王峠[13:50着/13:55出]-ポイント891[14:21着]-
-国道121[14:33着/14:40出]-男鹿高原駅[15:10着]
15時台の列車が無く、ここで1時間待つ
電車:男鹿高原駅[16:15発]-高砂駅[20:15着]
株主優待券700円
【はじめに】
2021年、2回も敗退となり、少し残念な気持ちでいた。
次は計画どおりのコースを踏破し、山頂にもたどり着きたいと思い、今回の山を選んだ。
そして、スノーシューを使える雪深い所が良いと、福島県界に近い水上山にした。
水上山から県界尾根を山王峠まで辿り、下るコールにした。
予想はしていたが、登山者には一人も会わず、トレースすらなかった。
貸し切り状態は良かったが、代わりに緊張感はマックスだった。県界尾根は、複雑に折れ曲がり、地図とコンパスは離せなかった。
そして、尾根らしくなく、急な斜面を下るところで路を間違えた。
すぐに登り返したが、疲労が出始める後半は、地図読みに注意したいと思った。
午前中は晴れていたが、昼過ぎから雪がちらつき、男鹿高原駅に着いた頃には本降りの雪になった。流石、豪雪地帯だ。
今回、男鹿高原駅に始めて降り立ったが、ホームは1本だけ、駅前はロータリーも無ければ、自販機も無い。駅舎は鉄骨造で味気ない。
しかし、全国の秘境駅ランキング20位に選ばれているらしい。
ホームにはノートが置いてあって、感動したなどのコメントが書かれていた。
2月7日(日)
今回は、出発前日に近くのスーパーで昼食のパンを買出しをしておいた。
夜8時にもなると半額シールが貼られ、出費を抑えるにケチケチ山行にはうってつけだ。
地元の駅から始発に乗り込んで東武線で日光方面に向かう。
栃木県に入り渡良瀬川を渡ると、東の地平線がオレンジ色のグラデーションに輝きだす。
さらに栃木駅を通過すると、線香花火のようなオレンジ色の太陽が鈍い光で昇ってくる。
肉眼で太陽が見られるのは、最初の一瞬のことだ。
新藤原駅からは野岩鉄道に変わる。車掌さんが検札に来る。
男鹿高原駅まで、株主優待券より高い1000円を払う。
湯西川温泉駅を通過すると五十里湖に掛かる鉄橋を渡る。
そこで景色は一変する。湖面には雪が積もり、山々は真っ白な雪景色だ。
これなら標高の低い水上山でも雪歩きが楽しめるだろうと胸が躍る。
自宅を出てから4時間、野岩鉄道 男鹿高原駅に着いた。
短いホームに降りたのは、自分一人。
寂しい限りだ。
駅の階段を上がると、いきなり道路に出る。駅前広場など、この駅には無い。
凍った舗装道を国道まで歩く。
途中、緊急用ヘリポートがあった。
国道沿いには、会津西街道 横川一里塚の石碑が立っていた。
その先には、ドライブインや蕎麦屋がある。
この国道、なぜか3つの標識が付いている。
121号線、352号線、400号線。不思議だ。
スノーシェッドを超え、横川地区の集落に着く。
民家を抜け、突き当りを左に曲がってすぐ、右に上がる道がある。
キャタピラーが通った跡があり、ツボ足にならず助かる。
少し進むと、横川浄水場がある。地域の水道はここから供給されている。
その先からは、雪に覆われた広い畑に出る。
キャタピラーのトレースを選んで歩く。風もなく少し汗ばんでくる。
進むにつれ、白樺や落葉松が多くなり、きれいな森林風景に癒される。
「五十里ダム横川雨量観測所」と看板がけられた小さなフェンスを過ぎるると、落葉松林の中に入る。
右手に民家があり、その分かれ道付近に、水上山に繋がる尾根の末端がある。
ここでスノーシューを付ける。
駅から50分だった。
積雪は30センチ前後、トレースなど一切ない。傾斜もきつくない。スノーシューで快適にスタートする。
30分程すると、左手から鹿ネットに合流する。
この辺りから、風が強くなってきた。「てんきとくらす」の予報通りだ。
鹿ネットの向こう側は、伐採され広い雪原があり、そのさらに先には、今日、進む県界尾根が見える。
この先は、しばらく、鹿ネット沿いに登る。
途中、県界尾根の先に、七ヶ岳が見えた。雪があるときに登ってみたい。
ポイント942まで、50分掛かった。予定より時間が掛った。
その先から徐々に傾斜が増し、尾根は狭くなる。途中で鹿ネットはなくなる。
積雪も深くなり、小さな雪庇もみられる。
右を見下ろすと、スキー場のように白い雪原がみられる。横川放牧場だ。
スノーシューのリフターを上げ、登りやすくする。
日も差して、快適な登りだ。
露岩を1ヵ所通過すると、山頂は間近だ。
11時26分、取付きから約1時間半、水上山 1139メートルの山頂に到着。
山名板はないが、三等三角点の石標の頭が雪から顔を出して、ここが山頂だと知らせてくれる。
残念ながら眺望は良くない。
久しぶりの山頂。いつも持ってきては食べるのを忘れていた「やぶ忠」の「まめいた」を今日は食べる。
11時40分に、県界尾根に向け出発する。
一旦、急な下りから始まるが、その後は、小さなアップダウンが続く。
狭い尾根には、小さい雪庇が付いている。積雪は深い所で80センチぐらいある。
誰も歩いていない新雪の上をスノーシューで快適に進む。
少しは潜るが、ワカンに比べたらまだ歩きやすい。
右手には、男鹿岳の西の斜面が見られる。
30分ほどしたところで、県界尾根を確認するためコンパスに注意を向ける。
県界尾根との合流は広い。地図とコンパスで位置を確認し西に折れる。
県界尾根に入ると右手前には、三角錐の山が見える。(貝鳴山)
尾根は緩いアップダウンを繰り返し、時々折れ曲がる。都度、コンパスで確認する。
太陽は雲に隠れ、地図読みの緊張感が増す。
県界尾根を歩き始め30分ほどしてポイント1078を通過する。
さらに15分して急な尾根の下りになる。
ここで下る方角を間違えた。
下り始めは西南西だが、途中から真南に変わる。
しかし、急な下りのため、どんどん下ってしまった。
気にしながら下ったつもりだったが、やはり行き過ぎていた。
下る途中にコンクリートの杭があり、それにも惑わされた要因だ。
気を取り直し登り返す。5分ぐらいは登り返したと思う。
次は慎重にと、コンパスを合わせる。
その方向の斜面は、さっきの斜面より急傾斜で、とてもスノーシューでは下れないと判断し、外す。
南斜面のためか雪は少なく、樹が多いので掴まりながら50メートルほど下る。
傾斜が緩んだところで地図を見ると、地形が少し違う。
今度は、ほんの少しだけ東にそれたようだ。
そこから30メートル西側が県界のようだ。
緩やかな谷をトラバースし、正規の県界尾根に合流する。
下りで尾根を間違えると、取り返しがつかないことになる。
この時は、近況マックスだった。
合流し、すぐ登りになる。登りきったところがポイント957だ。
このころから車の音が聞こえるようになる。山王トンネルに近づいた。
その頃から日は陰り、白い物が舞い始めた。
無彩色になった尾根を進む。地図を見ながらトンネルの上部を通過したことを確認する。
急な斜面から50分、旧道の山王峠に到着した。
看板とガードレール、石垣などが峠の雰囲気を醸し出している。
「福島県」と書かれた看板のところまで行って、福島と栃木を跨ぐ。
下りに使う尾根は、峠から一旦急斜面を登らなけらばならない。
スノーシューで登れる傾斜ではないが、外さず、ジグザグに登りきる。
あとは国道まで緩い尾根を進む。
ポイント891を通過すると国道は近い。
峠から40分、国道に出る。
近くのドライブインまで行ってスノーシューを外す。
ドライブインは、冬季閉鎖中。国道は、スキー帰りの車が多い。
ここで電車の時刻表を確認する。
15時台にリバティに乗れるかもしれない。
あと1時間、微妙な感じだが、1時間は大きい。スピードを上げて国道を歩く。
途中、山王わさび園をスルーして、そば屋もスルーして、15時10分に男鹿高原駅に着いた。
駅の時刻表を見ると、あぜん。15時に電車はなかった。
どうやら、コロナで変更したか、リバティは、この駅に停車しないのか。
次は16時15分だ。
いづれにしても、このへんぴな駅に1時間も待つことになる。
仕方なく、ホームの待合室でスノーシューなどの装備の雪を払ってパキングをし直す。
これなら、スルーしたそば屋によればよかったと後悔する。
【編集後記】
1年前、中古を買ってからスノーシューは冬の定番アイテムになった。
今年は、年始から、スノーシューが大活躍。
これが無かったら、こんなに雪山を楽しめなかっただろう。
( ^^) _旦~~