山行記録 2022年  No.6
4月27日(水)~28日(木) ツエルト1泊山行

安蘇山塊縦走 根本山 バリエーションコース

アクセス・コースタイム
 
4/27(水)
電車:京成高砂駅[5:10発]-(牛田経由)-新鹿沼駅[※7:37着]
    ※:新栃木駅で乗り換えるところを栃木駅で乗換たため、
      日光行きを1本逃す。そのため、新鹿沼駅到着が14分遅れ、
      リーバスに乗れなかったためタクシーで追いかける。
タクシー:東武新鹿沼駅[7:39発]-西鹿沼局前バス停[7:43着]
 
バス:西鹿沼局前バス停[7:43着]-小峯神社バス停[8:23着]
    京成線189円+株主優待券700円+タクシー600円+リーバス400円
 
徒歩:小峯神社バス停[8:45出]-登山口[8:50着]-
   -三枚石[10:57着/11:13出]-方塞山[11:32着]-
   -県道[11:57着]-勝雲山登山口[12:18着]-
   -勝雲山[12:26着]-勝雲山三角点[12:31着]-
   -県道[13:16着]-粕尾峠[13:40着]-
   -地蔵岳登山口[13:45着]-コル[14:03着/14:10出]-
   -地蔵岳[14:35着/14:43出]-前地蔵岳[15:00着]-
   -杣道[15:20着]-林道[15:31着]-
   -1100mの小ピーク[15:54着]-ポイント1098[16:21着]-
   -ビバーク点[17:15着]
 
4/28(木)
徒歩:ビバーク点[6:10出]-コル[6:41着]-
   -椀名条山分岐[6:55着]-氷室山[7:09着]-
   -宝生山[7:35着]-林道横断[7:46着]-
   -十二山[8:25着]-根本山神社跡[8:40着]-
   -根本山[9:00着/9:15出]-行者山[9:37着]-
   -根本山奥ノ院(奥社)[9:44着]-獅子岩[9:55着]-
   -根本山本社[10:03着]-福島橋[11:32着]-
   -駐車場(三境林道)[11:40着]-天満宮[11:55着]-
   -梅田ふるさとセンターバス停[12:51着]
 
バス:梅田ふるさとセンターバス停[13:25発]-桐生駅北口[14:01着]
    (乗換)桐生駅北口[14:24発]-新桐生駅[14:38着]
 
電車:新桐生駅[14:43発]-(太田・舘林・久喜経由)-高砂駅[17:42着]
    バス200円+200円+株主優待券700円+京成線189円
 

 
2022年の連休は天気が良くなかった。
8年越しの計画だった新潟の矢筈岳に登る計画も、決行日を決めあぐっていた。
このままでは、矢筈岳は延期せざるを得ないかもしれない。
それより今年の連休、有給休暇を加え18連休にしたものの、どこにも行かずに終わってしまう可能性すらある。
以前から温めてきた安蘇山魂をすべて縦走する計画を実行することにした。
すでに氷室山から南は歩いたので、残りの方塞山から氷室山の間を歩くことに。
とくに歩きたかった根本山の奥社と本社を見ること。
 
とは言え、天気は不安定で、二日目は、久しぶりに雨具での行動となった。
それでも、アカヤシオと桜がちょうど開花時期で、楽しませてもらった。
 
今回、ちょっとしたハプニングがあった。
東武線の新栃木駅で乗り継ぎするところを、栃木駅で降りてしまった。
そのため、1本電車を乗り遅れ、新鹿沼駅で接続しているバスにも乗り遅れ、タクシーで追いかける羽目になった。
途中、どこで追いつくかと思ったら、バス停2つで済んだ。
タクシー代も600円で済み、痛手も少なかった。
 
季節は春。アカヤシオに山がピンクに染まる季節だったが、ガスで遠望は望めなかった。
しかし、歩くところみなアカヤシオに迎えられ、縦走できたことに加え満足できた山行となった。
 
バスの終点、古峯神社バス停(680m)で降りたのは、自分一人だった。
バス停前の茶屋で水筒を満たす。
安蘇山魂は、水場がないので、ここで2リットルの水筒を満タンにする。

 
 
バス停前の桜は、もう散っていた。
重くなったザックを背負い出発する
このころになって、晴れ間ができてきた。
しかし、天気予報では下り坂。せめて雨だけは降らないで欲しい。
 
県道を古峰ヶ原峠に向かって歩く。
5分ほどして三枚石新道の登山口(720m)に着く。
案内図には健脚向きと書かれている三枚石への直登コースを行く。

 
一旦、沢を渡り、主尾根に乗る。
標高800メートル付近、さっそくトウゴクミツバツツジが迎えてくれる。

 
新緑のトンネル、気持ちの良い尾根。一旦、緩やかになるも、また、登りに変わる。

 
登山口から1時間ほどした標高1050メートル付近で地面にピンクの花びらを見つけた。
見上げれば、青空を背景に満開のアカヤシオだ。
これが見たくて、5月に安蘇山魂に来たのだ。

 

 

 

 
登山口を出発し1時間45分、少しすると苔むした石が広がる場所になる。
山頂直下のなだらかなこの場所は、花が多い。
満開の山桜、白い花のオオカメノキ、大きくなる前のバイケイソウの新緑もきれいだ。

 

 

 
石の下から水の流れる音がするが、上からは見ることができない。
 
路が広がり始めると山頂は近い。
 
登山口から2時間10分、三枚石(1377.9m)に到着する。

 

 
大きな石が3枚重なっているから三枚石と思いきや、実はそうではない。
日光開山の祖、勝道上人がこの石の下で座禅修行されたことから、「三味(さんまい・ざんまい)石」と名付けられたそうだ。

 
山頂の南西に「金剛水」という湧き水があるが、飲料には無理がある。

 
「関東ふれあいの道」になっている路を進む。
ここはツツジ平と名前が付けられている。でも、まだ蕾だ。
 
山頂から約20分、方塞山(ほうさいさん)1388mに到着する。

 
前日光牧場を眼下に望むこの山は、安蘇山魂を見渡すに最高な場所だが、残念ながら今日はガスでなにも見えない。

 
山頂西の電波塔の脇から市界沿いに進む。東は鹿沼市、西は日光市だ。
なお、これから行く地蔵岳からは、県界に変わる。東は栃木県鹿沼市、西は群馬県みどり市となる。

 
牧場の白い柵に沿って踏跡が続く。

 
柵が有刺鉄線に変わったあたりで、残雪の白根山が見えた。
落葉松の芽吹きのころだったら、もっと良い写真になっただろう。

 
方塞山から約25分、県道に出る。
しばらく舗装道を歩く。

 
途中、無料駐車場付近は、ソメイヨシノが満開だった。
 
その先に、東京大学が設置した地震観測の装置がある。
その脇が、勝雲山の登山口だ。

 
落葉松の植林の中、緩い坂を登ると、なだらかな山頂が見える。
山頂が二つに分かれている。
12時31分、三角点のある勝雲山(1322m)に到着する。

 

 
山頂の眺望は良くない。
 
国土地理院の地図に記載されている破線に沿って、落葉松林の南西尾根を下る。
途中、左手に大きなアンテナが見えた。

 
緩やかな尾根を下る。
こういう尾根は路迷いしやすい。
案の定、自分の位置を見失い、地図の実線(林道)を見つけられず、立ち止まる。

 
小さな沢とその向こうに白い小屋があった。
とりあえず小屋に行ってみる。
周辺には、ナマコ板や雨戸などが散乱している。

 
県道に戻るため、東の緩やかな斜面を登る。
その先には青い建物が見える。

 
青い建物は家畜小屋のようだ。
そしてこの斜面は牧場ではなかったかと推測する。
周囲には、水溜もある。

 
さらに登ってから南に折れ、林道を見つける。
林道と言っても、かなり荒れている。
林道の途中には、大きな建物があった。
牧場主の自宅だろうか、今は廃墟だ。

 
13時16分、県道に出る。そこにもアンテナが立っていた。

 
下り坂の舗装道を西に進む。
すぐ左にY字路があり、そこには「関東霊園」の石に彫った名盤があった。
この先に霊園があるのだろうか。
国土地理院の地図には、霊園のマークだけが記載されている。
 
もう少し下ると道沿いに小さなログハウスが建っていた。
小さいところがメルヘンチックだ。

 
左手に、鹿沼市の山ノ神部落へ下れる路を見て、その先のカーブから山路に入り、粕尾峠へエスケープする。
(軽自動車が停まっているところが山路の入口。)

 
薄い踏跡を辿り、コブを超えると下り坂になる。
右(西)は、足尾駅。その先の備前楯山や庚申山だが、霞んでよくわからない。

 
15分程で、また県道に出る。この50メートル先が粕谷峠だ。

 

 
峠にあった句碑、区議だった酒井善太郎氏のものだ。

 
峠から舗装道を西、足尾側に5分ほど下り、登山口を目指す。
右下の山の斜面は、植林の伐採の最中だ。
 
3つ目のカーブに小さな看板がある。
「地蔵岳登山口」ここから山路に入る。
白く見えるのは、ホウノキの落葉だ。

 

 
尾根の北面をトラバースしながら路が続く。
右(北北西)の景色は良い。

 
650メートルほど進むと広く平らな場所に出る。
なんとものどかな、そして静かなところだ。
右側には、鹿ネットがある。ここで小休止、パンを食べる。

 
ここからいよいよ地蔵岳への登りが始まる。
路はしっかりとしている。昭文社の地図にも、この路は実線だ。

 
根がらみの路、途中、アカヤシオが満開だった。



 

 
標高差150メートルほどを25分ほど登る。
 
14時35分、地蔵岳(1274.4m)に到着する。
山頂には、石の祠があり、下山の無事を祈願する。
東には横根山が良く見える。(写真なし)

 

 
地蔵岳の南、前地蔵岳に向かう。

 
山頂から17分、前地蔵岳(1240m)に到着する。

 
ふり返ると、ここより高い地蔵岳は、アカヤシオのピンクに染まっている。

 
で、問題はルートだ。
南に続く県界尾根は、前地蔵岳の南東斜面の先だが、かなりの急斜面だ。
実は、事前にチェックしたヤマレコの地図検索では、下りの軌跡は2つあった。
ひとつは前地蔵岳から急な斜面を下ている。
もう1つは、地蔵岳との間のコルから、ここも急な斜面を下っている。
前地蔵岳の南斜面のほうが危険そうなので、安全を最優先に、コルから下ることにする。
 
コルに戻ると、東に斜めに下る踏跡があった。それに沿って下るも、途中で路が消えた。
仕方なく、斜面を強引に下る。100メートルほど下ると傾斜がゆるくなる。
沢を超えて、下りきると平坦になった。

 
そこには、広い杣道があった。これでホッと胸をなでおろす。

 

 
平坦な広い杣道を300メートルほど進むと主尾根と合流する。(15時31分)
この尾根こそ、前地蔵岳の南の斜面からつながる県界尾根だ。(標高1090m)

 
この先、国土地理院の地図では破線だが、実際は林道になっている。

 
県界の沿った林道を南に進む。
コルから25分、林道をそれて尾根を歩き、1100メートルの小ピークを超える。

 
また林道に戻る。
途中で熊罠を見つける。少し、緊張する。

 
14時21分、ポイント1098に到着する。
この先は、しばらく林道から離れ、尾根を歩く。

 

 
また林道に合流し、あとはずっと林道を進む。
そして17時が過ぎ、歩きながらビバーク地点を探す。
 
1キロメートルほど進んだところで、左の尾根に上がる。

 
そこは「前日光幹線林道」に面した尾根で、尾根の東側が伐採がされ、眺望が良い。

 
苔と松の枯れ葉のクッションが効いたところをビバーク地点とする。
ツエルトを張り終えると、タイミングが良いというか雨が降り始めた。

 
今日の歩行距離は15.4キロメートルだった。
 
今夜の夕食は、メルカリで買った非常食、「そのまま食べられるチキンライス」。
そしてサラスパのペペロンチーノだ。
とても美味しかった。

 
夜、ツエルトから顔を出す。ガスが晴れていたのか、街の明かりがとてもきれいだった。
後で調べたら栃木市の市街地だった。

 
 
 
 
 
2日目、4月4月28日(木) 4時に起床。
しかしは外は雨。やはり天気予報は当たった。
土砂降りではなく霧雨なのが、せめてもの救いだ。
 
6時10分、雨具を着て出発する。
 
林道に戻り、最初の山、氷室山を目指す。
林道は、崩壊箇所が多い。

 
林道を1.3キロメートルほど進んだところで、尾根側に路を見つけ、そこを辿る。

 
路は、尾根の東面にトラバースするように続く。しっかりした踏跡、緩やかに登っている。

 
出発して45分、椀名条山への分岐に到着する。
ここは2019年5月の連休に、沢入駅から黒坂石バンガロー・キャンプ村経由で来たところだ。
これで、日光の茶ノ木平から夕日岳、地蔵岳を経由して、根本山、鳴神山まで、安蘇山魂の縦走が繋がった。

 

 
15分ほどの登りで、7時9分、氷室山(1123m)に到着する。

 

 
さらに県界尾根を進む。
途中、大荷場分岐を通過。その先の小ピークを南東に進んでしまい、途中で気づき登り返す。

 
氷室山から25分、7時35分、宝生山(1154.3m)に到着する。
周囲は真っ白、満開のアカヤシオが迎えてくれた。
三等三角点の石標がある。

 

 
山頂からの路はしっかりしている。
下ると、ほどなく林道を通過する。「林道作原沢入線」だ。

 
駐車場には、車も停まっていない。通過する車もない。
それもそのはず、東側のゲートがクローズされていた。
(あとで調べると、作原側が土砂崩れで通行止めとのこと。)
 
林道を横断し、白い看板の向こうにある山路を進む。
その先は、標高1100メートルの尾根に沿った路が続く。

 
宝生山から50分、8時25分、十二山(1143m)に到着する。
ここから南東の尾根を進むと熊鷹山、南西に進むと根本山に進む。
オオカメノキが満開だった。(写真なし)

 
十二山を5分程下ると分岐がある。
ここからも熊鷹山に行ける。

 
根本山へ続く尾根の途中にある根本山神社跡。
本殿は昭和3年に全焼し、今は小さな石の祠があるだけだ。
由来などが刻まれた石碑があり、その前に大きな鉞(まさかり)がお供えされている。
(手前が鉞)

 
中曽根十字路との分岐を通過し、徐々の登りになる。

 
ピンクの花びらが沢山落ちている。アカヤシオが満開だ。

 
9時ちょうど、十二山から35分、9時ちょうど根本山(1199m)に到着する。
山頂も、アカヤシオが満開だ。残念ながら、写真に上手く写らない。
しっかりとした山名板は群馬県が設置したものか。
地図も備えられ、登山者やさしい。

 

 

 
山頂で昼食、ピーナツバターロールを2つ食べる。
雨が降っていなくても、元々景色は良くない。
 
今回の下山ルートは、根本山の奥社経由で根本沢に下る。
ただし、途中、崖の斜面をクサリで下るところがある。
少し不安だが、慎重を期し出発する。
 

 

 
コルを過ぎると登りになり、トラロープ、クサリ場になると、行者山は近い。
 
9時37分、行者山(1123m)に到着する。
狭い山頂には、トラロープで囲まれていた。
おそらく、路迷いしないようにと張ったロープだと思う。

 
もちろん、ここは地図とコンパスで下降点を見極める。
最初は、なだらかなやせ尾根。アカヤシオが満開だ。
すぐに急な下りになる。

 
急な尾根を下り始めて約5分、標高1077メートル付近に立派な石祠があった。
これが、根本山神社の奥ノ院だ。カッコ書きで奥社とも書かれていた。

 

 

 
この先にクサリ場が待っている。
奥社で下山の無事を祈願する。
 
奥社を出てすぐクサリ場が始まる。
7本のクサリのうち、3本目が一番長い。

 

 

 

 

 

 
奥社から10分下ったところに獅子岩に到着する。
横から見ると、確かに獅子に見える。
岩の上に登り、下を見下ろすもガスでなにも見えず。アカヤシがきれいだった。

 

 

 

 
さらにクサリ場が2本続く。

 

 
2本目の写真。岩がつるつるで緊張した。

 

 

 

 
10時過ぎ、以前から訪れたかった根本山神社の本社と釣鐘堂に着く。
本社は朽ちて、今にも倒れそうだ。
中に入らないようにと書かれていた。
しかし、すごい場所に建てたものだ。
この場所を見つけたこともすごい。

 

 
本社の右側を下る。
下から見上げると、その立地のすごさが再確認できる。

 
根本沢沿いに下るが、この先にもクサリと鉄のハシゴが掛かる場所がある。
ここが女坂と呼ばれる所だ。

 

 

 

 
女坂をふり返る。(左が女坂、右が男坂)

 
少し下ったところが籠堂の跡。

 

 
ここに、昔、男坂に掛かっていた鉄のハシゴが安置されている。
解説書には、江戸時代、参拝が盛んだったころ、男坂の「不動の滝に掛かっていたハシゴが土石流で流され、以後、埋没していたが、平成28年に発掘された」と書かれている。
175年も前に、これだけ大きな鉄のハシゴを持ち上げた当時の苦労に敬服する。

 
 
この後は、沢を右に左に渡りながら下る。
一ヶ所、崩壊した所は、かなり高巻していた。

 

 
この沢沿いの路がかなり続く。

 

 
 
 
 
 
奥社から下ること1時間半、11時30分、福島橋に到着する。
長かった。
手前が崖で、そこにはトラロープが掛かっていた。

 

 

 
 
 
 
この先、10分ほど砂利の林道を下ると、不死熊橋登山口の先の、三境林道入口にある駐車場に着く。
駐車場には、3台停まっていた。おそらく、釣り客だろう。
ここから舗装道を延々と歩く。

 
左は三境林道、奥が福島橋方面。

 
満願宮

 
石鴨の道祖神

 
 
 
12時51分、ようやく「梅田ふるさとセンター」に到着する。
福島橋から、1時間20分掛。長かった、お疲れ様。
 
ここには、食堂と土産物がある。
バスを待つ間に、生椎茸とタラの芽、蕗の薹を買った。
夜、天ぷらにした。

 
バスは一日5本しかない。
13時25分発に乗車する。次は17時までない。

 
 
バスに揺られること30分、JR桐生駅に到着する。
駅の西側の売店で、桐生名物、ひもかわうどん(500円)を買って帰った。

 


【編集後記】
 
今年の連休は天候が長続きせず、矢筈岳に行けるか微妙になってきた。
雨に降られることを覚悟ででかけたが、霧雨程度で良かった。
満開のアカヤシオ、今年も見ることができ良かった。
 
 ( ^^) _旦~~  
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