山行記録 2022年  No.10
8月10日(水)~11(木・祝) 避難小屋1泊山行

奥秩父 瑞牆山 金峰山 国師ヶ岳 北奥千丈岳 一般コース

アクセス・コースタイム
 
8/10(水)
電車:京成高砂駅[4:48発]-浅草橋駅[5:06着/5:20発]-
    -八王子駅[6:30着/6:35発]-韮崎駅[8:28着]
    京成線189円+都営地下鉄178円+JR線2640円
 
バス:韮崎駅[8:50発]-みずがき山荘[10:10着]
    山梨峡北交通2100円
 
徒歩:瑞牆山荘前[10:20出]-ビューポイント[10:48着]-
   -富士見平小屋[11:00着]-沢・桃太郎岩[11:28着]-
   -瑞牆山[12:35着(昼飯)13:00出]-
   -桃太郎岩・沢[13:52着(宝物探し)14:20出]-
   -富士見平小屋[14:48着/15:00出]-大日小屋[15:55着]
 
8/11(木・祝)
徒歩:大日小屋[4:10出]-大日岩[4:57着/5:20出]-
   -砂払ノ頭[6:15着/6:25出]-金峰小屋分岐[6:40着]-
   -金峰山[7:10着/7:26出]-鉄山(東の登り口)[7:56着]-
   -朝日岳[8:30着/8:35出]-ビューポイント[8:47着]-
   -朝日峠[9:07着]-大弛峠[9:35着(10円カレー)10:10出]-
   -夢の庭園下の分岐[10:20着]-前国師ヶ岳[10:47着]-
   -国師ヶ岳[11:00着/11:05出]-北奥千丈岳[11:17着(昼飯)13:20出]-
   -前国師ヶ岳[13:25着]-夢の庭園上の分岐[13:39着]-
   -大弛峠[13:55着]
 
バス:大弛峠[15:00発]-塩山駅北口[16:10着]
    栄和交通3000円(平日事前予約済み)
 
電車:塩山駅[16:19発]-高尾駅[17:42着/17:52発]-
    浅草橋駅[18:49着/18:55発]-京成高砂駅[19:12着]
    JR線1980円+都営地下鉄178円+京成線189円
 

 
お盆休みとあって、さぞかし電車は混んでいると思っていたら、そうでもなく拍子抜けした。
やはりローカル線・各駅停車で帰省はしないのか。
 
高砂駅を始発に乗り、八王子駅からは中央本線松本行きに乗り換える。
久しぶりのボックス席、山に行く気分を盛り上げてくれる。
 
中央本線は、実家で暮らしていた当時、高校、専門学校と通った路線、懐かしい風景だ。
甲府駅では、ちょっとしたトラブルがあった。
乗客が意識を失い非常ベルを鳴らされた。そのため出発が遅れるとアナウンスがある。
韮崎駅でバスの接続時間が心配されたが、数分遅れで済んで一安心する。
 
韮崎駅は、鳳凰三山の帰りに乗降した記憶がある。
だからホームの位置やバスのロータリーなどの記憶が残っていた。
それが功を奏し、ホームを掛け下り、バス停に走ると、バス停に2番目に着くことができた。
それからぞろぞろと人が集まり、バスに乗車してみると座れない人もいた。
やはり山は、早出早立ちに限る。
バスに乗ると、左側一番前の座席に座ることができ、終始景色も楽しめた。
 
バスは増冨ラジウム温泉を経由して、みずがき山荘まで1時間20分、料金は2100円。
IC系カードは使えないので注意が必要だ。
発車するとすぐに「三村橋」を通過する。
北杜市が合併する前の明野村と、須玉町と韮崎市の界になっている。
バスの運転手さんが、バスガイドのようにこの橋の由来と、この橋から望める富士山と甲斐駒ケ岳は絶景だとアナウンスしていた。
あいにく今日は、霞みで見られなかった。
 
途中、明野にあるハイジの村を通る。
そこには、ホテルや結婚式場、日帰り温泉があり、ちょうどその時は、ひまわり祭りが開催されていた。
バスの中からでもひまわりが見られた。
ちなみに、8月12日はハイジの日だそうだ。

 
バスは、どんどん標高を上げ、金山平までくると正面に金峰山が見え、気分が盛り上がる。
そして、予定どおり10時10分、みずがき山荘バス停に到着した。
 

 
 
天気は晴れ、風は微風、気温は25度、少し暑い。
めずらしく準備運動をして、瑞牆山荘を10時20分に出発する。
ブナ、ミズナラ、モミなど、夏色の葉に日差しを抑えられた道を歩き始める。

 

 

 
途中、林道を横切り、30分ほどすると尾根に乗る。
そこは瑞牆山を見上げる最高のビューポイントだ。
この独特な岩山を見て驚かない人はいないだろう。
緑の山に、角(つの)の岩が生えているようだ。とても日本の山とは思えない。

 
ここまでくれば富士見平小屋は近い。
マルバダケブキの黄色い花が見えたらもう小屋だ。
手前には、色とりどりのテントが張られている。
水場は小屋の手前にあり、水量は豊富だ。
小屋の周りにはベンチがあり、人も多い。



 

 
小屋には立ち寄らず、左に瑞牆山への道を進む。

 
少し登ると水平道になり、小屋の賑わいから開放される。
そして針葉樹の匂いに包まれる。苔むした岩がいかにも奥秩父らしい。

 

 
コブを2つ超えると沢に出る。1802mのポイントだ。
沢を超えると砂地の広場になり、そこにはベンチもある。
山側を見上げると、小さなビルぐらいもある大きな桃太郎岩が見られる。
真ん中でパックリと割れている。それは誰かが刀で切ったようにも見える。
岩の下には、1mぐらいの木の棒が、つっかえ棒のように何本も何本も立て掛けてあるのが面白い。
ここから急な登りが始まる。

 

 

 
最初は、ナメ滝だ。左手にクサリが掛けてある。
大雨で流木が集められ、ここに堆積している。そして階段を登る。

 

 
その後は、岩と間をすり抜けるような道が続く。
人気の山だとあって、人が多い。
クサリ場をもう1ヶ所通過する。
高度がどんどんあがり、傾斜がきつくなる。
途中、空が開けて、ヤスリのような岩が見える。

 

 

 

 

 

 

 
さらに大岩の間を登っていくと、岩壁の下に着く。
見上げたその先が山頂のようだ。もうひと頑張り。

 

 

 

 

 

 
一旦、コルに出て、山頂の裏側に回り込む。
そこからロープ場とハシゴをひと登りすると、目に前が明るくなる。

 

 

 

 
12時35分、瑞牆山 2230.4mの山頂に到着した。
15名ぐらいいただろうか、皆、岩の縁まで行って断崖の下を覗いている。

 

 
左手(東)から、小川山、奥に甲武信ヶ岳から国師ヶ岳、朝日岳、金峰山。
全体的に雲が多く、南南東の富士山、南アルプスは見られなかった。
南南西に茅ヶ岳。そして西に八ケ岳の連山は部分的だがなんとか見ることができる。

 

 

 

 

 

 

 
断崖の覗き込む。大ヤスリは、イタリアのドロミティの山のようだ。

 
瑞牆山の山頂には、高校1年の時と、二十歳を過ぎて父親と弟の三人で来た覚えがある。
その時、父親が、すごき喜んでいたのを思い出す。

 
山頂を辞して沢まで下る。今回、ひとつ楽しみにしていたことがある。
この沢で水晶を見つけることだ。
高校総体で、この山域に来たとき、他校の顧問の先生から教えてもらい、いつかはやってみたかったことだ。
30年以上経って実現できた。5mm程の水晶を見つけられ、大切な宝物になった。
しゃがんで砂を触っていたら、親子連れが声を掛けてきた。説明すると一緒になって探しまじめた。
子供たちにも、いい思い出になっただろうか。

 
水晶探しにたっぷり30分も掛け、座ったままの姿勢でいたせいか足がつってしまった。
そこから先は、足の痛みをこらえながら歩くことになった。
ストックを出すも、痛みには変わりがなかった。
 
富士見平小屋にたどり着く。ベンチには、多くの登山者がくつろいでいた。
小屋のカレーやハンバーグを食べている人、なかには缶ビールで祝杯を上げている人もいる。
 
そんな下界と同じような場所は好きではないので、水場で2.5リットルの水を汲んだら早々に小屋を出発する。

 
真っすぐ続く針葉樹の森の道。
石屑が敷き詰められた緩やかな道だが、足が上がらない。我慢の登りが続く。

 
30分ほどで、飯盛山のトラバース道に変わり楽になる。
ここはシラビソやコメツガが生い茂り、岩は苔むして、奥秩父らしい場所だ。
こういう山は、言葉に言い表しにくいが、心が休まる気持ちにさせてくれる。

 
さらに20分ほど進むと鷹見岩への分岐を示す看板とベンチがある広場にでる。

 
そこから少しずつ下り、針葉樹から白樺に植生が変わったところで、右下に小屋の青い屋根が見える。
16時少し前、大日小屋に到着した。

 

 
建物は、45年前のままだが、周囲の樹木が育ち枝葉が多くなった。
入口の扉は、雨で溜まった土砂に埋まり閉めることができない。
熊が来たら防ぎようがないのが心配だ。
中は真っ暗。窓があるが、周囲の樹々で光が中まで届かない。
そして、誰もいない・・・。いつものことだ。
 
ライトを点け中に入る。
広さは18畳と12畳の2部屋。ホコリっぽい以外、とくに問題はない。いや、快適なほうだ。
裏口には扉がなく、その先のトイレが丸見えだ。トイレの入口にも扉がなかった。

 
水場は、小屋の手前、左手の小沢で、今日はちょろちょろ流れていた。
ただし、今日は2.5リットルを担いできたので、ここの水は使わなかった。

 
夕食は、小屋の外でとった。
麺にサラスパを使いカット野菜を入れた「野菜たっぷり豚骨サラスパ」だ。
いつもはアルファ米の食事だが、たまにはこういうのも楽しい。

 
スポルティバを抜いてシートに足を投げ出す。つった足をマッサージする。
ゆったりとした時間。風の音しかしない静かな小屋の前。一人の山を堪能する。
 
瑞牆山から見た景色を思い起こして、明日のルートを地図で確認する。
明日は、日の出を金峰山、いや、尾根に出てから拝みたい。
ならば予定を1時間早め、4時に出発することにする。
 
そんな充実した気分を吹き飛ばす事実を発見する。
スポルティバの登山靴、右のかかとがパックリ割れて、ビブラムのソールが半分剥がれていた。
半年前から、かかとのクッション材にひびが入っているのは気付いていた。
しかし、今回はもつだろうと、この靴を履いてきた。なのに・・・。
 
歩きながら全体が剥がれては事故につながる。
そこで、なんとか固定できないかと頭をひねる。
ガムテープで応急処置した例をヤマレコで見た覚えがあるが、ガムテは持ち合わせていない。
そこで、細引きで固定することにする。
ビブラムの溝に細引きを挟めば、切れずに帰りまでもつかもしれない。
(帰宅してから撮影)

 
19時就寝。
軽量化のため、シュラフではなく、シュラフカバーとしたが、夜中、寒くて目が覚めた。
雨具の上下を着てしのぐ。
 
 
 
 
二日目、3時10分に起床。
暗い小屋で、まずはお湯を沸かす。
朝食は賞味期限間近のチキンライス、温めて食べる。
まあまあ美味しい。

 
4時10分、大日小屋を出発する。
樹林帯を進むと徐々に傾斜がきつくなる。
30分ほどで視界が開け、クサリが掛かった白い岩場に着く。
「大日岩」と彫られた看板が目に入る。見覚えがある看板だ。
もしかして45年前と当時と同じだろうか。

 

 

 

 
少し岩場を進むと、大日岩の南の広場に着く。
ザックをデポして、岩の割れ目から登る。

 

 
岩に登り、金峰山の先を眺める。朝日岳の向こう側に浮かぶ雲がオレンジ色に輝いている。
すでに朝日は昇っているが、雲に隠れて太陽は見られない。

 

 
大日岩の上には、大きなたまご型の岩がある。
まるで転がる一歩手間で留まっているようだ。

 
そこで、しばらく山座同定を楽しむ。
甲府盆地は雲海に埋まり、はるか先に富士山が頭だけ出している。
瑞牆山は、昨日とは違った東側の顔を見せてくれる。

 

 

 

 
朝の冷たい風にあたりながら、この絶景を一人楽しんでいると、東が急に眩しくなった。
オレンジ色に輝く太陽が、雲から顔を出した。

 
眩しくて振り向いた瞬間、西の霧に丸い虹が目に入る。
ブロッケン現象だ。
自分の影が丸い虹が囲まれ、左手を上げれば左手を、右手を上げれば右手が動く。
ブロッケン現象は初めてではないが、何度見ても感動する。
槍ヶ岳で播隆上人が見たのと同じブロッケン現象。何度もシャッター切る。

 

 
広場に戻り、再び樹林帯を歩く。平坦な道から徐々に登りになる。
少し下り気味になったことで、2317メートルのポイントを通過したことに気付く。
さらに100メートルの登り。少しきつい。

 

 

 
大日岩を出発して約1時間、砂払ノ頭に出る。
岩場の絶景地で、雲海の先に見える山脈が見事だ。
今日1日のうち、この時に見た山脈が一番良かった。
朝日が当たり、その陰影が山襞をくっきりさせるからだろうか。

 
自分を追い越していった二人から、山の名前を聞かれたので、南アルプスの鋸岳から塩見岳、八ケ岳の権現から赤岳、横岳、そして北八を説明してあげた。
甲府の街は雲で覆われ、その雲の絨毯からきれいな裾野を見せてくれる富士山。
シンメトリーの形がきれいだ。

 

 

 
道に戻り、この先からは、岩場が続く。

 
千代の吹上は、爽快だ。特に今日は風が強く、空気も澄んで、透明感に溢れている。

 

 

 

 

 

 
岩とハイマツとダケカンバ、ナナカマドの道は久しく歩いていなかったので気分が良い。
岩場を登るにつれ、五丈岩が近付く。

 
途中で金峰山小屋への分岐を通過する。

 

 

 

 

 
7時5分、金峰山、五丈岩の下に着いた。
登山者が多い。みんな小屋泊まりなのだろうか。

 

 
山頂に移動して、記録写真を撮ってもらう。風が強い。
山頂の岩の上は、360度ビュー。富士山から南アルプス、八ケ岳。
そして遺跡だと言っても信じてしまいそうな五丈岩が異彩を放つ。
 
昔、この山頂でアルミ製 グランドテトラの水筒を拾ったことがある。
今でもその水筒は自宅にある。
当時はポリタンクが一般的だったから、この水筒は貴重だった。
時代を感じさせる逸品も今は棚に眠っている。

 

 
主峰、金峰山を辞し、大弛峠を目指す。
しばらくは岩とハイマツの広い尾根を進む。

 
赤茶けた広場まで来ると、そこにもたくさんの登山者がいた。
ここから、瑞牆山と小川山が良く見える。その間には天狗山。
右手には、国師ヶ岳から雲取まで続く主稜線が続いている。
 
ここから先は哀愁漂う奥秩父らしい針葉樹の森の道になる。

 

 

 

 

 

 
金峰山から30分、鉄山の東の登り口を通過する。
ルートは鉄山の山頂を通らない。

 

 

 

 
下ってコルを通過。徐々に登りなる。徐々に足がパンパンになる。途中ベンチがあったので休む。
この付近から、また眺望が良くなった。

 
8時半過ぎ、朝日岳 2579メートルの山頂に到着する。
目の前には、針葉樹の深い緑色から遥か彼方な山の藍色。そして青い空と白い雲。
正面には美しい淡い藍色の富士山。大自然の配色は最高の芸術だ。

 

 

 
朝日岳の山頂から15分ほど下った岩場に、登山者が休憩していた。
ここからの眺望も良い。休むなら2つ目の岩場の方がなお良い。
 
東の国師ヶ岳から雲取に続く長い尾根が近くなってきた。

 

 
さらに20分程で、朝日峠を通過する。展望はない。
ここからコブを2つ超える。
そして30分程で、大弛峠に着く。

 

 

 

 
峠にでると道は舗装され、車が隙間なく駐車してある。
時刻は9時35分。予定より45分早かった。
 
しかし、暑い。
小屋で休もうと舗装道を歩くと、小屋の立て看板があった。
メニューが書かれていたが、その下に「山の日特別企画!」のポップが目に入った。
「祝山の日カレー」と題うって100食限定で、たった10円で提供するらしい。
時計をみれば、現在9時35分。小屋まで小走りすると、すでに10人ほどの行列ができていた。
最後尾に並ぶこと10分。小皿に盛られた10円カレーをゲット。
ご飯はおにぎりぐらいで、全体的にはお子様サイズだ。
しかし、味は本格的、大人向き。ここのカレーは最高だ。

 

 

 
10時10分、登山再開。国師ヶ岳に向け、大弛小屋を出発する。
歩き始めてすぐに道は木の階段になる。
そして10分程で「夢の庭園」への分岐を通過する。その先も木の階段は続く。
途中で振り返ると、樹々の間から、今朝歩いてきた金峰までの稜線が見渡せる。

 

 

 
高度は徐々に増す。
風は涼しいが、照りつける日差しが暑い。
 
小屋から40分、丸く削られた岩が積み重なった前国師岳に着く。眺望はすごく良い。
少し下ると分岐になり、ここを左(東)に進む。

 

 

 

 
10分程して国師ヶ岳 2592メートルの山頂に到着する。
ここから見る大菩薩嶺方面は、間近に感じられる。
そして富士山は、積乱雲に隠されそうになっていた。おそらく見納めだろう。

 

 

 

 

 
分岐に戻り、今度は北奥千丈岳を目指す。
この山で、今回の山行も最後だと思うと、力がよみがえる。
ここも10分程で山頂が見えてきた。

 
11時17分 北奥千丈岳 2801メートルの山頂に到着する。
南側には奥千丈岳の山頂があって、富士山は見られない。
南アルプスは、沸いてきた雲に姿を隠した。
八ケ岳だけが、まだそのギザギザを見せてくれた。
そして手前には、今朝歩きて来た稜線と、その稜線の先に五丈岩が小さく見える。

 

 

 

 
予約したバスは15時ちょうど。あと3時間半もある。
たまには、大休止もいいもんだと、コーヒーを沸かし、予備食のパンをかじる。
暑い日差しを避け、岩陰に陣を作る。
なにをするでもなく、ただ時間が過ぎるのを楽しむ。贅沢な時間だ。
コーヒーの次は、緑茶にする。
 
岩の上に登って、山座同定と人間ウオッチング。
登山者が登ってきては看板の前で写真を撮って、また下っていく。
なかには、お昼を広げる人もいる。
パーティーで来た人たちはにぎやかだ。
 
お母さんと女の子の二人は、お昼を食べるとスケッチを始めた。
そういう趣味もいいなぁと眺める。
しばらくすると、「富士山は見えますか?」とお母さんから声を掛けられた。
「いや、ここからは見られないよ。国師ヶ岳からなら見えたけど」と答える。
それをきっかけに山談議に花が咲く。
なんでもお子さんは、山登りのキッズクラブに入会して、あちこちの山に登っているらしい。
子供の習い事に、とうとう山登りができるなんて。驚きと共に、その子が羨ましく思えた。
登山の基本・基礎を子供の時に身に付けることができるなんて。
登山は一生もの。良いことだとエールを贈った。
 
13時20分、下山を開始する。帰りは、夢の庭園を経由して下る。
岩場に作られた木の階段は、それだけで楽しい。鳥の声が近くで聞けるような気がする。
途中のベンチで昼寝をしている人がいた。

 

 
大弛小屋には、35分で戻った。
小屋の前にザックを下ろし、バス停を探す。
聞くとバス停はなく、ワゴンタクシーに集まれば良いそうだ。
支払は、乗り込むときにする。塩山駅北口まで3000円也。

 
途中、牧丘の日帰り温泉「花かげの湯」に立ち寄る人が数名、下車した。
 
塩山駅北口には、予定より15分ほど早く着いたので、電車も1本早いのに乗れた。
帰りもローカル線の旅、山の余韻にひたりながら、いつしか眠ってしまった。
 
【編集後記】
 
久しぶりの奥秩父縦走。
コメツガやモミの森、苔むした岩場、
風化した花崗岩の白い岩、
奥秩父は、やっぱり最高だ。
 
 ( ^^) _旦~~  
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