山行記録 2023年 No.1 | |
2月7日火) 日帰り山行 | |
田代山・冬 バリエーションコース |
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アクセス・コースタイム |
![]() 山頂は雪のない季節にすでに登っているので、歩いていない尾根を選んで、馬蹄型に縦走することにした。 登りに使った尾根は、田代山南尾根。その後、主尾根を南下し、鉄塔から取付きの平沢橋に戻る東電巡視路がある尾根を下ることにした。 積雪は充分あると思っていたが以外に少なく、登るに使った田代山南尾根は山頂手前までツボ足で歩き、その後、アイゼンを付け山頂を通過し、主尾根を歩いた。 そして主尾根の鉄塔から、いよいよスノーシューの出番、積雪50センチぐらいの巡視路を猛スピードで下ることができた。 今回は天候に恵まれた。平沢橋に着いた頃から晴れて、山頂まで気持ちの良い青空が続いた。 今回のルートは低山で眺望は良くないが、葉を落とした樹々の間から、時々周囲の主峰を眺められた。 山頂の手前では、北東側に男鹿岳が白倉山の北尾根越しに、その先で七ヶ岳の尾根。さらに、荒海山の三角錐の山頂が見られた。 どの山も、雪の季節に登ってみたい山だ。 |
日の出前、始発電車に乗って地元の駅を出発する。 出発点の中三依温泉駅には、電車を4回乗換え、3時間半も掛かる。 いつものことなので、もう苦痛はない。 むしろ、途中、日光の山々が朝日に雪を輝かせて見せてくれことなどを楽しむ。 ![]() 湯西川温泉駅を通過すると五十里湖に掛かる鉄塔を渡る。 今日は湖面が凍結して、白くまだら模様になっていた。 ![]() 8時37分、時刻表どおり中三依温泉駅に到着する。 無人駅なので入口の集券箱にきっぷを入れ、すぐに歩き始める。 ![]() 西側には、青空の下、芝草山のきれいな三角錐が見える。 ![]() 国道を歩く。車は少ない。 途中、水準点があり、プロトレックの標高を補正する。 除雪車両の格納庫を通過したとき、左上の崖上で物音がした。 見上げるとカモシカが逃げるように斜面を登っていくのが見えた。 毛が黒いので一瞬、熊かと思った。 ![]() 30分ほどして取付きのある沢に着いた。 国土地理院の地図には沢の名称は書かれていないが、日光市が設置した土砂災害警戒区域の看板には、「平沢」と書かれていた。 ![]() 沢に沿って林道が続いていて、入口はゲートで一般車両は入れない。 ここでスパッツを着け、ストックを125センチにセットする。 ポットに入れたコーヒーを一口飲んで9時30分に出発する。 ![]() ![]() 地図に記載のない林道を進む。積雪は10センチぐらい、長靴の踏跡があった。 100メートルほど進んだところに黄色い東電巡視路の杭が立っている。 今回、登り使う尾根の取付きだ。 平沢の奥には、雲ひとつない青空が広がている。 ![]() 九十九折の路を歩き始めてすぐ、ゲートにポットを忘れてきたことに気付く。 林道を戻り、約15分のロスタイム。 九十九折の路に戻って、また歩き始める。 南向きの尾根は風がなく、気温もさほど低くない。汗ばんできたのでアウターを脱ぐ。 それでも暑いので、フリースも脱いでニットの下着だけで歩く。 ![]() ![]() 10時12分、最初の鉄塔に着く。巡視路はここまで。この先はバリエーションルートになる。 サムコンパスを左手に付ける。 ![]() ![]() 積雪は10から20センチ、時々雪のない所もある。 このぶんならアイゼンもワカンも必要ない。 鹿の踏跡を追って進む。 ![]() 最初の小ピーク(標高860メートル)には10時35分に着く。 ![]() 次の小ピーク(標高920メートル)には約20分で着く。 ![]() この先は、ヤセ尾根で、そこを過ぎると今度は5メートルほどの崖だった。 鹿もここしか路がないとみえて、集中して歩いているのが踏跡から分る。 人間も注意して下る。 アイゼンを着けるか迷ったが、この先もまだ雪は薄そうなので、着けずに進む。 ![]() ![]() ![]() 急な崖だったので眺望は良かった。 左から、主尾根、中央は田代山の山頂、右手は次の小ピークだ。 ![]() 3つ目の小ピーク(ポイント946)には30分で着く。 正面の田代山が近付いてきたが、一旦、最低鞍部まで下らなければならない。 鞍部から山頂までの標高差は250メートル、なんてことない。 ![]() 小ピーク(ポイント946)から左(西)を見ると、主尾根から下る尾根の目印の鉄塔が見える。 ![]() そして右(東)には、白倉山から三依山がはっきりと見える。 ![]() ポイント946からの下りは、雪がふかふかでツボ足で滑るように歩け気持ちが良い。 ![]() ![]() 最低鞍部からはアイゼンを装着する。 サレワ製のチタンでできた古いワンタッチアイゼン。 これを使うために、スポルティバのビブラムをオリジナルではなく、先端に溝付きのものに変更した。 今回、その装着具合を試すのも目的のひとつだ。 結果、外れることは一度もなかった。 ![]() ![]() ![]() 40分ほど登ると傾斜が緩んでくる。 次がピークかと思っていたら、手前の肩だった。 ![]() この辺りで、七ヶ岳の白い尾根が見えた。 樹々の枝越しで写真では撮れなかったが、南面の急斜面には雪が積もらないので黒いバンドのように見える。 そして左(北西)には、真白い三角錐の山頂の荒海山がキラキラ輝いている。 右(北東)には、白倉山の北尾上の向こうに、白い男鹿岳のピークも見られる。 ![]() ![]() 間もなく山頂に着く。 ![]() 12時42分、田代山1099.9メートルの山頂に到着した。 ポイント946から1時間20分、取付きからは3時間掛かった。 天気は薄曇りになってきた。ピークはやはり風が強いので、アウターを着る。 ![]() ![]() 栃木の山紀行の山名板の前で記録写真を撮り、昼飯にする。 樹が多く展望は良くないが、上三依塩原温泉口駅近く、国道沿いの建物の青い屋根が見える。 標高差500メートルが、なぜか間近に感じられる。 ちょうど通過した電車の音も聞こえた。 男鹿岳は、午後になって日が当たり、きれいに輝いている。 荒海山は真っ白な山頂を、白倉山はなだらかな尾根。雪と葉が落ちた樹のコントラストがきれいだ。 13時ちょうど、山頂を辞して、山頂の北に向かう。 主尾根は、そこから西に曲がり、いっきに100メートルを下る。 かなり急斜面を雪の深い所を選んで滑るように下ると、あっという間に最低鞍部に着く。 ![]() ![]() ![]() ![]() ここからアップダウンが始まる。そして少し疲れが見え始める。 この辺は東側が切れていいて、そのせいか尾根が狭い。 そして樹の枝が多く、ザックの後ろにくくり付けたスノーシューが引っ掛かり歩き難い。 それが体力消耗に影響している。 最低鞍部から一つ目の小ピークを登っている時、これから進む主尾根の鉄塔が見えた。 まだ遠い。 帰りの電車の時間(中三依温泉駅16時15分発)を考えると、ここで引き返したほうが良いか考えた。 地図を眺め、今から田代山に登り返し、上三依塩原温泉口駅に下れば、国道を歩く時間を短縮できなど計算してみる。 しかし、思案している時間が休憩になって気持ちも体力も回復した。 次の電車(2時間後の18時20分発)でも良いと思えるようになり、前進を決める。 ![]() この先、鉄塔までアップダウンが続く。 雪庇の上は歩きやすいが、踏み抜きが心配で西面の樹木側を歩く。 ![]() ![]() ![]() 小ピークは、鹿も尾根を外れ、巻いているところもある。 疲れている時はそのトレースも使わせてもらい、体力を温存する。 最低鞍部から約1時間、14時17分にポイント1068に着く。 想定以上に時間が掛かっている。 アップダウンが多いからだ。 ![]() ![]() ![]() ![]() 尾根の上には、鹿のトレースが続く。 時々、小動物の足跡も見られ、それが熊ではないかと凝視する。 ![]() ![]() 途中で見つけたハート形の穴。 ![]() ![]() ![]() ![]() ポイント1068から30分で下山の分岐点、鉄塔に着く。 樹が多く眺望は良くない。 ![]() ![]() ![]() ![]() 時刻は14時46分、もしかしたら16時の電車に間に合うかもしれないと思い地図を再確認する。 この先、路は東電巡視路になる。積雪が充分ならスノーシューが使え、下山スピードが上がる。 巡視路の入口が分かりにくかったが、鉄塔の斜面側に路を見つける。積雪も充分だ。 これならと、今までザックの重しでしかなかったスノーシューを取出す。 今シーズン、初のスノーシューハイクだ。 ![]() 巡視路は、主尾根を外れ、東の斜面をトラバース気味に下る。 夏なら路幅も広く歩きやすい巡視路も、雪で埋まってスノーシューを水平にできない。 それでもツボ足で歩くより断然早い。 ![]() 小ピークの東辺りで東の枝尾根に乗る。 やはりスノーシューは気持ちが良い。 ![]() ![]() しばらくして標高986メートル付近で雪が薄くなったので、スノーシューはここまでとする。 尾根に沿って下ると、今日、3本目の鉄塔に着く。 ここは、眺望が良い。 白倉山から三依山の尾根が真正面に見える。 昨年、秋に登った尾頭峠近くのバリ尾根も見える。 ![]() ![]() ![]() また尾根に沿って下る。 国道に出る前に小ピークを超えるが、檜に囲まれた暗い尾根だ。 この登りでブレーキがかかる。 16時の電車に間に合うかと一時は思ったが、ここであきらめる。 ![]() 小ピークを超えると、急な下りだった。 そのまま尾根の末端まで行こうとしたが、沢に向かっていたので、適当なところで右手の斜面を下り国道に出た。 ![]() 16時16分、平沢橋に戻ってきた。 残念ながら電車には間に合わず。 ![]() 自宅に下山のラインを送ったら、ストックを仕舞い国道を歩く。 その時ひらめいたのがヒッチハイクだ。 通過する車は少ないが、手を挙げアピールする。 ![]() 4、5台スルーされたが、1台、止まってくれた車があった。 つかさず電車に乗り損ねたことや、次の電車が2時間後だと伝えると、快く乗せていただけた。 マスクをして乗り込み、自己紹介から始める。 ヒッチハイクさせてもらった男性は、伴さんと言い、宇都宮在住、今日は打合せで、南会津に行った帰りとのこと。 液体ガラスで仕上げた木工品を企画販売していて、桐で作った食器に液体ガラスでコーティングしたものは、他にはないと説明してくれた。 見た目に光沢が付かないので一見100均の物と同じに見えるが、でも長い間使ていくと水の吸わず、カビも生えず、きれいなまま桐に風合いを保つてんなど、いろいろはお話を伺った。 これが広く市場に広がることを願ってやまない。 東武線の終着(始発)駅の新藤原駅でお別れする。 車を見送っているとホームから出発を知らせるアナウンスが聞こえた。 慌てて階段を駆け上り、2両編成の電車に飛び乗る。 時計を見ると17時ちょうど。 この電車は中三依温泉駅を16時15分に乗ると、ここ新藤原駅で乗り換えられる電車だった。 |
【編集後記】 主尾根はアップダウンが多く、想定外に時間が掛かり、予定の16時15分発の電車に間に合いそうになくなり、一時縦走をあきらめ、引き返すことを考えた。 しかし、考えている間に次の電車(2時間後の18時20分発)でもいいかと開き直ったら元気が沸いてきて、計画どおりに進むことにした。 主尾根の鉄塔からの下りは積雪も充分で、スノーシューで下るとスピードがあがり、ギリギリ間に合うかと思ったが、結果間に合わなかった。 が、しかし。国道を歩いている途中でヒッチハイクをして、新藤原駅まで乗せてもらい、予定の電車に追いつくことができた。 ヒッチハイクさせていただいた伴さん、ありがとうございました。 車の中でお聞きした液体ガラスを使た木工製品の事業、成功することを祈念しております。 ( ^^) _旦~~ |
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