山行記録 2023年  No.4
4月18日(火) ~19日(水) ツエルト山行

南平山・月山・夫婦山・大笹山 一部バリエーションコース

アクセス・コースタイム
 
4/18(火) 曇り後雨
電車:京成高砂駅[4:55発]-新藤原駅[8:17発]-川治温泉駅[8:25着]
    定期券+株主優待券700円+野岩鉄道300円
 
徒歩:川治温泉駅[8:35出]-南平山登山口[8:48着/8:58出]-
   -コル・鉄塔[9:25着]-東屋[10:25着/10:30出]-
   -南平山[10:50着/11:05出]-
   -ポイント981[11:25着]-ポイント952[12:02着]-
   -峠[12:22着]-ポイント1036[13:36着]-
   -鉄塔[13:44着]-外輪山のコル[14:12着]-
   -ダム湖作業道[14:18着]-栗山ダムの下[14:45着]
    ツエルト泊
 
4/19(水) 晴れ
徒歩:栗山ダムの下[5:10出]-月山の西登山口[5:25着]-
   -月山[6:07着/6:15出]-外輪山のコル[6:32着]
   (外輪山を進むが、すぐやめてダム湖作業道に出る)
   -ダム湖作業道[6:44着]-東電巡視路入口[6:52着]-
   -外輪山の尾根に乗る[7:03着]-
   -1130メートル小ピーク[7:12着]-
   -ポイント1204[7:25着]-夫婦山[8:15着/8:30出]-
   -林道・ゲート[9:10着]-大笹山登山口[9:17着]-
   -1130メートル小ピーク[9:39着]-
   -1140メートル小ピーク[9:45着]-
   -1290メートル小ピーク[10:30着]-
   -大笹山[10:43着/11:00出]-
   -1250メートル小ピーク[11:10着]-
   -傾斜がゆるむ[11:53着]-
   -標高950メートル尾根の先端[12:06着]-
   -水道管マークの上[12:24着]-県道[12:33着]-
   -栗山ふる里物産センター[12:44着]-
   -観光ドライブインバス停[13:15着]
 
バス:観光ドライブインバス停[13:27発]-鬼怒川公園駅[14:17着]
    日光市営バス870円
 
電車:東武鬼怒川公園駅[14:32発]-押上駅-京成高砂駅[18:23着]
    株主優待券700円+定期券
 

 
スキー場の雪も早くに無くなり、通常より早めにクローズになった2023年。
今年はアカヤシオの開花も早いと、ヤマレコの日光方面の記録に載るようになった。
そこで、以前から温めていたコースをアカヤシオを見に歩くことにした。
 
ついこの前まで雪景色だった三依の山も、いまでは新芽の淡い色にとってかわっている。
民家の回りには満開の桜の樹。
気持ちまで、ウキウキする。
 

 
始める登る南平山には、川治温泉駅で降りる。
東武線の終点 新藤原駅から300円だ。
駅から鬼怒川に掛かる小網ダムが見える。今日はこのダムを渡り、右岸の龍王峡遊歩道を歩く。

 
川治温泉駅は降りる人も少なく地味な感じだが、駅舎はコンクリートの打ち放しと木組みの屋根、窓の格子がポストモダンな感じがしてカッコいい。


 

 
8時35分、駅を出て国道を渡るとすぐに「龍王峡遊歩道」の看板があるので、それに沿って小網ダムに下る。

 
歴史を感じるダム。調べると65年前に完成したようだ。

 

 

 
ダムを渡ると、また看板があるので、それに従って鬼怒川沿いに杉林の中の道を進む。
するとほどなく雑木の遊歩道に変わる。
10分ほど経ったところで「南平山登山道案内」の看板がある。
そこのベンチで一本とり、おにぎりを食べながらストックを出す。

 
新緑がきれいな斜面を右に登る。
すると町が設置した、山頂まで残り何キロの看板があった。
 
落葉を踏みながら進むと途中で道を間違え獣路に入ってしまった。
道に横たえた木が、とおせんぼしているように見えたからだ。
10分ほどロスして、正規な道を進む。

 
登山口から30分ほど登るとコルが見えてきた。

 
9時35分、コルに着く。
正面(北側)は、以前登った川治温泉の駅の北、ポイント848のピークがピンクに染まっている。
下には、道路と発電所も見える。
 
コルのすぐ先には、鉄塔がある。鉄塔の先には明るい道が続いている。

 

 
登りが始まると左手(南)に高原山が見えた。(このころは青空だった。)

 
足元には、スミレが咲いている。

 
標高が上がるにつれ新緑が減り、そして空も青空が無くなってきた。
 
標高800メートル付近の道は露岩が多い。
 
10時20分、残り1キロの標識付近は栗のイガが多かった。
苔むした道が続く。
その先に、東屋が見えてきた。ここで一本取る。
広くて良い場所だ。

 

 
東屋から20分ほど登ると山頂が見えてくる。

 
10時50分、南平山 1007.5メートルの山頂に到着。
天気は曇り、いや、今にも雨が降りそうだ。
眺望は良くない。
黄金埋蔵伝説について書かれた案内板がある。

 

 

 
期待していた花は無く、風が強くなってきた。
おにぎりをひとつ食べ、南西尾根に向かう。
天気のせいかもしれないが、寂しい尾根だ。

 

 

 
アップダウンの路が続く。
12時2分、ポイント952を通過する。
このころから雨がポツポツ降り出した。

 
ポイント952を通過すると、少しだけトウゴクミツバツツジが咲いていた。
アカヤシオは、まったく見られない。
下の方にミネザクラの白い花が見えた。

 

 

 
南平山を出発して1時間20分ほどしたところで石の祠があった。
その先は、峠になっていて、左右に道が続いていた。

 

 
さらに峠の先には、「馬力神」と彫られた馬頭観音があった。
倒れていた石碑を、誰かが起こして、台座に乗せたようだ。

 
雨は少しづつ強くなる。

 
13時44分、鉄塔に到着する。ここまでくれば、ダムは近い。
ここで一本取る。

 
鉄塔の先は、ダムの外輪山まで登りが続く。
東電巡視路の黄色い杭と、巡視路に多い黒い樹脂製の階段が始まる。

 
鉄塔から約30分、ダムの外輪山の尾根に出る。
(写真は、左が鉄塔からの登り、正面が月山方向、右がダム湖)
予定では、外輪山の尾根づたいに月山方向に進み、途中でビバークする予定だった。
しかし、この雨。どうするか悩んで・・・

 
ダムの下に東屋とトイレがあるのをヤマレコで見たことを思い出した。
外輪山を下り、ダム湖に沿った舗装道で、ダムの下に向かうことにした。
(写真は、ダム湖への下り)

 
14時18分、ダムに沿った舗装道にでる。

 
周囲は、ガスで何も見えず。

 
発電所の建物を見つけた。しかし、ツエルトを張る場所は無い。
そもそも中に入れない。残念。

 
ダムまで来る。
ここには、ダムに関する説明が掛かれた案内板がある。

 
正式名称は、栗山ダム。
揚水用のダムで、電気の使用量が少ない時間帯に今市ダムの水をこの栗山ダムに上げる(揚水)するらしい。

 

 
ダムから舗装道を下ると公園が見えてくる。
はたして東屋とトイレはあるのか・・・

 
あった!!(14時45分到着)
さっそく、ザックを降ろしツエルト張る。

 

 
鉄塔を通過するころから雨は本降り。
雨具はゴアだが、すでにうん十年も前のもの。
通気性はもとより、防水性能もへこたれていて、シャツはびっしょりだった。
縫い目のシームテープは、ほぼ剥がれているのも要因だ。
シームテープは、下山後、ネットで購入し、アイロンで張り直してみた。
まだ、雨の山を歩いていないので、効果は確認できていない。
 
雨は、夜中にはあがる。明日は期待できそうだ。
 
 
 
 
翌4月19日 水曜日 3時30分起床
昨日の雨が嘘のように快晴の空。
風は強いが、気持ちがいい。
鳥の声、ソメイヨシノは五分咲きだ。
ダムは、意外と小さかった。

 
東屋を5時10分に出発
正面には、日光の女峰山がドーンと目の前に広がっている。
裏女峰、谷筋には雪が残っている。
手前は、大笹牧場だ。

 
公園の向こうには、昨日は見られなかった夫婦山が見える。
手前の建物は、公園のトイレだろうか。

 
昨日歩いた舗装路を少し戻り、途中のY字路を右に曲がる。

 
10分程で登山口付近に着く。
その前の広場には、黒い箱のようなものが規則正しく並べられている。

 
バーベキュー用の釜土のようだ。

 
ちょうど日の出の時間で、女峰山がオレンジ色に染められていた。
回りの山も、一緒ににオレンジ色に染まる。

 
登山口は、尾根の末端、しっかりとした踏跡がある。
(写真はピンボケ)
5時25分、出発する。

 
急な登りから始まるが、ほどなくゆるやかになる。
そして、アカヤシオのピンクの花が見られるようになる。
満開ではないが、花は多い。

 

 

 
登山口から20分登った辺りで視界が開けた。標高は1190m付近
左から、黒い山が女峰山、その右の少し低い山が今日登る大笹山、真ん中が夫婦山、手前に栗山ダム、花の向こうがダム湖だ。
新芽の淡い緑が春の山らしい。希望の色彩だ。

 

 

 
6時、尾根の肩、山頂の主尾根との分岐に着いた。
山頂はここから南に進む。外輪山は北に進む。
ダム湖の全貌を見下ろせる。その先は、荒海山の方角だ。

 
そして、右手、東側には高原山が見える。谷間はガスの埋められ、なかなか良い景色だ。
下今市、宇都宮方面は雲海の下だ。

 
よく見ると、高原山の右手には、光彩が差している。
何層にも重なった雲が、光の柱を浮かび上がらせている。

 
尾根に沿って進むと、石の祠が見えてきた。

 
6時7分、月山 1287.3メートルの山頂に到着。

 

 

 
女峰山がきれいに見える。
左手には、男体山が頂だけ見える。
澄んだ空気のせいか、透明感がある。

 
肩に戻り、路を右に向かう。
ここからダム湖を見下ろしながら急な下りが始まる。

 
この尾根もアカヤシオが多い。
でも、時季が早かったようだ。

 

 
女峰山はきれいだ。

 
6時32分、下りきって外輪山のコルに着いた。
計画では、外輪山を歩き、馬蹄型に夫婦山まで歩く予定だったが、コルから先はシカ路もなく、難儀しそうなので、50メートルほど進んだところで計画変更する。
コルまで戻り、ダム湖に沿った舗装道を歩くことにする。

 
左(西)には女峰山、真ん中が夫婦山、その右の尾根が外輪山だ。
右(東)のコルから尾根に入ることにする。

 
6時55分、コルの取付き、そこには東電巡視路の黄色い杭があった。
それに沿ってコルまで進む。

 
途中でマイクロウェーブ反射板を見つけ、巡視路からはずれる。

 

 
7時3分、尾根にでる。
ここから外輪山を歩き、夫婦山へ向かう。
最初は、東電巡視路のため、道はしっかりしている。

 
5分ほど進んだところで東電巡視路と別れ、シカ路に入る。
笹原のようだが、踏跡はある。

 
途中で月山が見えた。
手前の黄土色に造成された箇所が、コルから降りてきたところだ。
右手には、薄っすら温泉ヶ岳から根名草山の稜線が見える。

 
7時25分、ポイント1204を通過する。普通の尾根だ。
 
左に月山を見ながら笹原の路を小ピークを3つ超える。
8時を過ぎ夫婦山が近付いてきた。

 
夫婦山、手前の登り。

 

 
8時15分、夫婦山 1341.7メートルの山頂に到着。
山頂周辺はすべて笹原。
眺望はすごく良い。

 
左に栗山ダム、その右が月山。平野は下今市から宇都宮の市街地。
そして、右手(西)の女峰山、その左に根名草山の稜線へと続く。
市街地方面には、日光の鳴虫山から三ノ宿山、薬師岳も見られる。

 
山頂で早めの昼飯にする。
そして息子にもらった煎餅を食す。

 
下山は、一旦南の笹原の斜面を下る。
路はえぐれ、わだちができている。笹が被っていて路が見え難い。
低木のツツジが増えたところで、南西の尾根に乗る。

 
正面には女峰山、そして手前がこれから向かう大笹山だ。
路はあるのだろうか・・・

 
少し下ると平坦な尾根になる。
天気は良いが、風が強い。ゴーゴーと高い空で風が唸っている。

 
女峰山の右には、根名草山から、雪を残した七ヶ岳も見られた。

 

 

 
標高1250メートル付近で尾根上に大きな岩がある。
その左手には薄い路がある。
それを進むと行き詰った。獣路だ。
引き返すと、左斜面(南側)の笹原に隠れた踏跡があった。

 

 
途中、草原の広場で踏跡が消えるが、勘で進むと、広場の左手にまた踏跡を見つけた。
さらに下ると、落葉松林になる。踏跡は明瞭だ。
 
下山を初めて40分、舗装道が見えてきた。9時10分
右手にはゲートがあり、車はここまでしか入れない。
1台、白い車が停まっている。月山に向かったのだろうか。

 
登山口

 

 
舗装道を進む。道の左手の山がこれから向かう大笹山だ。
 
7分ほど歩くと、取付き点のある広場に着く。(左手)
広場の夫婦山側には、「畜魂碑」と彫られた大きな石碑があった。
牧場が建てたものだろうか。

 

 
広場は、臨時の駐車場のようだ。
その向こうには笹原、そして灌木の山がある。
ヤマレコの記録では、大笹山に、ここから取付いている。
路はなさそうだ。9時20分、登り開始。

 
斜面取付くと、けっして路ではないが、わだちがあり、そこを選んで登るとヤブに悩まされない。
しかし、傾斜がきつく、滑って歩き難い。
そういう時は、樹に掴まって登る。

 
20分ぐらい登ると1130メートルの小ピークに着き、急登は終わる。
振り向くと夫婦山や月山、ダムが見える。

 
1130メートルの小ピークの先、ほんの少し下って、また登ると1140メートルの小ピークに着く。
正面のなだらかな尾根がルートのようだ。

 
林の中を少し進む。
途中、左手(南)に、下今市の市街が望める。
 
広い平坦な場所にでる。ここから進路を西に変え、徐々に登りになる。

 
ほどなく登りが始まる。
広い尾根なので、地図読みが重要だ。
踏跡は落葉のせいか、まったく無い。
コンパスを合わせ、進路を北西に変えて進む。
途中、ヌタ場があった。

 
登りは、こんな感じの斜面。
左手(南西)には女峰山が常に見える。
風が強く、空でゴーゴー唸っている。

 
取付きから1時間10分、10時30分に山頂手前の1290メートルの小ピークに着く。

 
一旦、40メートルほど下る。
 
標高1250付近から、大笹山への最後の登りが始まる。

 
少し傾斜がきつい。
途中、人工物を発見。平坦な場所を作ろうとコンクリート製の板と柱で組み上げられている。

 
手前の小ピークから13分、山頂が見えてきた。
 
10時43分、大笹山 1296.7メートルの山頂に到着。
360度ビューだが、樹が多く、夏場、眺望は良くないだろう。
相変わらず風の音が大きい。

 

 
11時ちょうどに下山開始。
下山路もバリエーションルートだ。

 
山頂から北に移動すると、眺望の良いところがあった。
女峰山、根名草山、そして福島県界の尾根、田代帝釈山、男鹿方面、高原山、夫婦山が見える。

 
山頂から北に進むと、1250メートルの小ピークに着く。(写真正面)
そこまでは気持ちの良い尾根だ。風が強いのを除けば。

 
小ピークを超えると、いよいよ下りが始まる。
始めは尾根が広いので、コンパスを正確に合わせる。

 
そして標高1200メートル付近、ここから150メートル、地図でも等高線が密になっている。
 
写真は、1150メートル付近の核心部。尾根を少し左にそれ下る。
安全第一に考え尾根の左斜面を下るも、トラバースが怖い。

 
そして尾根に戻る。

 

 
きわどいところをクリアし、尾根を見上げる。
ここを避け、右(写真に向かって)を下ってきたのは正解だ。

 
核心部を過ぎても、まだ急な下りが続く。
 
標高1030メートル付近で傾斜も緩くなる。
山頂から47分掛かった。

 
960メートル付近で尾根は平になる。
そこには鹿除けの有刺鉄線が張ってあった。

 
この辺で少し余裕ができ、右(東)に見える夫婦山を写真に撮る。

 
150メートルぐらいの長さの平らな尾根が終わり、また下りになる。
 
掘りの少ない尾根が並んでいる地形のため、ルートファインディングが難しい。
地図とコンパスを何度も見ながら下る。

 
途中、840メートルの小ピークを超える。
 
さらに下り、ゴールが近付いた時、地図上の発電所用の給水管マークの真上で、広く明るい道が横切っていた。
もう人家は近い。その道を右に下る。
しかし、杉林に入ると、倒木に塞がれ、荒れた道に変わる。
その近くには鳥居があった。

 

 
12時33分、舗装に出る。
場所は、バス停:日陰木工所付近だ。

 

 
バスの時間まで1時間以上もあるので、「栗山ふるさと物産センター」まで数分歩く。
が、しかし、今日は休みだった。平日だからか・・・、残念。

 
ここでヒッチハイクさせてもらえないかとしばらく車を待ったが、10台以上スルーされあきらめた。
そこで「黒部温泉 元湯四季の湯」まで歩くことにする。
5月の日差し、暑い中、黒部ダムのダム湖に掛かる青柳大橋を渡る。

 

 
13時15分、「黒部温泉 元湯四季の湯」に着く。
バスの時間まで15ぐらいしかなく、残念ながら温泉は諦める。
併設されている「観光ドライブイン」は、さびれた田舎の風情で、なにも買わなかった。

 
13時27分発のバスは、数分遅れてくる。
自分の他、乗客は2名。
 
新藤原駅で下車するのが、一番交通費が安く済むのだが、接続が悪く鬼怒川公園駅までバスで行く。


 
【編集後記】
 
久しぶりに雨に降られたが、2日目はカラリと晴れて、最高な登山日和になった。
前から歩きたかったバリエーションルートを完歩でき満足だ。
 
 ( ^^) _旦~~  
Home