日留賀岳偵察・前尾根ポイント1471

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アクセス・コースタイム

2024年2月23日(金・祝) 日帰り山行
 
2/23(金・祝) 雪・曇り
電車:京成高砂駅[4:55発]-関屋・南栗橋・下今市乗換え-
   -新藤原駅[8:09着/8:17発]-男鹿高原駅[8:47着]
    京成157円+株主優待券780円+野岩鉄道1,000円
 
徒歩:男鹿高原駅[8:51出]-横川[9:14着]-
   -ワイルドフィールズおじか[9:43着/9:47出]-林道分岐[9:53着]-
   -ポイント895[10:20着]-林道終点・取付き[10:27着/10:30出]-
   -標高1050mアイゼン装着[11:12着/11:20出]-
   -標高1085m三島街道横断[11:19着]-
   -標高1120m三島街道横断[11:25着]-
   -標高1300mアスナロのヤブ始まり[11:57着]-
   -ポイント1336[12:17着]-ポイント1471[12:39着/12:43出]-
   -ポイント1336[12:55着]-林道[14:02着]-
   -林道分岐[14:11着]-ワイルドフィールズおじか[14:20着/14:29出]-
   -横川[14:56着]-男鹿高原駅[15:25着]
 
電車:男鹿高原駅[16:06発]-新藤原駅[16:34着/17:00発]-
    -下今市・南栗橋・押上駅乗換え-
    -京成高砂駅[:着]
    野岩鉄道1,000円+株主優待券780円
  

【はじめに】

日留賀岳には、一般的には南側の登山道を登る。
だが、栃木県横川地区から取り付ける北西側にはバリ尾根がいくつもある。
そのひとつ、西に延びる尾根、通称「前尾根」がある。
日留賀岳の山頂から北に延びる尾根と、この前尾根を繋げて1泊の山行を考えた。
今回、積雪状況とヤブの加減を偵察に行ってきた。
 
東京は朝から小雨が降っていた。
予報では、北に行くほど天気は回復し、午後になると風が強くなる。
ウエブサイトの「てんきとくらす」では、今日はC判定(登山に適さず)だった。
それでも、雨で無ければ良しとして出発した。
 

 

5月26日(日) 晴れ


日留賀岳には、一般的には南側の登山道を登る。
だが、栃木県横川地区から取り付ける北西側にはバリ尾根がいくつもある。
そのひとつ、西に延びる尾根、通称「前尾根」がある。
日留賀岳の山頂から北に延びる尾根と、この前尾根を繋げて1泊の山行を考えた。
今回、積雪状況とヤブの加減を偵察に行ってきた。
 
東京は朝から小雨が降っていた。
予報では、北に行くほど天気は回復し、午後になると風が強くなる。
ウエブサイトの「てんきとくらす」では、今日はC判定(登山に適さず)だった。
それでも、雨で無ければ良しとして出発した。
 

東武線の栃木駅を過ぎると雪景色、どこもかしこも真っ白。
その後、下今市駅を過ぎると雪は一旦やんで、新藤原駅を過ぎるとまた雪景色が現れる。
今日の天気は不思議だ。
問題は、これから行く山の天気だ。

 
地元の駅を5時前に立ち、5回電車を乗り換える。
目的の栃木県の最北、野岩鉄道の男鹿高原駅に着いたのは4時間後の8時47分だ。

 
ここ男鹿高原駅は無人駅、改札もトイレはない。
駅周辺に民家は無く、駅前にはローターリーも自販機も無い。
この味気ない駅は、近くに野岩鉄道の変電所があるから作ったからだと思えてならない。

 

 
車内でスパッツも装着し、出発準備を整えておいた。
昨夜からの雪がアスファルトの車道に積もっている。
積雪は、ここでは数センチだ。
 
駅から少し進み、国道121号線を山王峠方向に北上する。
 
25分ほどで横川部落に着く。
古民家が並ぶ古い街道を通過し、さらに横川牧場に向けて狭い車道を進む。
 
ほどなく正面右に、今日登る予定の尾根が見えてくる。
その先には、日留賀岳の北尾根も雪の中、薄っすらと見ることができる。

 
途中、丸太の看板を掲げる「心森キャンプ場」を通過する。
冬季は休業だ。

 
駅から歩き始め50分、もう一つのキャンプ場「ワイルドフィールズおじか」に着く。
ここはアウトドアショップを経営する会社が運営しているキャンプ場だ。

 
管理人さんがいたら情報を聞こうと受付棟に寄る。
年配の方が出てこられ、これから登る尾根の状況などを教えてくれた。
尾根のこと以外に「三島街道(塩原新道)」があると教えてくれた。
この時は、街道のことはまったく知らなかった。
下山してネット検索すると、明治時代に廃道になっていた。
しかも、この街道を復活されて、そこを歩いた人がいた。
(詳しくは「ヨッキれん」で検索を)
今回、通過した杣道だと思ったのは、この三島街道だった。
 
管理人さんにお礼をして出発する。
 
キャンプ場を通過し、男鹿川に掛かる橋を渡るとすぐに林道の分岐に着く。
左は横川牧場、右は目的の尾根の方向だ。
(ネットで調べると、右の林道は横川林道。)

 
林道も新雪が数センチ積もっていた。
相変わらず雪が舞っている。周囲は植林の落葉松林だ。

 
地図に沿って林道を進み、6、7回カーブを曲がると取付きに決めた林道の終点に着く。
ここでストックを出す。

 
小沢に沿って少し登り、適当なところを見つけて尾根に向かって登る。
落葉松が植えられた斜面を登り尾根に乗る。
しばらくはなだらかな尾根を進む。

 

 

 
落葉松林の向こうに、尾根の急登が見てわかる。
標高差200メートルの状態が気になる。

 
このころ、雪が止んだ。
その代わり風が出てきた。
この時、気温はマイナス10度だった。

 

 
標高1050メートル付近から傾斜がきつくなったのでアイゼンを着ける。
今日は、スポルティバの靴にサレワのワンタッチアイゼンの組合せだ。

 
傾斜がきつい所は、ジグザグに登る。
新雪の斜面は登りやすい。
時々、落葉の上に積もった新雪で滑ることがある。

 

 
少し登ると、杣道が横断していた。
この時は、林業のために作った道だと思っていたが、後で調べたら、これが三島街道だった。

 

 
さらに数十メートル登ると、また杣道が横断してた。

 

 

 

 
快調に高度を上げる。
振り返ると、福島県との県界の尾根が見える。
そして左手(東)には、日留賀岳の北尾根が見える。
ただし、山頂はガスに隠れて見えない。

 

 
標高が1280メートルを超え、傾斜がゆるむ。
この先は、目標のポイント1471までなだらかな登りだ。

 
標高1300付近から、アスナロヒノキが多くなる。
枝が低く垂れ下がり、ザックにくくり付けたスノーシューが引っ掛かり歩き難い。

 
この辺りから鹿のトレースがあった。
それに導かれるよう、ポイント1336に向かう。

 

 

 
ポイント1336到着は12時を回っていた。
時間が気になる。
なぜかというと、男鹿高原駅から帰りの電車は16時の次が19時50分まで無いことだ。
数年前のダイヤ改正で、男鹿高原駅に停まる電車の本数が減ったからだ。
16時を逃すと、4時間近く無人駅で待つことになる。
それはつらい。
策として、隣駅、上三依塩原温泉駅まで歩けば18時16分発のリバティに乗れる。
しかし、それには国道121号線を4キロ歩かなければならない。
それもつらい。
結論は、下山に掛かる時間を考え、ギリギリ12時45分まで進むことにした。
 
ポイント1336を通過するときれいな白樺林だった。
そこでほんの少し下って、またアスナロヒノキの中を登る。

 

 
ほどなく、広葉樹の林と笹原に変わる。
傾斜は緩やか、アイゼンでガツガツ歩く。

 

 
周囲の樹はすべて着雪して、美しい景色が広がっている。
まるでテーマパークのお菓子の木のようだ。
陽が差していたら、もっときれいだろう。

 
そして目標のポイント1471が見えてきた。
12時39分、登着。
ガスっているので、景色は分らない。
山名板は見当たらなかったが、三角点の石標はあった。

 

 
桃ノ木峠方向を見ると、かなりの下り傾斜だ。
日留賀岳方向はガスでよくわからない。

 

 
電車の時間が気になり、昼ごはんもとらず下山する。
 
下りは、自分のトレースを見失わなければ心配は無いと思ったが、風が強く、所々消えていて、その都度コンパスと地図でルートを確認した。

 

 
標高1200メートル付近が分岐になる。
ここでは慎重にコンパスを使って消えたトレースを追った。

 
下りは、正面、県界尾根を見ながら歩く。
晴れていたら、きっと七ヶ岳や荒海山が見えることだろう。

 
急な斜面はアイゼンでも慎重に下る。
杣道を2ヶ所通過する。

 
アイゼンが泥で汚れないうちに、早めに外す。

 

 
登りの時は、林道の終点から取付いたが、少しでもショートカットができないかと、枝尾根を進む。
 
14時過ぎ、林道に出た。
今朝通過したヘヤピンカーブだ。

 
林道は、朝歩いた時より雪が減っていた。

 
男鹿橋を渡りワイルドフィールズおじかまで来ると、下ってきた尾根がよく見える。
左手(東)には北尾根も見える。
桃ノ木峠は、下ってきた尾根の右側だ。

 

 
ワイルドフィールズおじかに立ち寄り、下山した旨を告げる。
そして、朝会った方とは違うスタッフさんと、積雪状況など情報を聞く。
やはり今年は雪が少なく、スノーシューを1回しか使わなかったと話してくれた。

 

 
あとは駅まで車道を歩くだけ。
16時6分発の電車には余裕で間に合うだろう。
振り返って、登ってきた尾根眺める。
日留賀岳の山頂は、相変わらず見えなかったが、北尾根の全体像も掴むことができた。

 

 

【編集後記】


土木県令こと、三島通庸が手がけた、明治の幻の新道が「塩原新道」。
キャンプ場の人は「三島街道」と呼んでいた。
栃木県那須塩原市三島を起点に、塩原、桃ノ木峠を経由し、福島県界の山王峠を終点とする、全長約52キロの計画だった。
しかし、第2工区の塩原から山王峠までが廃道となる。
今回、その一部を横断したことになる。

( ^^) _旦~~

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