那須縦走 南月山 流石山 唐沢山
一般コース
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アクセス・コースタイム
2024年11月4日(月・祝)~11月5日(火) 晴れ/曇り
11/4(月・祝) 晴れ
電車:京成高砂駅[5:10発]-関屋駅[5:18着]-
-牛田駅[5:28発]-久喜駅[6:12着/6:33発]-
-宇都宮駅[7:28着/7:38発]-黒磯駅[8:31着]
京成線199円+東武線607円+JR線1,166円
バス:黒磯駅西口[9:35発]-乙女の滝[10:19着]
関東自動車1,170円
徒歩:乙女の滝[10:30出]-沼原[12:48着/13:02出]-
-白笹山[14:52着]-コル[15:06着/15:22出]-
-南月山[15:50着/15:55出]-日の出平[16:19着]-
-牛ヶ首[16:34着]-峰の茶屋避難小屋[16:59着]-
-那須岳避難小屋[17:15着] 小屋泊
11/5(火) ガス/晴れ/曇り
徒歩:那須岳避難小屋[6:45出]-延命水[7:06着]-
-三斗小屋[7:32着/7:35出]-三斗小屋跡分岐[8:42着]-
-大峠[9:14着/9:20出]-流石山[10:28着/10:33出]-
-大倉山[11:35着/11:45出]-三倉山[12:24着/11:34出]-
-唐沢山[13:36着/13:44出]-中間地点の標識[14:21着]-
-分岐[14:58着]-林道[15:24着]-
-登山口[15:43着]
バス:音金上坪バス停[15:45発(遅延)]-養鱒公園駅前[15:55着]
会津バス300円
電車:養鱒公園駅[16:01発]-会津高原尾瀬口駅[16:37着]-
会津鉄道860円
日帰り入浴:夢の湯 500円
電車:会津高原尾瀬口駅[18:16着 リバティ会津]-
-新藤原駅[18:40着/19:18発]-
-下今市駅[19:57着/19:59発]-南栗橋駅[21:29着/21:30発]-
-押上駅[22:28着/22:34発]-高砂駅[22:45着]
野岩鉄道1,090円+東武鉄道1,590円(株主優待券780円)+京成線199円
【はじめに】
那須山魂で、まだ歩いていない南月山から流石山・唐沢山をつなげて歩けないかと縦走することを考えた。
ただ、那須は風が強い。
稜線で風に吹かれると大変だ。
過去に低体温症に遭われた方もいる。
そこで、天気予報で風が少ない日を選んで出発した。
もうひとつ水場が少ないこと。
それは下から持ち上げるしかない。
2日分で5リットル。
ザックの重さは16.5キロになったが、命の水、代えがたい。
11月4日(月・祝) 晴れ
東武線久喜駅から、今日はJR東北線に乗り換える。
田畑の先を眺める山々も、今日はいつもと違った見え方をする。
東武線下市駅から見る高原山も、宇都宮線からだと裾野が広くきれいな山に見える。
左手には、日光の山々も見られる。
西那須野駅を過ぎると那須の山々が間近に見える。
だが残念なことに新幹線の高架が邪魔して、写真が撮れない。
それにしても特徴的な茶臼岳はよく目立つ。
裾野は黄色く色付いている。
さらに那須山魂の左側には、大滝山から大佐飛山に続く稜線も見られる。
その先が男鹿岳だ。
朝8時半、終点黒磯駅に着く。
乗客の大半は、手前の那須塩原駅で降りたから、ホームを降りる人も少ない。
駅前のロータリーは、モダンな作りにリニューアルされ、カッコいい図書館が建っている。
ロータリーの向こうにはおしゃれなカフェがあるらしく、朝早くから行列を作っていた。
1時間待って那須ハイランドパーク行きのバスが来た。
座席は半分程度埋まっていたが、大半が板室温泉で下車した。
45分ほどして、乙女の滝バス停に着き、一人下車する。
観光地らしく休憩所や蕎麦屋がある。
バス停から県道を少し戻り、橋の先に沼原への遊歩道入口がある。
沢沿いの広い道だが、あまり歩かれていないため落葉がふかふかだ。
足元には栗のイガがたくさん落ちている。
開けたところで、黒尾谷岳が見えた。
途中、サルの群れに出合う。
25分で、板室温泉への分岐を通過する。
栗やナラなどの林、鳥の声。春だったら明るくて気持ちの良いところだ。
途中、小沢を渡ると落葉松と笹原に変わる。
登山口から1時間、舗装道を通過する。ここが中間地点、一本取る。
沼原に登っていく車が多く通る。
このころから雲が多くなり日差しがなくなる。
この先、舗装道を歩くところがある。
アスファルトの道は歩き難い。
遊歩道には、温泉の配管が敷かれていて、所々にバルブが設置されている。
この上の源泉から別荘地につながっているのだろうか。
沼原に近付くと、山にはガスが掛かり始める。
12時48分、登山口から2時間20分掛かって沼原の駐車場に着く。
広い駐車場には車が多かった。
ここで1回目の昼食、おにぎりを1つ食べる。
13時、沼原を出発する。
緩やかな道を歩き始め、涸沢を渡ると登り坂に変わる。
笹と白樺の林だ。
半分ほど登った標高1530メートル付近から眺望が良くなる。
そして、ガスの上に出たのか陽が射してきた。
大佐飛山の稜線が雲海の上に浮かんでいる。
そして、明日登る流石山から三倉山も見えてきた。
人工的な四角い沼原池も見える。
さらに西側に回り込んだとき、日の出平の先に、茶臼岳の山頂も見えた。
さらに流石山から三倉山の稜線は、裾野から全体が見渡せるようになる。
その流石山の右に下っところが大峠だろう。
江戸時代、関東から会津に向かう街道のひとつ、会津中街道は大峠を超える。
14時52分、沼原から1時間50分、白笹山 1719メートルに着く。
山頂は眺望が良くないので、写真を撮ったら南月山へと進む。
少し下ると目の前に南月山と茶臼岳が見え始める。
それも東からガスが上がってきて、すばらしい景色だ。
コルまで下ると、東に雲海が広がっていた。
振り向くと、南側には雲海の上に高原山と日光の山も見える。
ここで2回目の昼食、おにぎり1つ食べる。
15時50分、白笹山から1時間 南月山 1775.7メートルの山頂に着く。
小さな石の祠と山名看板、三角点の石標、ベンチがある。
山頂からは、夕日に照らされた茶臼岳が見える。
手前には日の出平のなだらかな尾根。
振り向けば、日光から会津の山々も見られる。
4時少し前に下山。下山と言っても平坦でなだらかな尾根を進む。
最初は火山帯特有の溶岩の砂利道。所々にハイマツが生えている。
中間から、笹原の中の道に変わる。
16時19分、南月山から25分 日の出平に着く。
大きな説明板があり、5月中旬に咲くミネサクラと秋の紅葉がきれいだと書かれている。
ベンチもあり、広くてビバークに向いていると考え、当初はここでツエルトを張る計画だった。
でも、風が強く、悲惨な状況になるのが想像できる。
薄明の明るさなら、避難小屋まで行けるのではないかと、計画を変更する。
気象庁が設置した火山観測局を通過し、ロープの岩場を通過すると徐々に下りになる。
目の前には夕日に照らされオレンジ色になる茶臼岳が迫る。
16時34分、15分で牛ヶ首に着く。
風が強い。そして硫黄の臭いがする。
ここは、茶臼岳を東西に回り込むための分岐点だ。
右(東)に行けば、ロープウェイ山頂駅へ。
左(西)は峰の茶屋跡へ続く。
振り返ると日が沈むところだ。
こうなると時間との勝負、急いで先に進む。
茶臼岳の西に続くトラバース道を峰の茶屋跡へ進む。
左には、明日行く流石山から三倉山の稜線が見える。
その向こうにオレンジ色の雲海が広がりきれいだ。
16時45分、日光男体山の先に陽が沈んだ。
16時59分、牛ヶ首から25分、峰の茶跡避難小屋に着く。
ここは風の通り道、とにかくすごい。
小屋の先から左(西)の斜面に下り、那須岳避難小屋へ向かう。
最初は樹も生えない斜面を下る。樹林帯に入ると避難小屋近い。
17時15分、峰の茶屋跡から15分、避難小屋に着く。
入口の扉が壊れていて、突っ張り棒で閉める。
(写真は、翌朝撮影)
小屋の中は中二階になっていて、20人ぐらいは泊まれそうだ。
今夜は風にあおられることもなく、安心して眠れそうだ。
夕食は、早ゆでペンネにウニソース掛け。そして西尾の赤飯だ。
11月5日(火) ガス/晴れ/曇り
5時に起床する。
外は明るいがガスが掛かっている。
尾根の上からは、風の音がする。
少し様子を見るもガスは晴れそうもない。
6時45分、那須岳避難小屋を出発する。
すっかり葉が落ちたシラカバ林、苔むした古い道を下る。
三斗小屋から登ってくる登山者数人とすれ違う。
7時6分、小屋から20分で水場に着く。
「延命水」という水場、湧き水のようだ。
広い道を進み、沼原への分岐を通過する。
このころから青空が広がってきた。晴れる前兆だ。
7時32分、避難小屋から45分、三斗小屋に着く。
煙草屋旅館の手間には、テントサイドがあった。
昔(1999年11月)来たときは、なかったような気がするが・・・
そして煙草屋旅館には、これまた新しいテラスが作られ、中でお茶飲んでいる人がいた。
左下は大黒屋、本館は明治時代の建物だという。
渡り廊下をくぐり、大峠へ向かう。
さっきと違って狭い道にふかふかの落葉が敷き詰めらえてている。
この先を歩く人は少なそうだ。
すぐに分岐があり右に曲がる。
葉が落ちた広葉樹と熊笹の道。
トラバースの道は、枝尾根と沢を3回超える。
1つ目の沢を超えると崖にロープが掛かっていて、さらにその先、岩場の脇を歩く。
2つ目の沢は少し水量が多く、倒木は滑るので注意。
このころから日だ射してくる。真上は青空、山頂にだけガス残っている。
3つ目の沢の手前で、三斗小屋宿跡への分岐を通過する。
3つ目の沢を渡ると、いよいよ大峠への登りが始まる。
登りは2,30分掛かる。
9時14分、三斗小屋から1時間40分、大峠に到着。
お地蔵さまが迎えてくれた。
振り向けば茶臼岳から右に広がる沼原の谷、その先には大佐飛山の尾根が見える。
右の尾根を行けば三本槍、左が流石山だ。
どちらも山頂付近はガスが掛かっている。
少し遅れて年配夫婦が登ってきて、三本槍に向かって行った。
こちらも登り始める。
笹原の斜面に1本の道、直登に近いからぐんぐん高度が上がる。
振り返る度、三本槍への尾根が俯瞰できる。
最初は見えていた峠で会った二人も、やがて見えなくなる。
槍の山頂は、まだガスの中だ。
20分ほどして肩に出る。
昭文社の地図には「大峠山」に記されている。
流石山の山頂は、まだ先だが、ここから尾根沿いの道がよく見える。
この時には茶臼岳も山頂のガスも晴れ、360ビューを楽しませてくれた。
三本槍の麓、湯けむりが昇っているところが三斗小屋の旅館だと思っていたら違っていた。
おそらく湯けむりは源泉がある場所。旅館は、その下にあった。
この先、少々のアップダウンはあるが、ほぼ尾根道になる。
途中、西側の谷からガスが上がってきた。
10時18分、大峠から1時間15分、流石山 1822メートルに着く。
山頂は少し広く、木の山名板と三角点の石標がある。
南側の景色は良い。
この先も尾根沿いの道は続く。
ガスは、変わらず西の斜面から上がってきて、時々尾根を隠す。
大倉山の登り少し手前に、池塘があった。
1つ目は小さかったが、その先の2つ目の池塘は大きかった。
2つ目の池塘の先から登りが始まる。
流石山周辺より笹が濃くなっている。
11時35分、流石山から1時間、大倉山 1885メートルに着く。
木の山名板が2つ、1つは下郷町が建てたものだ。それと三角点の石標がある。
昭文社の地図では、大倉山の山頂は東側に記されていて、標高は1831メートルとなっている。
山頂周辺は灌木が多く、景色は良くない。
南に少し行くと茶臼岳方向が見えるが、この時ちょうど、ガスが掛かり見えなかった。
ここでお昼のパンを食べる。
下山は一旦下り、尾根を進む。
左から湧いてくるガスが、次の山頂を隠す。
大倉山から30分したところで県界の小ピークを超える。
そこには三角点の石標がある。
ここならツエルトが張れそうだ。
ガスの中、尾根を進む。
12時24分、大倉山から50分、三倉山 1888メートルに着く。
山頂は広く、新しい御影石の祠と、同じく御影石の山名板がある。
平成20年(2008年)7月、三倉山々開き実行委員会が建てたそうだ。
新しいミカンがひとつ供えられていた。
道には、2種類の登山靴の足跡があり、この足跡は唐沢山の下りまで続いていた。
問題の唐沢山までの道だ。
ヤマレコの記録が少なく、2年前の投稿では所々笹ヤブだと書かれていた。
道の入口からすでに笹が被っている。高さは股下程度。
股下と思っていたら、すぐに腰ぐらいの高さになる。
所々だと思っていたら、この先ずうっと道には笹が被っていた。
ガスは晴れない。笹に付いたしずくが多くなる。
雨具のズボンを持ってこなかったことを悔やむ。
50分ほどして、ヤマレコの投稿のとおり倒木があった。ここは右(東)側を巻く。
三倉山から唐沢山への尾根は下りで、小さなアップダウンがあるだけだ。
シラビソをシャクナゲが増え、樹林の中だと笹がない。
その代わり、濡れた根で滑りやすい。
さらに10分ほどして2つ目の倒木を通過する。
倒木から10分ほどして目の前が開けた。
13時36分、三倉山から1時間10分、唐沢山 1691.9メートルに着く。
山頂は狭い。三角点の石標がある。
木の山名板は文字が消えて判読できない。
山頂から北西を見下ろせば下郷の町が見える。
その先の山々、養鱒公園駅のすぐ上が見明山。(2016年の登った。)
さらにその先が、博士山だろう。
ここで下山後のバスの時間を確認する。
登山口に近い音金上坪バス停15時35分発がある。
現在13時45分、残り2時間を切っている。
標高差は950メートル、コースタイムは2時間。間に合うか微妙だ。
まずは下ることにする。
笹はすぐに無くなり、落葉の道になる。
アスナロが多く、時々道に被っている。
尾根の沿いの道で、路迷いはなさそうだ。
でも落葉と、その下に隠れている石ころと木の根が歩みを阻む。
傾斜があり、スピードが上がらない。
14時12分、ポイント1515ろ通過する。
山頂から35分ほどして、中間点の標識があった。
標高1480メートルと書かれている。
標高1400メートル付近でアスナロからシラカバに変わり、紅葉が見られるようになる。
14時58分、分岐に着く。
ここから尾根を離れ、涸沢に入る。
しかしこの涸沢は、落葉の下に石が多くとても歩き難い。
そして土も柔らかく、ぬかるんで滑りやすい。
実際2度も滑って転んだ。
15時24分、林道が見えたので、沢から離れて林道を進む。
この林道も歩き難かった。車も入っておらず、石ころだらけだ。
林道を10分ほど歩いたところでバスの時間を過ぎてしまった。
辺りは杉の植林に変わる。
さらに5分すると、杉林の先にお墓が見えてきた。
その時、田んぼの中をバスが右に走っていくのが見えた。
あ、もしかしてら、あのバスが折り返して乗れるかも・・・
右手に神社が見えた。登山口の神社だ。
走りだす。
間に合うか・・・
丁字路に着く。耳を澄ますとバスの音がする。
やったー!
バス停ではないが、手を挙げて乗せてもらう。
運転手さん曰く、今日は遅延しているそうだ。
ラッキー!
バスに揺られること15分、会津鉄道 養鱒公園駅に着いた。
時刻は15時58分、列車は16時01分発、グッドタイミングだ。
列車は2両編成、地元の主婦と学生さんが乗っていた。
ほとんどの乗客は会津田島駅で降り、終点 会津高原尾瀬口まで乗ったのは自分と駅員さんだけだった。
会津高原尾瀬口駅では約90分の待ち合わせのため、日帰り温泉「夢の湯」に向かう。
小さい温泉だが、普通の民家のような雰囲気が良い。
【編集後記】
那須のメインの山を外し、登りたかった山々をつないで縦走でき大満足だ。
登山口に下りてきたときのこと、間に合わないと思っていたバスに乗れたのは感激した。
本当にラッキー!!
それから、久しぶりに会津公園尾瀬口で「夢の湯」に浸かれたし。
でも、尾瀬行きのバスが田島駅発に変わったことで、この駅に併設された「憩の家」内のお食事処「恋路茶屋」が今年(2024年)10月で閉店したことは残念だ。
( ^^) _旦~~